野村アセットマネジメントは、本日、「はじめてのNISA」(「Funds-i Basic」)シリーズを5本、2023年7月10日に新規設定する旨を明らかにしました。
【ソースはこちら】https://www.nomura-am.co.jp/news/20230623NAM2.pdf
このうち全世界株ファンドは業界最安値を単独更新しています。
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/06/11000p_23.html
「はじめてのNISA」(「Funds-i Basic」)シリーズは、次の5ファンドです。
なお、販売会社は現時点では野村證券だけですが、野村専売品ではなく販売希望があれば他社にも提供するつもりだということでした(電話確認済)。
SBI証券はリクエストを受け付けていますので、希望者が多ければきっと取り扱ってくれるものと思われます。
1,「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」
(1)信託報酬 税込0.05775%→指数のライセンス料、法定書類の作成費用等は運用会社が負担する(電話確認済)。
MSCIジャパンマザーファンド 新規設定(電話確認済)
新興国株式マザーファンド 881億9121万円
→指数のライセンス料、法定書類の作成費用等は運用会社が負担する(電話確認済)。
たわらノーロードS&P500 0.09372%
SBI・V・S&P500 0.0938%
SBI・V・全米株式 0.0938%
3,「はじめてのNISA・新興国株式インデックス」
(1)信託報酬 税込0.1859%→指数のライセンス料、法定書類の作成費用等は運用会社が負担する(電話確認済)。
(3)競合ファンド
SBI・V・新興国株式 0.1438%
4,「はじめてのNISA・日本株式インデックス(TOPIX)」
(1)信託報酬 税込0.143%→指数のライセンス料、法定書類の作成費用等は運用会社が負担する(電話確認済)。
(2)マザーファンド 5064億5121万円
(3)競合ファンド
5,「はじめてのNISA・日本株式インデックス(日経225)」
(1)信託報酬 税込0.143%→指数のライセンス料、法定書類の作成費用等は運用会社が負担する(電話確認済)。
(3)競合ファンド
野村アセットマネジメントは、「はじめてのNISA」シリーズを新規設定するにあたり、全世界株ファンドを除き、信託報酬をスリムシリーズに合わせてきました。
しかし、米国株、新興国株、TOPIX、日経225の各ファンドには、スリムシリーズよりも信託報酬が安いファンドが存在しますので、全世界株ファンドを除いて全く魅力を感じません。
どうせなら全てのファンドで業界最安値を単独更新してほしかったところですし、特に米国株ファンドは純資産額2兆円を超えるスリム米国株と競合するわけですから、スリム米国株と同率の信託報酬では勝ち目は皆無です。米国株ファンドの信託報酬も全世界株ファンドと同率にすれば「はじめてのNISA」シリーズの2枚看板になったことを思うと残念でなりません。
先進国株ファンドがシリーズにないのは、野村スリーゼロ先進国株投信が存在するからでしょう。
しかし、野村スリーゼロ先進国株投信の純資産額は100億円ほどにすぎません。純資産額が増えない最大の理由は、信託報酬がゼロでなくなる2031年1月1日以降の信託報酬が0.11%とされ、たわら先進国株・スリム先進国株・ニッセイ外国株よりも高いからです。
そこで、野村スリーゼロ先進国株投信を「はじめてのNISA・先進国株式」に名称変更し、2031年1月1日以降の信託報酬を0.09889%にする旨を明記すべきだと思います。
最後に、はじめてのNISAシリーズによって窮地に立たされたファンドがあります。
「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」は指数のライセンス料と法定書類の作成費用を運用会社が負担していることから、
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/04/blog-post_11.html
という判断をしたスリムオールカントリーが対抗値下げをせざるを得なくなってしまいました。
野村アセットマネジメントは、実は超低コスト競争に積極的であり、良いタイミングで魅力的な超低コストファンドを投下して超低コスト競争を活性化させてくれています。
2017年10月2日には、信託報酬0.19%(税抜)の「野村つみたて外国株投信」(先進国株+新興国株)を新規設定しました。この当時のたわら先進国株の信託報酬は0.20%(税抜)です。
また、2020年3月16日には、信託報酬が新規設定から10年間ゼロになる「野村スリーゼロ先進国株投信」を新規設定しました。
そして、今回、全世界株ファンドについて、業界最大規模のスリムオールカントリー(純資産額1兆2258億円)の50%オフで新規設定しました。
今回の全世界株ファンドも、競合ファンドが対抗値下げに踏み切るかどうかでそのファンドの真価が問われてしまうことから、おそろしい影響力があると考えています。
今までは微妙に(巧妙に?)スリムと同じ土俵に立つのを避けている感じでしたので、それ故スリムは追従する必要はなかったので、今回はどんな感じか、全世界株式インデックスには期待しています
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除野村の本気を見た気がします。
ただ、野村には、オールカントリーもS&P500も同じ指数に連動するインデックスファンドがないため、これらを超々低コストにしても痛みは皆無であるのに対し、1兆円超と2兆円超の純資産額を抱えるファンドの対抗値下げをしなければならないスリムシリーズにとっては会心の一撃を受けることになります。
野村には、オールカントリーだけなくS&P500にも本気を見せてほしかったところです。
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は指数料込みなんですね。これは事件ですね。これをオルカンが追わないとすると、オルカン受益者の大移動か一揆がはじまりますね。
返信削除新Nisaを控え、全世界株式が頭一つ抜けた方が、日本人の資産形成のためにもむしろよろしいかと。
返信削除ひょっとすると、純資産額があのVT(2023年6月現在、3.9兆円)を超えるかもしれません。
米国株式はまず無理でしょう(VOOは2023年6月現在、42.4兆円と桁違い)。
コメントありがとうございます。
返信削除>これをオルカンが追わないとすると、オルカン受益者の大移動か一揆がはじまりますね
新記事にしましたが、野村の運用能力は優秀で即買いしてもよいレベルです。
>全世界株式が頭一つ抜けた方が、日本人の資産形成のためにもむしろよろしい
私はスリム一強は超低コスト競争にとって良くないと考えています。競争する中でファンド運用が磨かれていくと思うからです。
スリムオールカントリーに真っ向勝負して勝てるファンドがようやく現れたのは非常に喜ばしいことだと思っています。
>スリムオールカントリーに真っ向勝負して勝てるファンドがようやく現れた
削除ご返信、ありがとうございます。
競合により健全な市場が形成され、
資産形成が促進されると良いですね。