SBIホールディングスは、本日、NTTに対して8.94％の株式を新規発行するとともに、NTTドコモに対して住信SBIネット銀行の全ての持分を売却すると発表しました。
これにより、NTTは、SBIホールディングスの第2位の大株主になります（三井住友フィナンシャルグループも8.94％の株式を保有しており、同率2位）。また、住信SBIネット銀行は、NTTドコモの子会社になります。
SBIホールディングスは、8.94％の自社株を割り当てて1108億円、住信SBIネット銀行の全持分を売却して1864億円、合計2972億円を手にすることになります。
SBIホールディングスの北尾社長は、このお金の使いみちについて、SBI新生銀行の公的資金（3300億円のうち1000億円は返済済みのため、残りは2300億円）の早期返済にあてるとしています。
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが34.19％ずつの持分を保有してきました。
SBIホールディングスは、SBI証券と住信SBIネット銀行を経営の柱とし、「証銀一体」と呼んでいました。しかし、新生銀行を手に入れたことで、住信SBIネット銀行の重要度は大きく下がりました。
他方で、NTTドコモにとっては銀行を手に入れることが悲願でした。銀行を手に入れることで金融サービスがフルラインナップで揃うことになるからです。ちなみに、auにはauじぶん銀行、ソフトバンクにはPayPay銀行、楽天モバイルには楽天銀行があります。
SBIホールディングスからすると、懸案事項だったSBI新生銀行の公的資金の返済資金の大半を不要になった住信SBIネット銀行の売却金でまかなえることになったばかりか、NTTを大株主に引き込むことで今後はNTTやNTTドコモ経由での送客が見込めることになります（北尾社長によると、口座獲得の48.4％がアライアンス経由）。
具体的には、「dカード」や「dポイント」で投信が買えるようになります（なお、現在はdポイントは貯まるだけで、投信や株を買うことはできません）。
マネックス証券がどうなるかが気になるところですが、マネックス証券はNTTドコモと業務提携しているのではなくNTTドコモの子会社になりましたので、NTTドコモとしてはマネックス証券を証券サービスの中核としつつ、マネックス証券よりもSBI証券のほうがよいと考える顧客はSBI証券に送客することで全ての顧客を取りこぼさないようにする狙いがあるのかもしれません。
クレカ投資の選択肢が増えるのは良いのですが、「1証券会社＝1カード」のルールがある以上、限られたパイの中での奪い合いですね。
返信削除私自身、SBI証券では既に三井住友カードで投資していますし。
一方、先日JCBカードに関するブログでお書きいただいたように、「1カードで複数会社へのクレカ投資」が認められているのは、よく分かりません。
金商法に関する内閣府令の主旨を考えれば、「1カード＝1証券会社」なのでは？とも思うところです。
まあ、現状の方が望ましいので構いませんが。
三菱UFJ銀行とタイアップしたdスマートバンクとの関係はどうなるんでしょうね。これのためにdカードの引き落とし口座を三菱UFJ銀行にしたわけですが、今後は住信SBI銀行を引き落とし口座にしてくれってことになるんでしょうし。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除＞「1証券会社＝1カード」のルールがある以上、限られたパイの中での奪い合いですね。
SBI証券が「オープンアライアンス」にしているのは、送客数を競わせるためかもしれませんね。
＞dスマートバンクとの関係はどうなるんでしょうね
フェードアウトしていきそうですね。
dスマートバンクは三菱UFJ銀行が提供するBaaS（Bank as a Service）を活用したものであり、今回の住信SBIネット銀行との関わりはない。前田社長も「それはそれとして」と深い言及は避けた。
https://www.businessinsider.jp/article/2505-docomo-sbi-bank-alliance/