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2024年6月6日木曜日

「オルカンを買う国民のせいで円安が進行している」(日経新聞)

日経新聞(2024/06/04朝刊1頁)は、オルカンを買う国民のせいで円安が進行していると非難しています。


●円の警告国富を考える(2)マネー、一方通行の流出 「日本に投資」まだある宝

過去最大9.7兆円の円買い介入で海外投機筋の動きを制したが、円安は止まらない。介入に動じず淡々と円を売り続ける難敵が国内にいる。通称「オルカン」と呼ばれる巨大世界株ファンドと国民だ。(中略)
オルカンは流入した多額の円を外貨に替え、海外株購入に充てる。
午前9時55分、外為市場に緊張が走る。三菱UFJアセットが毎朝、複数の銀行に多額の円売り・外貨買い注文を出し、最大1千億円を超える日もある。止まらぬ円売りの一因だ。為替水準に関係なく機械的に入る売りは粘着円安を生む。


しかし、上記記事に欠けている視点があります。

それは、オルカンには日本株が時価総額比で含まれているという点です。つまり、オルカンは時価総額比に応じて全世界の株式を買っているだけであり、オルカンが毎朝多額の円売り・外貨買い注文を出しているのは時価総額比に占める日本株の割合が少ないこと(最新の月報では5.5%)の反射的効果にすぎません。


日経新聞の上記記事は円安が日本にとって好ましくないという前提で論を勧めていますが、そもそもこの前提が疑問視されています。


ブルーグバーグニュース(2024年6月3日)に


●円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-03/SEHEJYT0AFB400


が掲載されています。


上記記事の概要は、次のとおりです。


1,日本政府は、5月31日、4月26日から5月29日までの間に9兆7885億円の為替介入を実施したと発表した。これは月次ベースとしては過去最大額である。また、日銀が7月までに追加利上げに踏み切るのではないかという観測が強まっている。


2,これに対し、クルーグマン教授(2008年にノーベル経済学賞を受賞)は、次のとおりコメントした。

日本がなぜ円安をこれほど懸念しているのか当惑させられると言わざるを得ない
円安は多少の時差を伴って日本の物品・サービス需要に実際には前向きとなる
なぜこれほど多くのパニックを引き起こしているように見受けられるのか不可解だ
シグナルを発するためだけにも、利下げが望ましい



この点について、高橋洋一教授も「日本の経済成長は円安によってもたらされた」と述べています。
【参考】
●イエレン「日本はアメリカに無断で為替介入をしている」
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-2586.html



円安が日本経済にとって好ましいのか好ましくないのかは私には分かりませんが、我々が投資をするのは資産形成をするための手段にすぎないことを考えれば、そこに何らかの主義主張を介在させるのはナンセンスです。

私は、これまでも、そしてこれからも、時価総額比の株式インデックスファンドをバイアンドホールドしていきます。


8 件のコメント:

  1. 円安でこれだけ国民が被害を受けている以上、この記事に同意する部分もあります。nisa系は国内株式の投資信託に限り非課税などに制度を変更すればいいのではないでしょうか。

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  2. こっそり粛々とオルカンやSP500を買ってたつもりが、いつの間にかそれが一番のメイントレンドとなり、おまけに「お前らのせいで円安が止まらない」と言われ始めた感じです。

    今後は変な「愛国心」で、NISAに外国株購入制限や日本株専用枠みたいな話を言い出さないでいただきたいところです。
    日本市場振興を名目に、いずれ言い出す人が出てくるのではと恐れています。

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  3. コメントありがとうございます。

    >nisa系は国内株式の投資信託に限り非課税などに制度を変更すればいいのではないでしょうか。

    こういった議論が出てくる(あるいはすでに出ている)のでしょうね。
    現行の投資枠(年360万円、生涯1800万円)とは別枠で日本株専用の非課税投資枠が新設されるのであれば大賛成です。

    >今後は変な「愛国心」で、NISAに外国株購入制限や日本株専用枠みたいな話を言い出さないでいただきたいところです。

    同感です。

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  4. お手本であるところのISAでは英国株専用のおかわり枠100万円/年ほどが追加されたようですね。

    男爵様はもしNISAに日本株専用の枠が「追加」された場合は活用されますか? その場合、その枠に合わせて除く日本の投信を特定口座で買い増しますか?

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  5. >現行の投資枠(年360万円、生涯1800万円)とは別枠で日本株専用の非課税投資枠が新設されるのであれば大賛成です
    いえ、それだと円安は止まりません。外国株式と投資信託をnisaの対象外に今からでも変更すべきです。一部の個人投資家よりも、投資などの余力がない多くの庶民や子供を守るべきだと思います。

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  6. コメントありがとうございます。

    >男爵様はもしNISAに日本株専用の枠が「追加」された場合は活用されますか?

    その時にならないと分かりませんが、非課税枠が上乗せされるのであれば買おうと思っています。

    >その場合、その枠に合わせて除く日本の投信を特定口座で買い増しますか?

    買いません。既に保有しているたわら先進国株でおなか一杯だからです。

    >投資などの余力がない多くの庶民や子供を守るべきだと思います。

    円安が日本経済にとって好ましい(バブルも円安だから発生した)のだとしたら、別に円安を止める必要はないと考えています。

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  7. 6/14付の日経新聞記事で、「なぜ円安なのか(十字路)」という記事がありました。
    > 円安は長年にわたる放漫な財政・金融政策の結果である。税収をはるかに上回る財政支出を続け、これを日銀がファイナンスし続けたからだ。‥
    > 財政赤字と貿易赤字という双子の赤字を抱えた国は、財政も金融も引き締めて赤字の縮小を強要されてきたのが世界の歴史である。政治がそれに取り組まないなら、円安から高金利へと市場が圧力をかける。

    正にその通りだと思います。NISA海外株式の縮小などは円安の恒久対策にならないので、無知による世論の誘導は、止めて頂きたいと思います。

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  8. コメントありがとうございます。

    >NISA海外株式の縮小などは円安の恒久対策にならないので、無知による世論の誘導は、止めて頂きたいと思います。

    今の非課税投資枠はそのままで、日本株だけ買える特別枠を新設してほしいですよね。

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