Q1 何を買ったらよいのでしょうか?
A1 「入門講座③ 買うべきファンドは7本だけ」を読んで、そこに書いてある7本のファンドのどれかを買うのがよいでしょう。
私と同じように「資本主義の自己増殖性による経済成長」というストーリーを信じることができるのであれば、先進国の株式を時価総額比で保有するインデックスファンドを買うべきです。
Q2 「買うべき7本のファンド」の中に先進国株インデックスファンドは3本ありますが、どれを買ったらよいですか?
A2 私であれば、たわらノーロード先進国株式を買います。
ファンド選択の判断基準は、①コストの安さ、②指数との乖離率の2点です。
まず、コストの安さは、信託報酬だけでなく投信保有ポイントも考慮すべきです。
たわら先進国株は、SBI証券の投信保有ポイントを考慮すれば競合ファンドの追随を許さない激安特価になります。
ただし、ファンドのコストは信託報酬だけではありません。ファンド運用でかかった実費は、ファンドの保有財産の中から支払う必要があります。
「そんなの知っている。隠れコストだろ。運用報告書まで確認しないとダメだってことだよね」と思った人は、思わなかった人よりも勉強しているものの、まだ十分ではありません。というのは、確かに年に1回の頻度で公表される運用報告書にはファンドが負担した実費の明細が記載されますが、全てが記載されているわけではないからです。
例えば、マザーファンドが現物株を売買するときは、通常は自分で直接やるのではなく現地国のブローカーを通じて行います。その際、ブローカーに支払う報酬を売買手数料という形で清算すれば運用報告書に計上する実費になりますが、現物株の売買価格に上乗せする形で清算すれば運用報告書に計上する実費はゼロになります。売買代金とブローカー報酬の合計額は前者も後者も同額ですが、後者は実費として計上する金額が少なく済むことから、前者よりも低コストで運用しているように見えてしまうのです。
つぎに、指数との乖離率ですが、月報や運用報告書を見ても比較することはできません。
なぜなら、確かに月報には「ベンチマークとの差」が明記されていますが、各ファンドがベンチマークにしている指数にはプライス、ネット、グロスの3種類があるところ、月報や運用報告書にはこの3種類のうちどれをベンチマークに採用しているのかが記載されていないため、月報に記載されている「ベンチマークの差」で見比べたとしても優劣を判断することができないからです。
しかも、指数は指数提供会社からドルで提供されたものを各運用会社が円換算しているため、この点でも微妙なズレが発生します。
【参考】●【基礎知識】指数の種類
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-757.html
このように、ファンド選択の判断基準は①コストの安さ、②指数との乖離率の2点であると言っても、比較の前提となる数字が同じ条件で計算されたものでないため、簡単に比較することができません。
ひとつの方法は、コストも指数との乖離率も全ては基準価額に反映されることに着目し、同種ファンドの基準価額の騰落率で比較するという方法です。
とはいえ、基準価額の騰落率を観測し続けるのは大変な手間です。また、基準価額の騰落率を比較して最もリターンがよいファンドがあったとして、その原因が運用に成功して下振れが少なかったためなのか、あるいは運用をミスして上振れをしてしまったせいなのかを判断することは容易ではありません。
このように考えると、私は、最終的には「運用会社が信頼できるかどうか」で決めるしかないと思っています。
私が2015年にたわら先進国株を買うことにした理由は、年金資産残高国内トップであるDIAMアセットマネジメントが個人客用に初めて作った商品(=企業DCで積み上がった巨額のマザーファンドを個人客向けに開放したもの)であるという運用会社のブランドを信頼したからでした。年金資産残高国内トップであるということは、多くの企業に信頼されて企業DCの運用を長年に渡って任されているということを意味するからです。
Q3 証券会社はどこにしたらよいのでしょうか?
A3 SBI証券にすべきです。
2024年から新NISAがスタートします。新NISAがスタートした後の最善の投資戦略は、生涯投資枠1800万円を最速で埋め、一度買ったものは絶対に売らずに保有し続けるというものになります。
そうすると、投信を保有しているだけでポイントがもらえる投信保有ポイントを重視して証券会社を決めるべきです。投信保有ポイントは各証券会社で微妙に違いますが、たわら先進国株で比較すると、次のとおりSBI証券が最もお得です。
SBI証券 0.05%
マネックス証券 0.03%
auカブコム証券 0.005%
楽天証券 なし
Q4 2023年はどうすればよいのでしょうか?
A4 投資資金がある人は、SBI証券のつみたてNISA口座でたわら先進国株を購入し、できるだけ早く非課税投資額40万円を使い切るべきです(例えば、4月1日に40万円購入したいときは、毎月の購入額100円、ボーナス日4月1日39万9900円に設定すれば大丈夫です)。
2023年分のつみたてNISA口座で購入した投信は、2042年12月31日まで非課税で運用された後、2043年1月1日に特定口座に自動的に払い出されます。非課税運用期間の最終日が固定されているため、非課税運用のメリットを最大限享受するためには、1日でも早く、1円でも多くのお金をつみたてNISA口座に投入しなければなりません。
つみたてNISAで40万円分の投信を買った後は、クレジットカード決済による投信積立サービスを利用して特定口座でたわら先進国株を購入するのがよいでしょう。
優先順位は、第1につみたてNISAを使い切ること、第2にクレジットカード決済による投信積立サービスを利用することです。
つみたてNISAで購入した投信は、2024年からスタートする新NISAの生涯投資枠には含まれないため、特定口座に自動的に払い出されるまでそのまま保有しておくべきです。
クレジットカード決済で特定口座で購入した投信は、2024年になったら売却し、その同日に新NISA口座で同額を購入し、新NISAの生涯投資枠を埋めるために使うのがよいと考えています(売却せずとも新NISAの年間投資可能額360万円を用意できる人は、そのまま特定口座で保有しておくべきです)。
Q5 2024年はどうすればよいのでしょうか?
A5 新NISAの生涯投資枠1800万円を1日でも早く、1円でも多く、使い切ることを優先すべきです。
新NISAの年間投資可能額360万円を使い切ることを最優先にし、他社の特定口座でクレジットカード決済による投信積立サービスも利用すべきではありません。クレジットカード決済のポイントよりも、非課税運用のメリットの方が大きいと考えています。
0 件のコメント:
コメントを投稿