ウエルスアドバイザー(「モーニングスター」から名称変更)が興味深い記事を公開しています。
こちらです。
●市場平均を上回る株式型ファンドの割合、対「配当込み」では急減
https://www.wealthadvisor.co.jp/market/2023/0420/fund_01995.html
この記事は、三井住友トラストアセットマネジメント(低コストインデックスファンドのかつての王者「SMTグローバル株式インデックス・オープン」の運用会社)が運用するファンドのベンチマークや参考指数を「配当を含まない指数」から「配当を含む指数」に変更する旨を発表したことを受けて、
ベンチマーク等が配当を含むか否かということが、ファンドのパフォーマンスにどの程度影響するであろうか。ベンチマーク等の市場平均を上回るリターンの獲得を目指すアクティブファンドを例に検証した。
国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)のアクティブファンドの中から、国内株式ファンド、先進国株式ファンド、新興国株式ファンドを取り上げ、2023年3月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)が、各々の資産の代表的な株価指数(=市場平均、「配当除く」と「配当込み」)を上回ったファンドの割合を確認した。
という検証結果を発表しています。
詳細は記事をご覧いただくとして、検証結果はすさまじいものでした。
国内株式 87.3%→18.2%
先進国株式 17.9%→3.6%
新興国株式 75.8%→25.8%
例えば、国内株ファンドは、配当を含まない指数を参考指数とすると87.3%のアクティブファンドが市場平均を上回るリターンをあげているのに対し、配当を含む指数を参考指数とすると市場平均を上回るリターンをあげているアクティブファンドは18.2%に激減します。
我々が関心を持っている先進国株ファンドの分野で言えば、市場平均を上回るリターンをあげているアクティブファンドはわずか3.6%しか存在しません。
アクティブファンドにとっては非常に厳しい結果というほかありません。
当ブログでは「たわらノーロード先進国株式」を推奨していますが、たわら先進国株は先進国株式の市場平均への連動を目指すパッシブファンドです。
市場平均は、アクティブファンドを含むアクティブ投資家が売買した結果を反映したものであり、言い換えれば全てのアクティブ投資の平均点ということになります。市場平均を下回るアクティブファンドは平均点を取ることに失敗したことになりますが、これは投資の世界では平均点を取り続けることすら非常に難しいという事実を示していると言えます。
市場平均を上回るリターンをあげることができないアクティブファンドは、その存在意義がありません。
高い信託報酬を支払ったのに市場平均を下回るリターンしか上げられなかったとしたら、まさに踏んだり蹴ったりというほかありませんが、アクティブファンドを買うと96.4%の確率でそうなってしまうことになります。
アクティブファンドでも信託報酬は1〜3%程度(実際には信託報酬外のコストもありますが)。つまりファンドが指数から1〜3%上回れば指数超えを達成出来るわけですが、それが出来たのが100本中わずか3,4本というのは驚きです。
返信削除ただインデックスファンドも、原理的に必ず指数には僅かに負けるわけで(勝ったらそれは上方乖離)、アクティブとインデックス、負けた同士でもどちらが優位だったのか、ウエルスアドバイザーで調査して欲しいところです。
コメントありがとうございます。
返信削除>アクティブとインデックス、負けた同士でもどちらが優位だったのか、ウエルスアドバイザーで調査して欲しい
アクティブファンドはどれがよいのかが事前に分からないので、ファンド選択の参考にはならないと思います。