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2024年10月12日土曜日

PayPayアセット、2025年9月で事業終了

PayPayアセットマネジメントの株主は、ZフィナンシャルとアセットマネジメントOneの2社です。

それぞれが半分ずつ株式を保有していましたが、現時点ではZフィナンシャル76.6%アセットマネジメントOneが23.4%であり、「LINEヤフーグループ」としての性格を強めつつあります。


PayPayアセットマネジメントは、これまで複数の低コストインデックスファンドシリーズを投入し、インデックスファンドの低コスト競争にも積極的に参加してきましたが、残念ながら2025年9月をもって事業終了します。





※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●auじぶん銀行、ミニストップのATMに対応(2024.11中~)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/10/auatm202411.html


ソースはこちら。

PPAMは、主に個人投資家向けの投資信託及び機関投資家向けの運用商品を提供してきましたが、運用資産の拡大が計画通りには進まず、業績低迷が続いていました。PPAMの株主であるZフィナンシャル株式会社とアセットマネジメントOne株式会社は、PPAMの業績回復に向けて最大限の検討を行いましたが、PPAMの今後の業績見通しに鑑み、お客さまに最良の資産運用サービスを持続的に提供することが難しいと判断しPPAMの事業を終了することを合意しました。
PPAMが運用する公募投資信託につきまして、販売の停止や繰上償還、または運用会社の変更等に必要な手続きを進めていきます。

https://www.paypay-am.co.jp/oshirase/



PPAMの公式サイトで、同社が運用する個人投資家向けの投資信託の一覧を確認することができます。

PPAMは現在12本のファンドを運用していますが、その純資産総額は533億8000万円にすぎません。

12本のうち純資産額10億円以上のファンドは8本。この8本のうち純資産額30億円以上のファンドは4本です。


PPAMの公式サイトで、同社の資産運用残高を確認することができます。2024年6月末時点で2073億円です。

上述したとおり個人投資家向けの投資信託の純資産総額は533億円ですので、残りの1500億円は機関投資家向けということになります。

これに対し、アセットマネジメントOneの資産運用残高は69兆円(2024年3月末時点)です。アセットマネジメントOneは我が国トップクラスの運用会社であり、個人投資家向けに「たわらノーロードシリーズ」を提供しています。そのため、PPAMの投信運用事業をアセットマネジメントOneに事業譲渡してしまえば全ては丸く収まったのですが、そうできなかったのは69兆円の資産運用残高を誇るアセットマネジメントOneにとってはPPAMの2073億円の資産運用残高は何ら魅力的ではなく、それどころかコスト(人的・物的資源)に見合ったリターンが出そうにないと判断したからと思われます。


PPAMが運用する12本のファンドのうち、どれを繰上償還し、どれをアセットマネジメントOneが引き継ぐかについては、第一報では不明でしたが、その後すぐに追記されて明らかにされました。

それによると、アセットマネジメントOneが引き継ぐものは8本で、残りの4本は繰上償還されます。繰上償還されるファンドは次の画像のとおりです。



PayPay投信バランスライト 12億9100万円
PayPay投信米国株式 8億1500万円
PayPay投信NASDAQ100 27億3700万円
PayPay投信NYダウ 9億2100万円


アセットマネジメントOneが上記4ファンドの引き継ぎを拒否した理由を推測してみます。

バランスライトは、世界株式ETF、米国債券ETF、米国を除く債券ETFの3本のETFを組み合わせたものです。運用会社報酬は税抜0.21%ですから、コスト(人的・物的資源)に見合ったリターンが出そうにないと判断したのでしょう。

米国株式は、1本のETFを買うだけファンドです。しかし、運用会社報酬は税抜0.02%ですから、コスト(人的・物的資源)に見合ったリターンが出そうにないと判断したのでしょう。

NASDAQ100は、純資産額27億円。「たわらNASDAQ100の純資産額は6億1400万円ですから、これを引き継いで「たわらNASDAQ100」と統合すれば良さそうにも思えます。「PayPay投信NASDAQ100」の信託報酬は税込0.2024%ですが、競合する「eMAXIS NASDAQ100」(信託報酬0.2035%)の純資産額は1266億円、「ニッセイNASDAQ100」(信託報酬0.2035%)の純資産額は2112億円ですから、たわらの看板で業界最低水準をうたえば大幅な純資産額アップも見込めそうです。しかし、信託銀行が別会社なので統合することができなかったのでしょう。そのため、アセットマネジメントOneがPayPay投信NASDAQ100を引き継ぐと、信託報酬0.44%の「たわらNASDAQ100」の棺桶に釘を打つことになってしまいます。

NYダウも、NASDAQ100と同じ理由(信託銀行が別会社で、信託報酬が2倍以上の「たわらNYダウ」が死んでしまう)でアセットマネジメントOneが引き継ぎを拒否したものと思われます。


では、残りの8本のファンドをアセットマネジメントOneがなぜ引き継いだのかということですが、端的に言えば金融庁への忖度だと思われます。

つまり、新NISAのつみたて投資枠の対象ファンドを繰上償還することはできないという大前提があるために純資産額2億円の先進国株と世界株、純資産額22億円であるもののPayPay証券・PayPay銀行専売品であるアメリカ株を引き受けざるを得なかったのでしょう。また、純資産額1861億円の「たわら日経225」があるアセットマネジメントOneにとっては純資産額27億円の「PayPay投信日経225」も要らなかったのですが、つみたて投資枠対象ファンドであるために引き継ぎを拒否することができなかったものと思われます。

そして、残りの4ファンドのうち、ソフトバンクグループの2本は既に募集を停止しており、信託期間が4年4か月と超短期であるために引き継ぐことにし、AIプラスは134億円、「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」は188億円の純資産額があるので引き継いだとしても問題はないと判断したものと思われます。事業承継を拒否したアセットマネジメントOneとしては全ファンドの引き継ぎを拒否したかったのでしょうが、赤字になることが明白なつみたて投資枠対象ファンドを拒否することができなかったので、せめてAIプラスとLOSAで儲けを確保したいと期待したのではないでしょうか。


アセットマネジメントOneにとっては、PayPayアセットへの出資額が無駄になった挙句、赤字ファンドの強制引き受けという悲しい結果になりましたが、我々にとっては朗報かもしれません。

というのは、


PayPay投資信託インデックス先進国株式 0.0872%
PayPay投資信託インデックス世界株式 0.0572%
PayPay投資信託インデックスアメリカ株式 0.0806%


たわらノーロードシリーズの信託報酬を下回ることから、たわらノーロードシリーズの信託報酬の引き下げが期待できるからです。

ただし、上記3ファンドはPayPay証券・PayPay銀行専売品であることから、アセットマネジメントOneは上記3ファンドを引き継いだことを黙ったままにする可能性もあります。


6 件のコメント:

  1. ミラクルガール2024年10月12日 10:18

    お世話になっております。
    HTBエナジーを使っていますが、ドコモでんきに変更を考えています。どちらがお勧めでしょうか。 (携帯電話はahamo・インターネットはahamo光を使っています。)
    また、男爵さんのお勧めの電力会社などございますか。
    なんでも構いませんので、ご返信いただければ幸いです。

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  2. コメントありがとうございます。

    私は中電を利用しており、いわゆる新電力は全く分かりません。

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  3. ミラクルガール2024年10月13日 0:08

    お忙しい中、ご返信ありがとうございます。

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  4. pay pay アセット 信託報酬は安いんですが 総経費はなんでなのかお高いですね  SoftBank、LINEの体質 疑います

     こんな商品をSNSで持ち上げていた方々は恥ずかしくないのですかね 幇間行為です
     こんな方々もFOYで投票されてますが その信頼性の支柱は何処にあるのでしょうか   
     投資者は誰にも頼らない ですね
     

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  5. 男爵様

    いつも有益な記事をありがとうございます。

    唐突ですが、男爵様のこれまでの人生で、読んでよかった本がありましたらぜひ教えていただければ嬉しいです。

    実益的なものでも、そうでなくても構いません。

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  6. コメントありがとうございます。

    >pay pay アセット信託報酬は安いんですが総経費はなんでなのかお高いですね

    ノウハウの差なのかもしれませんね。

    >男爵様のこれまでの人生で、読んでよかった本がありましたらぜひ教えていただければ嬉しいです。

    カーネギーの「道は開ける」は、非常に良い本だと思っています。

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