注目の投稿

【先頭固定】誰でもできる超カンタン投資術(2024.3)

本稿は、当ブログ(「 たわら男爵のインデックスファンド投資術 」)及び旧ブログ(「 40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ 」)の集大成として、何らの知識がなくても実践できる資産形成の具体的なやり方をお伝えするものです(この記事の後で カテゴリ ...

2023年5月20日土曜日

2024年の「新NISA」に乗り遅れたくない投資家が今すべきこと

ヤマゲン先生(楽天証券を退職し、2023年4月から業務委託)の下記記事を読みました。


●2024年の「新NISA」に乗り遅れたくない投資家が今すべきこと

https://diamond.jp/articles/-/322991



ヤマゲン先生は、いつものとおり、最初に判断基準を明示してくれます。


投資家が決めるべきことは、(1)新NISAでも利用する取扱金融機関の選択、(2)投資方針の確立と必要ならその準備、(3)現行の一般NISA、つみたてNISAの選択と利用法の決定、の3点だ。

https://diamond.jp/articles/-/322991?page=4


ヤマゲン先生は、2023年3月で楽天証券との雇用契約を解消しました(業務委託契約に切り替え)。

その結果、利用すべき証券会社について踏み込んだコメントができるようになったようです。


読者には、SBI証券を選んでいただいてもいい。スケールメリットが働くビジネスなので、顧客にとってより安心なのは口座数を多く持っているネット証券だろう。
https://diamond.jp/articles/-/322991?page=4


次の問題は、SBI証券の新NISA口座で何を買うかという点です。
ヤマゲン先生は、この点について、


1,成長投資枠で個別株投資をすることは「趣味」にすぎない。
2,アクティブファンドを選択する「合理的な根拠はない」し、「ばかばかしいと言うしかない」。
3,米国株や日本株などの1つの国に投資するよりも世界の株式に投資する方が「優れている」。


とコメントしています。

最後に、SBI証券の新NISA口座で全世界株インデックスファンドを買うとして、2023年の現行NISAはどうしたらよいか(つみたてNISAと一般NISAのどちらを利用するか)について、ヤマゲン先生は次の基準を示しています。


1,つみたてNISAの方が一般NISAよりも非課税メリットが大きいので、5年後に新NISAの投資可能額(360万円)を埋めることができる人は、つみたてNISAで40万円分の投信を一括投資するのがよい。

2,5年後に新NISAの投資可能額(360万円)を埋めることができない人は、一般NISAで120万円の投信を購入して5年後に売却し、そのお金を使って新NISA口座で投信を買うのがよい。
https://diamond.jp/articles/-/322991?page=6


ここで驚いたのは、私がかねてから推奨しているつみたてNISAの年初一括投資について、ヤマゲン先生が


「年1回積み立て」の設定で40万円投資するといい。

とコメントしていることです。


ちなみに、私であれば、

1,SBI証券で
理由)投信保有ポイント(たわら先進国株は年率0.05%)があるから。

2,たわら先進国株を
理由)米国株は地域リスクがあり、全世界株は新興国(資本主義が十分に機能していない)が含まれているから。

3,つみたてNISAで一括投資する
理由)5年後に新NISAの投資可能額を埋められない人は、2024年の投資可能額も埋められない。2023年に120万円を投資できるのであれば、つみたてNISA口座で40万円、特定口座で80万円分のたわら先進国株を購入し、2024年になったら特定口座のたわら先進国株を売却してそのお金を使って新NISA口座でたわら先進国株を買えばよい。

というようにします。

ここで気になるのは、2023年に特定口座で購入した80万円のたわら先進国株が2024年に新NISAで買い替える時点で

1,100万円に増えた
2,60万円に減った

としたらどうなるかということです。

まず100万円に増えたときは、値上がり益20万円×20.315%=4万0630円の税金を支払わなければなりません。その結果、手元に残るお金は100万円-4万0630円=95万9370円になります。
特定口座で投資せず、キャッシュで80万円を残しておくよりも15万9370円得をしたことになります。

つぎに60万円に減ったときは、減った20万円は損をします。特定口座で含み益がある投信や個別株があるときは、同じ年内に売却(これを「益出し」と言います)することで20万円×20.315%=4万0630円の税金を支払わずに済むため、損は15万9370円に圧縮されます。
損が圧縮されるとはいえ、投資せずにキャッシュのままであれば15万9370円の損をせずに済んだわけですが、儲かるか損をするかは誰も事前には分かりませんので、損を恐れて投資しないという選択肢はあり得ません。

ヤマゲン先生は、5年後に新NISAの投資可能額を埋めることができない人は、つみたてNISAよりも一般NISAのほうがよいとコメントしています。
しかし、2023年に一般NISAで120万円を投資するのも、つみたてNISAで40万円+特定口座で80万円を投資するのも同じことです。
というのは、例えば2023年に特定口座で80万円で購入した投信が2024年に60万円に下がった時点で売却して新NISAで60万円分の投信を購入したとします。このとき、2023年に一般NISAで購入した120万円の投信のうちの80万円分も同じように60万円に下がっているため、特定口座・一般NISAのどちらで買っても全く同じであり、一般NISAで買ったから得をしたとか、特定口座で買ったから損をしたということにはなりません。

ちなみに、新NISA口座でなく特定口座で買い替えると、益出しができない限り損をします。
というのは、取得価格が80万円ではなく(買い替えた時点の)60万円になるため、その後に100万円に増えたとき、80万円が100万円に増えたはずなのに60万円が100万円に増えたことになり、(40万円-20万円)×20.315%=4万0630円の税金を余分に支払わらなければならないことになってしまうからです。
しかし、新NISA口座で買い替えた場合には値上がり益課税が無税になるため、取得価格が幾らであろうが関係ないことになります(とはいえ、80万円をキャッシュのまま持っておき、新NISA口座で80万円分の投信を購入したほうが60万円に減ったお金で投信を買うよりも得ですが、前述したとおり儲かるか損をするかは誰も事前に予測できないため、無意味な比較と言えます)。


12 件のコメント:

  1. ミラクルガール2023年5月21日 18:45

    いつも貴重な情報ありがとうございます。
    川崎重工業の株は、購入しても問題ないでしょうか。
    何でも構いませんので、ご返信いただけば幸いです。
    https://twitter.com/takigare3/status/1660048341454196737?t=oWYJrE2g-5z4rMnklt7IBQ&s=19

    返信削除
  2. コメントありがとうございます。

    >川崎重工業の株は、購入しても問題ないでしょうか。

    思惑で乱高下するリスクがありますね。
    私は川崎重工のことは何も知らないので何とも言えませんが、余分なお金があるのであればたわら先進国株を買ったほうがよいと思います。

    返信削除
  3. 貴重なご意見ありがとうございます。たわら先進国株を購入していきます。

    返信削除
  4. 過去に一般口座で買い付けたETFが700万円(うち評価益400万)ぐらいあり、それを新NISA買付の足しにしたいと思っています。
    無職で国保などに影響が出ないようにするには、売却益が40万程度に収まるように毎年売却していくのがベターでしょうか?
    このまま一般口座で保有したままでいると、利益がどんどん圧迫されていくという認識で合ってますか?

    返信削除
  5. コメントありがとうございます。

    >無職で国保などに影響が出ないようにするには、売却益が40万程度に収まるように毎年売却していくのがベターでしょうか?

    世帯主と加入者全員の総所得金額が43万円以下であれば7割減額を受けられますので、少しずつ売却していくしかないと思います。

    >このまま一般口座で保有したままでいると、利益がどんどん圧迫されていく

    保有期間が長くなればなるほど含み益が増えていくでしょうから、国保の法定減額を維持したまま売却するのに苦労することになると思います。

    返信削除
  6. たわら男爵さま
    いつも拝見させて頂いております。
    新NISAではたわら先進国を…と思い始めておりますが、今ひとつ無知なものでお訊ねさせて頂きます。
    ここで言われておりますのは、為替ヘッジの有無ではどちらの事でしょうか?

    返信削除
  7. コメントありがとうございます。

    >為替ヘッジの有無ではどちらの事でしょうか?

    為替ヘッジは「なし」のほうです。

    債券ファンドは為替リスクをもろにかぶるため、為替ヘッジをする必要がありますが、株式ファンドはその必要はありません。

    返信削除
    返信
    1. 詳しくありがとうございます。
      たわら先進国為替ヘッジ無しの方を買います。

      削除
  8. 以前の記事で推奨されていた通り、特定口座では纏まった余剰資金を等分して積立投資を行っております。また、積立NISAでは年初一括投資を行いました。

    今回の記事では、余剰資金80万円分を特定口座で1年間で購入し、次年度に売却と書かれていますが、こちらも積立投資を前提とされているのでしょうか?

    新NISAでは、購入資金が不足するので、特定口座購入分を売却し、充当を考えております。
    余剰資金は引き続き特定口座で積立投資を行うべきか、それとも、目先で売却するのであれば「含み益というお守り」の意味を成さなくなるので、余剰資金を特定口座へ一括投資するべきか、御指導願えませんか?

    御多忙中恐縮ですが、宜しくお願い致します。

    返信削除
  9. コメントありがとうございます。

    >今回の記事では、余剰資金80万円分を特定口座で1年間で購入し、次年度に売却と書かれています

    これは「新NISAに年360万円投資できない人であっても、2023年に選択すべきは一般NISAではなくつみたてNISAである」ということをお伝えするための表現であり、特定口座では均等額積立投資をしたほうがよいと考えます。
    【参考】
    https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/05/20235_25.html

    返信削除
  10. 一般NISA党だったので、このまま期間満了すると、今後5年間先進国株投信が自動移管されてくるのですが、今がバブル気味だとすると今年満了分は期を見て処分したほうがいいでしょうか

    返信削除
  11. コメントありがとうございます。

    新記事にしましたので、ご覧ください。

    返信削除