新NISAの口座数は2322万7848口座です。
日本の成人人口(18歳以上)は1億0469億5472人(2023年1月1日時点)ですので、22%(4~5人に1人)が新NISA口座を利用していることになります。
また、調査内容を見ると非常に興味深いです。
新NISA口座には、①つみたて投資枠(年120万円)と②成長投資枠(年240万円)があります。
私は、新NISA口座をしゃぶり尽くすそうと考えて、つみたて投資枠でも成長投資枠でもたわら先進国株を満額購入していますので、つみたて投資枠と成長投資枠の金額比は1:2です。
金融庁発表によると、新NISAでの買付額(2024年1月~3月)は6兆1791億円であり、その内訳は
①つみたて投資枠 1兆0435億円
②成長投資枠 5兆1355億円
です。
つみたて投資枠と成長投資枠の金額比は1:5となります。
上述したとおり、つみたて投資枠と成長投資枠の金額比は1:2ですので、つみたて投資枠を余らせた状況で成長投資枠で買い付けをしている人が多いことになります。
金融庁発表には「商品別買付額」が掲載されています。
それによると、つみたて投資枠では投信が100%ですが、成長投資枠では
上場株式 48.4%
投資信託 48.0%
であり、金額比は拮抗しています。成長投資枠で個別株投資をしている人が多いことが分かります。
とはいえ、つみたて投資枠と成長投資枠の「年代別買付額」を見ると、10代は別として、年齢が高くなればなるほどつみたて投資枠を放置して成長投資枠を利用しており(=インデック投資よりも個別株投資をしている)、60代、70代、80代は特にその傾向が強いことが分かります。
年代 ①つみたて投資枠利用額 ②成長投資枠利用額(②÷①)
10代 ①23億円 ②117億円(5.09倍)
20代 ①1266億円 ②2306億円(1.8倍)
30代 ①2680億円 ②7212億円(2.69倍)
40代 ①2688億円 ②9664億円(3.60倍)
50代 ①2211億円 ②1兆0475億円(4.74倍)
60代 ①1167億円 ②1兆0506億円(9.00倍)
70代 ①346億円 ②8214億円(23.74倍)
80代 ①50億円 ②2857億円(57.14倍)
総額 ①1兆0435億円 ②5兆1355億円(4.92倍)
20代、30代、40代は長期投資を信じることができているのに、50代になるとその確信が揺らぎ、60代、70代、80代と高齢になるにつれて短期的な個別株投資のリターンに魅力を感じてしまう(=どうしても自分の寿命を考えてしまう)ということなのかもしれません。
高齢者の個別株志向は根強いですね。
返信削除これは、本人の信念なのか、担当営業者の推薦力なのか。
今はインデックス投資が最適解で、人生の最後までこれを貫くのが正しいと信じている私ですが、この先、仮にそれを超える新たな合理的資産形成方法が生み出された時、そちらに移行出来るのか。「インデックス投資にこだわり続ける高齢者」と冷笑されないか、少々心配です。
高配当株投資が人気と聞いた事があるのでそれでしょうか。歳を取れば取るほどインカムゲインが欲しくなるのでしょう。
返信削除旧一般NISAで保有の銘柄を売却→新NISAで買い直しも多そうです。
新NISAでこれから投資を始める若い人がインド株ファンドを検討していたのでや 、「インドもアメリカも入っているから」とオルカンをやんわりと推しました。
ネットで「ドル高の時はインド株が良いと言っていた」そうで。正に玉石混交ですね。
男爵様の良質なインデックス投資記事に改めて感謝の念を抱いた次第。ありがとうございます。
興味深いですね。
返信削除資金の都合で成長投資にてを付けず、毎月積み立てているだけの方もいると思うので、年末時点のデータで再評価すると面白そうです。
にしても80代は57倍という数字には驚愕です。
コメントありがとうございます。
返信削除>本人の信念なのか、担当営業者の推薦力なのか。
なるほど、対面販売の証券会社の営業が頑張っているのかもしれませんね。
>高配当株投資が人気と聞いた事があるのでそれでしょうか。
利息が高い預貯金のような感覚で高配当株を買ってしまう高齢者もいそうですね。
>新NISAでこれから投資を始める若い人がインド株ファンドを検討していたのでオルカンをやんわりと推しました。
オルカンの時代であることを知った上でインド株を買おうとしたのであればよいのですが、インド株を買った後にオルカンの時代であることを知ると、きっとインド株を売ってオルカンを買いたくなってしまうのでしょうね。
>資金の都合で成長投資にてを付けず、毎月積み立てているだけの方もいる
あるいは、つみたて投資枠では積立投資しかできないと思っている人が多いのかもしれませんね。
>年末時点のデータで再評価すると面白そう
金額比が1:2に収れんするとよいのですが、個別株投資勢が頑張りそうな予感がしています。
70代80代あたりはベテラン勢が多数を占めているからでは、と思ってしまいます。このあたりの年代でNISAが始まったから投資を始めた、というのは考え難い。
返信削除あと、個別株=短期的なリターン、というのは短絡的かと
歳をとって時間があるから個別株投資、という見方もできるのでは。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>70代80代あたりはベテラン勢が多数を占めているからでは、と思ってしまいます。
特定口座や旧NISA口座で保有していた個別株を成長投資枠で買い直した可能性はありますね。
>個別株=短期的なリターン、というのは短絡的かと
成長投資枠で配当金や株主優待目的で個別株を長期保有することを推奨する人もいますね。
>歳をとって時間があるから個別株投資、という見方もできるのでは。
定年退職したということは、元の職場が現役世代と同等のパフォーマンスを期待できないと判断したということですから、定年退職して初めて個別株投資に手を出すのはリスキーだと思っています。
ただ、対面販売の証券会社に資産運用を相談してしまう高齢者も相当数いるのでしょうね。
合掌。
高齢者は資産を持っているのですぐに成長投資枠を埋めた、ということのように思えます。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>高齢者は資産を持っているのですぐに成長投資枠を埋めた
個別株ではなくインデックスファンドを買ってほしかったところです。