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純資産額1兆円に到達したファンドは、楽天全米株を含めて5ファンドあります。
そのうちインデックスファンドは、
1位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 2兆3071億円
3位 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 1兆2235億円
5位 楽天・全米株式インデックス・ファンド 1兆0007億円
の3ファンドです。
ちなみに、「SBI・Vシリーズ」もバンガード社の米国ETFを買うだけファンドですが、
VOOを買うだけファンド SBI・V・S&P500 9898億円
VTIを買うだけファンド SBI・V・全米株式 1656億円
という状況です(ちなみに、楽天全米株はVTIを買うだけファンドになります)。
今でそ米国株インデックスファンドがインデックス投資の王道であるかのように語られていますが、楽天全米株が新規設定された当時は米国株インデックスファンドにニーズがあるとは思われていませんでした。
楽天全米株は、バンガード社の米国ETFを買うだけファンドというブランドにすることで米国株投資という新たなニーズを切り開いたことになります。
ちなみに、アクティブファンドを含めて全てのファンドの純資産額ランキング第1位のスリム米国株は、楽天米国株の成功を見て二匹目のドジョウを狙ったものです。
【参考】
●スリムSP500が楽天VTIと同額で登場スリムシリーズのいつものやり方どおり、スリム米国株の信託報酬は楽天全米株と同率でした。
しかし、2019年8月27日、SBI・V・S&P500が楽天全米株やスリム米国株の半値以下で新規設定されるというニュースが飛び込んできました。
楽天全米株とスリム米国株が対抗値下げをするかどうかが注目されましたが、楽天全米株は現在に至るまで対抗値下げをせず、スリム米国株は2か月後にようやく対抗値下げを発表しました(スリム米国株の運用会社の代田常務取締役は、後日、対抗値下げの発表が遅れた理由について「指数提供会社と指数のライセンス料の値下げ交渉をしたからだ」と述べています)。
【参考】
●スリムシリーズが吐露したコスト競争の限界スリム米国株は、SBI・V・S&P500への対抗値下げが奏功し、先行した楽天全米株を抜き去って2兆円ファンドへの道を歩むことになりました。
また、SBI・V・S&P500は、楽天全米株の半値以下という安さが奏功し、先行した楽天全米株に追いつくところまできました。
これだけ見ると楽天全米株は失敗したかのように見えますが、そうではありません。
運用会社報酬を見てみます。
楽天全米株 0.055%
スリム米国株 0.0326%(純資産額に応じて漸減しますが、今回は考慮せず)
SBI・V・S&P500 0.022%
現在の純資産額を前提として、運用会社の売上げを計算してみます。
楽天全米株
1兆0007億円×0.055%=5億5038万円
スリム米国株
2兆3071億円×0.0326%=7億5211万円
SBI・V・S&P500
9898億円×0.022%=2億1775万円
この結果を見ると、楽天インデックスシリーズの戦略(バンガード社の米国ETFを買うだけファンドというブランド力を最大限に生かし値下げ競争には参加しない)が正しかったように思えますが、SBI・V・S&P500が登場したときに即座に対抗値下げをしていれば純資産額ランキング第1位はスリム米国株ではなく楽天全米株だったかもしれないことを思えば、対抗値下げをしないという戦略が正しかったかどうかは分かりません。
とはいえ、楽天インデックスシリーズは、超低コスト競争に参加しないことで手堅く売り上げを確保することに成功しました。
より低コストなスリム米国株やSBI・V・S&P500、更には同じVTIを買うだけファンドであるSBI・V・全米株への乗り換えリスクは、米国株相場と円安による多額の含み益の存在によって軽減されていることを考えると(売却すると確定利益×20.315%の税金を支払わなければならないため)、楽天全米株の新規設定のタイミングのよさが光って見えますね。
本日、”宮崎完熟マンゴー” 訳あり 超大玉4L 2玉 約1kg以上 が届きました。
返信削除両親にもお送りしていたのですが、非常に喜んでいました。
時節柄、体調を崩しませんよう、元気でお過ごしください。