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【先頭固定】誰でもできる超カンタン投資術(2025.2)

本稿は、当ブログ(「 たわら男爵のインデックスファンド投資術 」)及び旧ブログ(「 40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ 」)の集大成として、何らの知識がなくても実践できる資産形成の具体的なやり方をお伝えするものです(この記事の後で カテゴリ ...

2025年7月1日火曜日

SBI・SCHDは、「米国ETFの分配金をそっくりそのまま分配するファンド」であると宣言せよ

楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は、2024年9月18日に新規設定されました。

楽天投信投信顧問は、楽天VTIで米国株ファンド、楽天VTで世界株ファンドのニーズを開拓しましたが(それまでは米国株や世界株を時価総額比で買うインデックスファンドは日本では売れないと思われていました)、この楽天SCHDでも「Schwab US Dividend Equity ETF」(SCHDを買うだけファンドという新たなニーズを開拓したことになります。


SBIアセットは、楽天SCHDの3か月後(2024.12.20)、SCHDを買うだけファンドである「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」を新規設定しました。

楽天SCHDの信託報酬が税抜0.12%(+SCHDの経費率)であったのに対し、SBI・SCHDは税抜0.058%(+SCHDの経費率)であったことから急速に人気を集めることに成功しました。

最新の純資産額は、楽天SCHDが1555億円、SBI・SCHDが1411億円です。


楽天SCHDは、SBI・SCHDに対抗すべく、2025年5月23日付けで信託報酬を引き下げました。これに対し、SBI・SCHDは、楽天SCHDの対抗値下げの実施日(5/23)の直前(5/20)に信託報酬を0.001%引き下げて業界最安値を維持しており、両ファンドはシェアの獲得に向けて熾烈な競争を繰り広げています。






※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●松井証券、7/26にSMS認証を実装(FIDO認証も今後実装へ)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2025/07/726smsfido.html


さて、上記2ファンドが投資対象とするSCHDは3か月に1回の頻度で分配金を出します(SCHDに限らず、多くの米国ETFは3か月に1回の頻度で分配金を出しています)。

上記2ファンドも3か月に1回の頻度で分配金を出すことを売りにしていますが、どのような基準で分配金を出すのかについては明確にされていませんでした。


SBI・SCHDは、2025年6月19日、初めての分配金を出しました。SBIアセットの梅本社長は、6月20日、詳細な解説動画をYouTubeで公開しています。

こちらです。

●SBI・S・米国高配当株式ファンド (年4回決算型)(愛称:S・米国高配当株式100)設定来の運用状況と6月19日決算日の初回分配金および外税控除について
https://www.youtube.com/watch?v=S1VPxept4MM


上記動画の概要は、次のとおり。


1,今回(2025.6.19)の分配金(1万口あたり62円)は、SCHDの2025年3月26日付け分配金を原資にしたものである。

2,SCHDからファンドに入金された分配金は、1万口あたり63.56円。ここから1.35円の費用を差し引くと62.20円になる。ファンドの分配金は1円単位なので、62円とした。


3,SBI・SCHDはSCHDの分配金(1万口あたり62円)をそっくりそのまま分配したが、楽天SCHDはSCHDの分配金(1万口あたり55円)を超えて1万口あたり85円を分配した。超過分の30円は収益調整金から捻出したものと思われる。


※「収益調整金」が何かについては、大和アセット作成の下記説明図が分かりやすいです。

https://www.daiwa-am.co.jp/guide/nattoku.pdf


4,楽天SCHDが分配原資にした収益調整金は外国税額控除額の計算には影響しないため、SBI・SCHDと楽天SCHDの外国税額控除額は全く同じ金額になった。


5,外国税額控除は、普通分配金(分配後の基準価額が個別元本と同額か上回った場合)に適用され、特別分配金(分配後の基準価額が個別元本を下回った場合=元本の払い戻し)には適用されない

6,外国税額控除額は「期中外国所得税額÷期末収益分配可能額」で計算する。期末収益分配可能額には分配金(インカムゲイン)のほかに値上がり益(キャピタルゲイン)が含まれるため、ファンドの含み益が増えれば増えるほど各回の分配金から自動的に控除される外国税額は少なくなる(ファンドの分配原資に値上がり益分を含めれば控除される外国税額は増えるが、SBI・SCHDはそれはしない)。



というわけで、自分で米国ETFを買うと確定申告しなければ外国税額控除が適用されないけれど、分配金を出す米国ETFを買うだけファンドを買えば確定申告をしなくても外国税額控除を適用できるのではないかという素朴な願いは簡単には実現しないようです(=値下がりすれば特別分配金になって外国税額控除は適用されないし、値上がりしすぎれば控除される外国税額が少なくなってしまう)。


とはいえ、これは制度の限界であり、SBI・SCHDにはどうすることもできません。今回の動画を見ると、どうやらSBI・SCHDはSCHDの分配金をそっくりそのまま右から左に分配していく方針であるように思えましたが、そうであるならばはっきりとその旨を宣言したほうが分かりやすいと思います。何よりも無用な誤解や憶測を回避することができます。



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