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2023年8月31日木曜日

「eMAXIS Slim全米株式」(現物株)、9月15日に新規設定

三菱UFJ国際投信は、2023年9月15日、「eMAXIS Slim全米株式」を新規設定します。





ソースはこちら。


この度、三菱UFJ国際投信株式会社は『eMAXIS Slim 全米株式』を新規に設定いたします。
2023年 9月 15日(金)に設定、運用を開始いたしますので、ファンドの特色等についてお知らせいたします。 
当ファンドは米国の株式市場(MSCI USA インベスタブル・マーケット指数(配当込み、 円換算ベース))の値動きに連動する投資成果をめざします。 
MSCI USA インベスタブル・マーケット指数とは、米国株式市場の時価総額 99%をカバ ーするように設計された大型株、中型株、小型株を対象とする時価総額加重型の株価指数です。 
また、2024 年 1 月 1 日(月)から開始される新しいNISAの成長投資枠の対象となる予定 です(販売会社により取扱いが異なる場合があります。くわしくは、販売会社にご確認ください)。
https://www.am.mufg.jp/corp/press/__icsFiles/afieldfile/2023/08/30/release_230830.pdf


信託報酬は、純資産額2兆5802億円の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と同じ0.09372%です。
しかし、ファンドの純資産額に応じて漸減する信託報酬率は微妙に違います。

スリムS&P500
5000億円未満の部分 0.09372%
1兆円未満の部分 0.09306%
1兆円以上の部分 0.09240%

スリム全米株
2500億円未満の部分 0.09372%
5000億円未満の部分 0.09361%
5000億円以上の部分 0.09350%


また、ベンチマークは「MSCI USA インベスタブル・マーケット指数」という聞き慣れないものです。
MSCI社が公表しているファクトシートによれば、構成銘柄数は2023年7月31日時点で2470銘柄ということです。

ちなみに、バンガード社のVTIのベンチマークは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」です。バンガード社が公表しているファクトシートによれば、構成銘柄数は2023年6月30日時点で3838銘柄ということです。


三菱UFJ国際投信がスリムシリーズに新たな米国株ファンドを新設した理由を推測するに、「S&P500では分散具合が足りないから、スリム米国株ではなくVTIを買うだけファンドがほしい」という層(およそ1兆3000億円の市場)に食指を伸ばそうとしているのでしょう。
【VTIを買うだけファンド】
楽天全米株 純資産額1兆0928億円 信託報酬0.162%
SBI・V・全米株式 純資産額1829億円 信託報酬0.938%


三菱UFJ国際投信に確認したところ、ETFではなく現物株を買うとのことです。2470という構成銘柄数を考えると非常にチャレンジングな試みと言えます。
とはいえ、米国株ETFにはいわゆる三重課税コストがないため、VTIを買うだけファンドにコスト面での優位性があるとは言えません。
そうすると、スリムシリーズのブランド力とバンガードのブランド力とのガチンコ勝負ということになるわけですが、果たして目論見どおりうまくいくのでしょうか。


最後に、気になる販売会社がどこかですが、プレスリリースでは言及されていません。
しかし、エディネットで公開された有価証券届出書を見ると、

SBI証券
楽天証券
マネックス証券(ただし、9月22日から)

が取り扱う旨が記載されています。

このうち、楽天証券には投信保有ポイントがありませんが、SBI証券とマネックス証券にはあります。
SBI証券は、低コストファンドについては税抜販売会社報酬をそのままポイントバックしてくれますので、スリム全米株の投信保有ポイントは0.0336%になるでしょう。
また、マネックス証券は、信託報酬が同率のスリムS&P500に対して0.03%の投信保有ポイントを付与していますので、スリム全米株の投信保有ポイントも0.03%になるでしょう。


スリム全米株は、VTIを買うだけファンドを選んだ顧客の心をつかみ、スリムシリーズに引き込むことに成功するのでしょうか?
純資産額をどれだけ集めることができるのかが楽しみです。

8 件のコメント:

  1. なるほどたしかにファンドオブファンドなのかファミリーファンドなのかが問題ですが、聞いた事のないMSCI USA インベスタブル・マーケット指数を指標にするのは差別化を図りたい意図なのでしょうから、逆説的に聞いた事の無い指標を使う以上現物株なのでしょうな
    という事は、マザーファンドも新規設定予定なのでようかね?

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  2. コレジャナイ感しかないです。
    売れないでしょう。
    eMaxisナス100をスリムに衣替えしてニッセイのコストに合わせてくるのが先でしう。
    でもそうすると先進国株もそうしろと言われるのが怖くてできないのか。
    あとは、先進国(除く米国)、全世界(除く米国)のリリースが望ましいですが。
    インドとか出してきそうかな。

    返信削除
  3. コメントありがとうございます。

    >ファンドオブファンドなのかファミリーファンドなのかが問題

    確認したところ、マザーファンドは現物株を買っていくということでした。

    >マザーファンドも新規設定予定なのでしょうかね?

    マザーは新設です。
    しかし、オールカントリーの日本株マザーファンドを新設した際に3億円の自己資金を拠出したように、今回も自己資金を拠出するかもしれません。
    オールカントリーのときにやったように、今回も臨時レポートを出してほしいとリクエストしておきました。

    >eMaxisナス100をスリムに衣替えしてニッセイのコストに合わせてくるのが先

    ニッセイNASDAQ100は120億円です。
    奪うだけの客がいないので、やらないのでしょうね。

    >先進国(除く米国)、全世界(除く米国)のリリースが望ましい

    SBI・Vシリーズが売れて、奪うだけの客がいると判断すればやるかもしれませんが、そもそもSBI・Vシリーズが売れないと思います。

    >インドとか出してきそうかな

    出すとしてもeMAXISのほうだと思います。

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  4. 折角、eMAXIS Slim、新商品を出すならば
    全世界株式の幅を広げた
    全世界株式(含むフロンティア)が興味深いです

    MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスと
    MSCI フロンティア・マーケット・インデックスを
    時価総額加重平均で

    市場を開拓できれば、祝着

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  5. コメントありがとうございます。

    >新商品を出すならば全世界株式(含むフロンティア)が興味深いです

    フロンティア市場に投資したいというニーズがあるかがまず疑問ですし、コストも相当かかりそうです。
    もしやるとしても、スリムではないほうでやると思います。

    返信削除
    返信
    1. コメント、ありがとうございます
      ご指摘どおり、ニーズやコストを踏まえると、含むフロンティアの商品化は難しいですね

      フロンティア構成国が新興国に格上げされるほど
      目覚ましい経済成長を遂げれば、上々です

      削除
  6. 私のスリムシリーズに期待しているのは、他の投資信託の信託報酬が下がった場合、それにスリム側も追従してくれる所です。私の気になるところは、sbivtiや楽天vtiが信託報酬を引き下げた場合、追従してくれるのかどうかです。そうでなければ、私は買わないですね。

    返信削除
  7. コメントありがとうございます。

    >sbivtiや楽天vtiが信託報酬を引き下げた場合、追従してくれるのかどうか

    両方とも信託報酬の引き下げはしないと思いますが、もししたらスリムS&P500もスリム全米株も対抗値下げをすると思います。

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