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2023年8月3日木曜日

【追記あり】Tracers MSCIオール・カントリー、実質的な信託報酬を税込0.08675%に引き下げ

Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は、2023年4月26日、信託報酬0.05775%で登場しました。

信託報酬0.05775%は、競合ファンドである「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の0.1133%の半額です。

しかし、指数のライセンス料法定書類の作成費用という、競合ファンドが運用会社負担としている費用を顧客負担にしたことで批判を受け、スリムオールカントリーからは対抗値下げの対象にしないと表明されてしまいました。

その結果、純資産額は新規設定から3か月が経過するのに13億4700万円と振るいません。


トレーサーズオールカントリーは、この現状を打破すべく、2023年8月3日、訂正有価証券届出書を提出しました。




※よろしければ、次の記事もご覧ください。


●「はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー)」、1日で6500万円を集める
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/nisa16500.html



上記訂正有価証券届出書には、次のとおり記載されています。


「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」に関して、このたび投資家の利便性向上のため、信託約款第39条第2項に規定する信託事務の諸費用につき、信託財産で負担する上限率を年万分の10から年万分の3へと引き下げるべく、信託約款の一部に所要の変更を行ないます。

<訂正後>
以下の諸費用およびそれに付随する消費税等相当額について、委託会社は、その支払いをファンドのために行ない、ファンドの日々の純資産総額に対して年率0.03%を乗じた額の信託期間を通じた合計を上限として、支払金額の支弁を信託財産から受けることができます。(以下「実費方式」といいます。)なお、①から⑦までに該当する業務を委託する場合は、その委託費用を含みます。また、実際に支払う金額の支弁を受ける代わりに、その金額をあらかじめ合理的に見積もった上で、見積額に基づいて見積率を算出し、かかる見積率を信託財産の純資産総額に乗じて得た額をかかる諸費用の合計額とみなして、信託財産から支弁を受けることができます。(以下「見積方式」といいます。)ただし、委託会社は、信託財産の規模などを考慮して、信託の設定時または期中に、かかる諸費用の見積率を見直し、年率0.03%を上限として、これを変更することができます。委託会社は、実費方式または見積方式のいずれを用いるかについて、信託期間を通じて随時、見直すことができます。これら諸費用は、委託会社が定めた時期に、信託財産から支払います。




以下の諸費用」とは、競合ファンドが運用会社負担にしている費用(指数のライセンス料や法定書類の作成費用)+監査費用のことです。
これらの費用について、実費方式か見積方式かのいずれかの方式で計算した上で顧客負担とされていたところ、その上限額が年率0.1%から年率0.03%に引き下げられます。

競合ファンドが顧客負担とする監査費用は、スリムオールカントリーが0.001%、スリム先進国株たわら先進国株が0.002%です(いずれも最新版の運用報告書記載の数字)。
そうすると、トレーサーズオールカントリーの信託報酬は、

0.05775%+0.029%(競合ファンドが運用会社負担としているもの)=0.08675%

となります。

これはスリムオールカントリーの信託報酬0.1133%の76.6%の水準です。

惜しむらくは、トレーサーズオールカントリーが顧客負担にする年率0.029%(監査費用控除後)について、運用会社負担のままにしたはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」が登場し、SBI証券が取扱いを開始してしまったという点です。

その結果、指数のライセンス料や法定書類の作成費用を加味した信託報酬は、次のようになります。

はじめてのNISAオールカントリー 0.05775%(スリムオールカントリーの51%
トレーサーズオールカントリー 0.08675%(スリムオールカントリーの76.6%
スリムオールカントリー 0.1133%


この程度の信託報酬差が気にならない人は、今までどおりスリムオールカントリーを買うでしょうし、気になる人ははじめてのNISAオールカントリーを買うでしょう。
つまり、どのような人がトレーサーズオールカントリーを買うのが全く見えないということになります。

私は、0.1%から0.03%に引き下げるという小手先の対策ではなく、競合ファンドと同様に運用会社負担にするという抜本的な変更を行い、真っ向勝負を挑むべきだったと思います。



【2023.8.3 17:55追記】

プレスリリースが出ています。


日興アセットマネジメントは、指数のライセンス料を信託報酬に含めるべきかどうかについて、上記プレスリリースで次のように述べて正当化しようとしています。

指数の商標使用料(ライセンスフィー)の扱い
日興アセットでは、かねて指数ライセンスフィーを当社役務の対価である信託報酬とは分離する考え方を採ってい ます。指数ライセンスフィーは指数業者に支払う費用であり、またファンド規模などによって金額が異なります。そのため、当社の運用する投資信託ならびに ETF(上場投資信託)の多くにおいては、「その他の費用・手数料」に含めています。


しかし、私は、上記0.03%の中で指数のライセンス料が占める割合はほぼゼロに等しく(日興アセットマネジメントが運用する「インデックスファンドNASDAQ100」のライセンス料は、下記参考記事のとおりゼロです)、その大半は法定書類の作成費用ではないかと考えています。
【参考】
●Tracersオールカントリー、たわら全世界株・スリムオールカントリーより高コストか

https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/04/tracers_14.html


指数のライセンス料の外出しは仕方がないと思える人であっても、法定書類の作成費用の外出しは筋が違うと感じるでしょうから、日興アセットマネジメントの上記説明には違和感を覚えます。

3 件のコメント:

  1. これで何となくですがacwiの指数料が0.03くらいでそれ以下なのが透けてきちゃいましたね。だとしたら野村のオルカンのそれぞれの取り分って、、、野村はネクストファンズシリーズ等でモルスタに積み上げがあるので少しお安いのかもしれませんね。いずれにしても顧客優位には違いありません。これから証券会社は顧客にいかにアクティブファンドを買わせるかの戦いになりそうですね。

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  2. はじカンは取り扱わないがトレカンなら取り扱うという販売会社が出てくれば、そこではオルカンに勝てるという淡い期待?
    販社報酬ははじカン、トレカン同一なので、野村アセットとは取引しない、できないという販社に期待なんですかね?
    楽天証券、マネックス、カブコムは、はじカンもトレカンも取り扱わないつもりなのか。
    どうせ、オルカンは追随値下げしてくるから、それまで判断保留なのか。

    返信削除
  3. コメントありがとうございます。

    >これで何となくですがacwiの指数料が0.03くらいでそれ以下なのが透けてきちゃいましたね。

    私は、指数のライセンス料はほぼゼロに等しいのではないかと思っています。
    https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/04/tracers_14.html

    この0.03%のほとんどは法定書類の作成費用ではないかと思うのですが、だからこそ顧客負担にするのは筋が通らない(顧客に共感されない)と思うのです。

    >楽天証券、マネックス、カブコムは、はじカンもトレカンも取り扱わないつもりなのか。

    販売会社報酬が低いのがネックで、本音は売りたくないのだろうと思っています。
    トレーサーズオールカントリーが売れたら別だったのでしょうが、売れていなくてホッとしているのではないでしょうか。

    ただ、野村が売れる予感しかしない、とんでもないファンドをぶち込みましたので、本当に売れるのかどうかを販社各社は固唾をのんで見守っている状況なのでしょうね。

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