自民党の小野寺税制調査会長は、10月22日、ガソリン税の暫定税率廃止に向けた与野党間の論点整理案をまとめました。
ガソリンと軽油の暫定税率を廃止すると国と地方で合計1.5兆円の税収が減るところ、その代わりとなる「恒久的な安定財源が必要」であるとして金融所得課税の増税が明記されています。
高市総裁になる前から与野党で暫定税率廃止に向けた協議を重ねていますが、代替財源確保を主張する自民党のせいで合意が成立していません。
参議院選挙の直前に野党が廃止法案を提出し(廃止日は2025.7.1)、衆議院で6月20日に可決したものの、当時の参議院は与党が過半数を握っていたために参議院の本会議にかけられないまま廃案になりました。
参議院選挙(2025.8.20投開票)で与党が負けて参議院でも過半数割れしたわけですから、上記法案の廃止日を7/1から10/1に変更して野党が出し直せば衆参で可決でき、今頃は暫定税率が廃止された安いガソリンを入れられたはずでした。
しかし、選挙が終わった野党の動きは大きく鈍り、暫定税率を廃止したくない自民党税調の作戦(協議継続という名目で引き延ばす)にはまって何もできないまま、代替増税やむなしという雰囲気が醸成されつつあります。
国民民主党は、副総理兼財務大臣という国民民主党が提唱する「手取りを増やす」改革を実現するための絶好のポストの獲得に向けて動かなかったばかりか、玉木代表は「総理になる覚悟があります」というポエムを投稿して玉木政権への色気を出して顰蹙を買い、首班指名選挙でも「高市早苗」と書かなかったことで高市人気に埋没しつつあります。
仮に今、国民民主党が廃止日のところだけを変更した廃止法案を提出すれば、高市政権や各党に対して「Come Together」できるかどうかの踏み絵を迫ることになり、絶好のチャンスになります。首班指名選挙で「高市早苗」と書かなかったのは高市政権になっても年内廃止は難しそうだと感じたからと言えば筋も通ります。年少扶養控除復活法案を参議院に単独提出して喜んでいる場合ではないと思うのですが、決断力に疑問符が付いてしまった玉木さんは横から文句を言うだけで終わりそうで、金融所得課税の増税によって手取りが減った我々は悲しい思いをすることになりそうです。
【本日の一曲】
OVALSISTEM「Come Together」(作詞・作曲・編曲 小室哲哉)
https://www.youtube.com/watch?v=vFYVBHgz0KY&list=RDvFYVBHgz0KY&start_radio=1
やっぱりきますよね、めぼしい財源がないし(と思う)。この株高、ゴールド高で政府や財務省としてはチャンスだし。NI SA、iDeCoがあるからまぁいいか、な投資家もいるでしょうし。
返信削除個人的には株が上がっても買えない人は関係ない、とか格差だとか言う風潮が嫌なので、増税の暁にはせめて大きな顔をしてやろうと思います。(小口)納税者だぞーと。
玉木さんはなぜ連立政権に加わらなかったんでしょうか。
返信削除日経新聞の報道(有料部分)によれば、金融所得課税強化といっても、1億円の壁の是正を念頭に置いているようですね。
返信削除https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA227RG0S5A021C2000000/
導入済みのいわゆる「ミニマムタックス」のハードルを、現在の金融所得10億円から最大1ケタ程度下げてくるのかなと想像します。
一方で、少額の配当金・利息を含め、今の20.315%を機械的に一律で引き上げることは無い、と考えているのですが甘いですかね?
ほとんどの働いている中流家庭からすると、楽して金を儲けてる投資家の手取りが減るので喜ばれるのではないでしょうか?格差是正にも繋がります。
返信削除所得税や住民税、社会保険料が上がるよりは遥かに良いでしょう。
コメントありがとうございます。
返信削除>株が上がっても買えない人は関係ない、とか格差だとか言う風潮が嫌
もし私がインデックス投資をしていなかったとしたら、と考えると、人生がとんでもなく色褪せて見えます。
折角のチャンスをつかまないのは、とても残念なことですよね。
>玉木さんはなぜ連立政権に加わらなかったんでしょうか。
神輿になって、みんなに担いでほしかったのかもしれませんね。
>金融所得課税強化といっても、1億円の壁の是正を念頭に置いているようです
いろいろな球を投げて世論の反応を見ているのだろうと思っています。
>今の20.315%を機械的に一律で引き上げることは無い、と考えているのですが甘いですかね?
立民の野田代表は25%に上げるべきだと言っていますので、このハードルは非常に低いです。
私は、25~30%アップの良い口実にしようと考えて、財務省が自民党税調の振り付けを一生懸命やっているのではないかと疑っています。
>楽して金を儲けてる投資家の手取りが減るので喜ばれるのではないでしょうか?
資本主義社会が維持発展するためには、株式投資が活発になされなければなりません。
リスクをとって投資している人のおかげで、ほとんどの日本人が江戸時代の将軍家より豊かで贅沢な暮らしができていることをよく考えるべきだと思います。