バンガード社の米国ETFを買うだけファンドシリーズである「SBI・Vシリーズ」は、「信託報酬0.0638%(税抜0.058%)+米国ETFの経費率」という超低コストが人気を集め、下記のとおりシリーズ全体で1兆円を超えています。
SBI・V・S&P500 8679億円
「VOO」に投資
SBI・V・全米株式 1458億円
「VTI」に投資
SBI・V・全世界株式 226億円
「VT」に投資
SBI・V・米国高配当株式 221億円
「VYM」に投資
SBIアセットマネジメントの梅本社長は、5月9日19時から「梅本社長から皆様に重大発表⁉」と題してYouTubeライブを行いました(本稿の画像はこのYouTubeライブのものです)。
「重大発表」とは何かが注目されていましたが、一挙に5ファンドを新規設定することだったようです。
【参考】
●eMAXIS Slim新興国株は信託報酬を下げなきゃいけなくなるんだなと思って申し訳なくなるんですけどね(SBIアセット梅本社長)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/05/emaxis-slimsbi.html
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●自動車税を楽天ペイで支払いました
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/05/blog-post_8.html
エディネットに本日、有価証券届出書が掲載されました。
【5ファンド共通】
新規設定日 2023年6月8日(当初募集期間 5月25日~6月7日)。
信託報酬 税込0.0638%+米国ETFの経費率。
販売会社 SBI証券
【5ファンドの内訳】
SBI・V・米国増配株式 「VIG」に投資
→ETFの経費率は0.06%、純資産額は653億ドル。
SBI・V・米国小型株式 「VB」に投資
→ETFの経費率は0.05%、純資産額は428億ドル。
SBI・V・先進国株式(除く米国) 「VEA」に投資
→ETFの経費率は0.05%、純資産額は1091億ドル。
SBI・V・新興国株式 「VWO」に投資
→ETFの経費率は0.08%、純資産額は717億ドル。
SBI・V・世界小型株式(除く米国) 「VSS」に投資
→ETFの経費率は0.07%、純資産額は83億ドル。
※ここで「なぜSBI・V・世界小型株式(含む米国)がないのか?」と疑問に思った人もいるでしょう。私も疑問に思いました。
その理由を考えたところ、
「EXE-i グローバル中小型株式」(VBとVSSを買うだけファンド。信託報酬は税込0.253%+米国ETFの経費率)が売れなくなってしまうからではないか
との結論に至りました。
この点について、SBIアセットマネジメントの梅本社長は、本日のYouTubeライブで下記のスライドを示し、「EXE-i グローバル中小型株式」の実質信託報酬は0.3110%であるが、SBI・Vシリーズの2ファンドを自分で組み合わせれば実質信託報酬0.1218%で保有できるとコメントしました。
2023年の新NISAを踏まえ、全世界の株式に時価総額比で投資する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が圧倒的な人気を集めつつあります。SBI・V・全世界株は、かつてリーサルウェポンと呼ばれたVTを買うだけファンドであり、非常に素性がよいファンドですが、三重課税コストの問題もあってかスリムオールカントリーの対抗馬たりえていません。
もし今回、SBI・Vシリーズとして米国を含む世界小型株式ファンドがリリースされていたとしたら、1000億円規模の純資産額を集めていたかもしれないことを思うと残念でなりません。
最後に、SBI・Vシリーズが4ファンドから9ファンドに拡大されたことで、
「顧客から0.0638%の報酬をもらって、顧客の代わりに米国ETFを買って分配金を再投資するファンド」
という性質がより顕著になりました。
そして、今回の5ファンドの信託報酬を0.0638%でそろえてきたということは、「0.0638%+米国ETFの経費率」という信託報酬をシリーズを通じて維持し、より低コストな
PayPay投信米国株式インデックス 0.0915%
たわらノーロードS&P500 0.09372%
には対抗値下げしないという考えなのかもしれません(追記:本日19時からのYouTubeライブでこの点についての梅本社長の見解が明らかにされるのではないかと思っていましたが、「トレーサーズオールカントリーは指数のライセンス料を顧客負担にしているので公正な比較対象にすることはできない」というコメントにとどまりました)。
【2023年5月9日 18:20追記】
プレスリリースが出ました。
こちらです。
SBI・V シリーズは、これまでに米国株式や世界株式などに投資する 4 ファンドを設定・運用しており、純資産残高は合計で 1 兆円を超える規模になっています。これらに加え、米国で増配実績を誇る企業の株式、大型から小型の先進国企業の株式、高い成長が見込まれる米国や世界の小型株式、今後の経済成長が見込まれる新興国の株式に投資できるインデックス型 5 ファンドの設定・運用を開始する予定です
https://www.sbiglobalam.co.jp/release/pdf/prs230509_04.pdf
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