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本稿は、当ブログ(「 たわら男爵のインデックスファンド投資術 」)及び旧ブログ(「 40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ 」)の集大成として、何らの知識がなくても実践できる資産形成の具体的なやり方をお伝えするものです(この記事の後で カテゴリ ...

2025年8月23日土曜日

iDeCoの掛金が6万2000円に引き上げ。さてどうする?

私は、資産管理会社を所有しており、イデコプラスを利用しています。

イデコプラスとは、iDeCoの掛金2万3000円(月額上限)について、2万2000円まで(最低1000円の個人負担が必須)を会社の損金に計上できるという制度です。私は、SBI証券のイデコ口座でスリム先進国株(除く日本)を月額2万3000円(うち個人負担は1000円のみ)ずつ買っています。

※イデコプラスは普通のイデコ口座を利用するため、購入できる商品は普通のイデコと全く同じです。


日経新聞(2025年8月20日付け朝刊5頁)によると、金融庁は、2027年1月からiDeCoの掛金上限額を2万3000円から6万2000円に引き上げる方針を固めたとのことです。普通のイデコの掛金上限額が増額されるとイデコプラスの掛金上限額も増額されることになります。

イデコプラスを掛金上限額まで利用している私はどうしたらよいのかについて考えてみました。





※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●「COIN+」(エアウォレット)、コード決済で還元率15%(~9/30)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2025/08/coin15930.html



そもそも、普通のイデコの最大のメリットは、現役時の所得の課税時期をリタイア時に延期することが可能になるというものです。所得税は超過累進課税であるため、課税所得が高ければ高いほど所得税率は超過累進的に高くなります。

普通のイデコの掛金が月額6万2000円に増額されると、月額6万2000円×12か月=74万4000円が掛金を支払った年の課税所得から減額されます。支払時の課税所得から減額された74万4000円は受取時の所得として課税されますが、受取時(=課税時)の所得税率は支払時の所得税率よりも低いことが通常であるため、この段階で得をすることになります。

※イデコプラスで所得控除の対象になるのは、個人負担分(1000円)だけです。会社負担分(現状2万2000円、増額後6万1000円)は会社の損金に計上されて会社の利益が減るため、その分の法人税が発生しなくなります。


しかも、イデコを一時金で受け取ると退職所得として扱われるため、退職金の税制優遇措置(退職所得控除、課税所得の半減、分離課税)を受けることができます。

退職所得控除は、勤続年数20年までは毎年40万円、21年目以上は毎年70万円です(年数は切り上げ。例えば、勤続年数が20年と1日だと勤続年数21年として扱われる)。例えば、勤続年数20年の退職所得控除額は800万円、25年だと1150万円(800万円+70万円×5年)です。

退職所得の課税所得金額は、退職所得控除額を差し引いた残額の2分の1になります。

退職所得の分離課税とは、他の所得と合算されず、退職所得のみで所得税率が決まるという意味です。所得税率は超過累進課税であるため、他の所得と合算されるとより高い所得税率が適用されることになります。



さて、現在のイデコプラスの掛金上限額は月額2万3000円です。

仮にたわら先進国株を20年掛け続けると、投資元本552万円、元利合計1816万円(リターン10.8%、リスク18.8%)となります。

※リスクとリターンは「myINDEX」(https://myindex.jp/)が公表している数値を採用しました。

※試算は三菱UFJアセット(https://www.am.mufg.jp/tool/simulation_tsumitate.html)が提供しているものを利用しました。


20年目に全額を一時金として受け取ると、


(1816万円-退職所得控除800万円)÷2=508万円

所得税 508万円×20%-控除額42万7500円=58万8500円

住民税 508万円×10%=50万8000円

課税額(所得税+住民税) 109万6500円


となります。

※厳密には所得税額に2.1%の復興所得税(上記で言えば、58万8500円×2.1%=1万2358円)が加算されますが、今回は計算の都合で無視します。


仮に特定口座でたわら先進国株を買っていたときは、課税額は256万7816円(「(1816万円-投資元本552万円)×20.315%」)であるため、イデコを利用したほうが147万1316円の得(256万7816円-109万6500円)という結果になります。


では、イデコプラスの掛金を6万2000円にするとどうなるのでしょうか。

仮にたわら先進国株を20年掛け続けると、投資元本1488万円、元利合計4895万円(リターン10.8%、リスク18.8%)となります。

20年目に全額を一時金として受け取ると、


(4895万円-退職所得控除800万円)÷2=2047万5000円

所得税 2047万5000円×40%-控除額279万6000円=539万4000円

住民税 2047万5000円×10%=204万7500円

課税額(所得税+住民税) 744万1500円


となります。


仮に特定口座でたわら先進国株を買っていたときは、課税額は692万1320円(「(4895万円-投資元本1488万円)×20.315%」)であるため、イデコを利用すると52万0180円の損(744万1500円-692万1320円)という結果になります。

もっとも、私の場合は、毎月6万1000円(20年で1464万円)を資産管理会社の損金に計上することになります。法人名義の証券口座にあるたわら先進国株の売却益で損金を穴埋めすることになり、イデコプラスを利用することで297万4116円(1464万円×20.315%)を払わずに済んだことになります。それを考慮すると、課税額は446万7384円(744万1500円-297万4116円)となり、イデコを利用したほうが245万3936円の得(692万1320円-446万7384円)という結果になります。

※税率を20.315%としたのは、資産管理会社を利用しなければ個人名義の特定口座で保有することになり、そのときの税率が「値上がり益×20.315%」であるため。



このようにみていくと、イデコプラスの掛金上限額が2万2300円から6万2000円に増額された場合、増額された掛金上限額(6万2000円)までイデコプラスを利用したほうが得であるように思えます。

しかし、イデコプラスを利用したほうが得なのは、受取時の税制優遇措置があるからです。受取時の税制優遇措置がない場合は、下記のとおりえげつないことになります。


1,特定口座で買うと、「値上がり益×20%」

2,イデコ口座で買うと、「(元金+値上がり益)×超過累進税率」


※超過累進税率は、一時受取金額が

900万円以上 33%(控除額153万6000円)

1800万円以上 40%(控除額279万6000円)

4000万円以上 45%(控除額479万6000円)

であり、更に住民税10%(金額にかかわらず一律)が上乗せされるため、最高税率は55%となります。


※超過累進課税であるため、早見表では「控除額」が記載されています。

一時金の課税所得が4500万円のとき(現行は、一時金から退職所得控除を差し引き、更に2分の1になった後の金額になります)、所得税率は、900万円以上1799万9999円までの部分が33%、1800万円以上3999万9999円までの部分が40%、4000万円以上の部分が45%となりますが、計算が煩雑であるため、課税所得が4000万円以上のときは、課税所得の全額に45%をかけて控除額479万6000円を差し引くことで簡便に所得税額が算出できるようになっています。


しかし、現在、退職金に対する課税強化が議論されています。具体的には、退職所得控除が勤続年数に関わらず一律40万円/年になるのではないか(現行は勤続年数21年目以上は70万円/年)と言われていますが、果たしてそれだけで済むのか(2分の1課税や分離課税にまで踏み込むのではないか)という懸念もあります。

もっとも、既にイデコないしイデコプラスを利用しているのであれば、金額の変更だけで済むと言えば済みます。とりあえず6万2000円(個人負担1000円、会社負担6万1000円)に増額し、数年後に判明するであろう課税強化の内容を見て減額しても問題はないと言えるでしょう。

というわけで、2027年1月のスタートまでにもう少し考えてみることにします。


【本日の一曲】

●海とあなたの物語(covered by OVAL SISTEM)

https://www.youtube.com/watch?v=bOg4VxtWP5Y&list=RDbOg4VxtWP5Y&start_radio=1

Produced by Tetsuya Komuro

作詞 小室哲哉&MARC
作曲 小室哲哉 

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