日経ヴェリタス2024年12月29日号巻頭特集で、田村正之・編集委員による興味深い記事が掲載されています。
なお、楽天証券の口座保有者であれば、日経テレコン21経由で全文を無料で読むことができます。
●NISA最大の敵は「売る誘惑」 長期保有へ資産配分点検
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●NISA口座で年初一括投資をしました
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/12/nisa_31.html
●「洗礼浴びた」24年波乱相場 10億円稼いだツワモノも
日経平均が前週末比4451円安と過去最大の下げ幅を記録した8月5日。株式投資歴5年でメーカー勤務のサラリーマン投資家、西島さん(仮名、48)は刻一刻と下げ足を速める株価の値動きに耐えきれず、旧つみたてNISA時代からコツコツと積み立ててきた投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)を「すべてろうばい売りしてしまった」と悔やむ。
アウトドア株もじきに売って、金融機関に投資を一任する『ファンドラップ』に切り替えようかと思っている
●NISA口座で年初一括投資をしました
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/12/nisa_31.html
上記記事によれば、
1,NISA口座における2024年1月から11月までの購入額は26兆円だが、同じ期間の売却額は13兆7000億円。
2,新NISAでは売却しても翌年には投資枠が復活するので、新NISAの最大の敵は「売る誘惑」といえる。
3,全世界株指数は、1987年の算出開始から2024年11月までの444か月で25倍になった。しかし、444か月のうち上昇率が最も高かった20か月だけ投資を中断していたら3.5倍にしかならなかった。
ということです。
日経速報ニュース(2024/12/28 04:00)は、更に興味深い記事を公開しています。
●「洗礼浴びた」24年波乱相場 10億円稼いだツワモノも
日経平均が前週末比4451円安と過去最大の下げ幅を記録した8月5日。株式投資歴5年でメーカー勤務のサラリーマン投資家、西島さん(仮名、48)は刻一刻と下げ足を速める株価の値動きに耐えきれず、旧つみたてNISA時代からコツコツと積み立ててきた投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)を「すべてろうばい売りしてしまった」と悔やむ。
西島さんはこのほか特定口座でもオルカン1000万円分を保有していたが、損益がほぼトントンになった10月下旬に手放したという。現在は、趣味が高じて投資したグローブライドなどアウトドア関連株2銘柄を計2000万円分保有し続けており、数百万円の含み損を抱える。
西島さんの今後が気になりますが、
アウトドア株もじきに売って、金融機関に投資を一任する『ファンドラップ』に切り替えようかと思っている
と語ったそうです。
せっかくスリムオルカンというファンド選択の最善解のひとつにたどり着いたのに、ファンドラップを買おうとしているようです。悲しいですね。
個別株では「見切り千両」と言われるとおり、予想が外れて株価が下がったら素早く損切りをしなければなりません。
しかし、時価総額比の株式インデックスファンドでは「損切り」という概念が介在する余地はなく、バイアンドホールドこそが唯一絶対の最適解です。「一度買ったらスッポンのように食らいついて何があっても売らない」という覚悟を初志貫徹できた人は資産形成に成功し、できなかった人は資産形成に失敗するというだけの実にシンプルな話です。
せっかくスリムオルカンというファンド選択の最善解のひとつにたどり着いたのにそれを売ってファンドラップを買おうとしている西島さん(仮名、48歳)も、せっかく新NISAという資産形成の最適解にたどり着いたのに既に売却してしまった多くの人も、資産形成で成功するためのたったひとつの冴えたやり方、すなわち「NISA口座で時価総額比の株式インデックスファンドをバイアンドホールドする」という真理を実践する好機をみすみす逃してしまったことを思うと、残念でなりません。
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