大和アセットマネジメントは、2023年5月24日、「iFreePlus米国配当王」を新規設定しました。
3か月に1回の分配を目指す「年4回決算型」と分配を目指さない「資産成長型」の2種類があります。
信託報酬は、どちらも税込0.286%。
販売会社は、SBI証券(投信保有ポイントは年率0.05%)とauカブコム証券の2社です。
米国の連続増配株には、①「配当王」(50年以上連続増配)、②「配当貴族」(25年以上連続増配)の2種類があります。
このうち、配当貴族という名称は「S&P500 Dividend Aristocrats Index」(S&P500配当貴族指数)に由来するものです。「Dividend」は「配当」、「Aristocrats」は貴族を意味します。
「S&P500」が名称に含まれていることから分かるとおり、S&P500銘柄のうち25年以上連続増配している銘柄の中で、時価総額30億ドル以上、1日の平均売買代金が500万ドル以上という選考基準に基づいてS&P社が選定したもので、2023年4月時点で66銘柄です。
S&P500配当貴族指数は、対象銘柄の時価総額に関係なく均等配分したものになります。
我が国の投資信託のうち、「配当貴族」を名称に含むファンドは10ファンドあります(ウエルスアドバイザーの検索機能による調査結果)。
上記10ファンドのうち、もっとも信託報酬が安いのは「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」であり、税込0.1155%です(ただし、指数のライセンス料や法定書類の印刷費用等は信託報酬とは別に請求されます)。
これに対し、「配当王」を名称に含むファンドは当ファンドだけです(ウエルスアドバイザーの検索機能による調査結果)。
大和アセットマネジメントは、配当王について43銘柄のリストと運用ルールを公表しています。
【銘柄リスト】
【運用ルール】
1,銘柄数 最低40銘柄
→連続増配年数が50年以上の銘柄が40銘柄を下回ったときは、連続増配年数が50年未満の銘柄の中から年数の長い順に追加する(連続増配年数が同じ場合には配当利回りの高い銘柄を優先する)。
2,各銘柄の基本投資比率 均等配分
→毎月リバランスして配分率を調整する。
3,銘柄の入替え 毎年1回(12月末のデータ基準)
4,為替ヘッジ なし
というわけで、2024年にスタートする新NISAをにらんで、とても興味深いアクティブファンドが登場しました。
配当貴族ファンドがS&P社が提供する指数に連動するインデックスファンドであるのに対し、配当王ファンドは大和アセットマネジメントのお気持ち次第のアクティブファンドあることが気になりますが、銘柄リストと運用ルールが事前公表され、それらに基づいて運用するということですから、独自の運用判断が介在する余地は非常に少ないものと思われます。
ただ一つ気になる点があります。
それは、大和アセットマネジメントは、
上記のような特集ページを作って力を入れて宣伝しているのですが、配当貴族指数との比較をしていないという点です。
配当王に興味を持つ人であれば、必ず配当貴族にも興味を持っているはずです。「配当王と配当貴族、どっちが良いのだろう?」という誰もが抱くであろう疑問に答えようとする姿勢が皆無なのはなぜなのか(配当王よりも配当貴族のほうが優秀だから言及できないのではないか)ということが非常に気になります。
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