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2023年9月28日木曜日

目論見書に記載される「総経費率」は、欧米の真似をしただけ

日経速報ニュース(2023/09/26 12:00)の下記記事を読みました。




●インデックスファンドの総経費率、つみたてNISA対象-投信観測所

来年の春から、運用報告書を作成・交付しているすべてのファンドの目論見書に、直近発行の運用報告書に記載された総経費率が明記される。上場投資信託(ETF)は運用報告書の作成義務がないので、原則対象外となる。
総経費率を見る場合にはいくつか留意事項がある。第1に、総経費率は年率換算した概算値であり、組み入れ銘柄の売買時に発生する売買委託手数料などは含まない。インデックスファンドの運用を中心にして、銘柄の約定価格自体に売買手数料が上乗せされているバスケット取引が多用され、売買手数料を費用として切り分けることができない運用形態が増えてきたのが背景にある。
第2に、総経費率は同じファンドでも運用時期により変わりうる性格の数値であり、決算日に合わせて発行される運用報告書の記載数値には決算期のタイミングによる違いも起こりえる。






※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●SBI証券、スリムオールカントリーの投信保有ポイントを0.0175%に引き下げ(10/1~)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/09/sbi00175101.html


日経新聞は上記のように解説していますが、「交付目論見書の作成に関する規則に関する細則」を作成した投資信託協会は次のように説明しています。


【意見】
運用報告書の総経費率については、募集手数料、売買委託手数料及び有価証券取引税を除 く、となっていますが、総経費率の名に値する通り、投資家が負担するすべての費用を計上し、その割合を示すべきと考えます。同様にベビーファンドの損益計算書に計上される支払利息についても、総経費率計算に算入すべきです。1万口当たりの費用明細においては、売買委託手数料、有価証券取引税がその他費用と共に掲載されており、計上範囲が不統一で理解が難しく誤解をまねく可能性が高いです。
【回答】
募集手数料、売買委託手数料及び有価証券取引税につきましては、有価証券報告書及び運用報告書で開示を行っております。 今回の規則改正は、運用管理費用などの情報開示の一層の充実に資する観点から、交付運用報告書で開示を行っている総経費率を交付目論見書に開示することを目的としています。総経費率については、欧米等における開示内容の基準に合わせ、「株式の売買委託手数料」、「有価証券取引税」、「募集手数料」は除くこととしております。

https://www.toushin.or.jp/static/publiccomment/ichiran/22447/



日経新聞はもっともらしい理由があるようなことを言っていますが、本当の理由は欧米の真似をしただけでした。






欧米か!






なお、「今回の規則改正は、運用管理費用などの情報開示の一層の充実に資する観点から、交付運用報告書で開示を行っている総経費率を交付目論見書に開示することを目的としています。」という記載から明らかなとおり、今回の改正内容は何かもの凄く革新的なことをするというものではありません。これまで運用報告書で公開してきた情報を目論見書にも記載するという、ただそれだけのことにすぎません。

5 件のコメント:

  1. 好意的に解釈すれば、コストが米国に近接した昨今、欧米より厳格な(つまり本邦ファンドの総経費率が高く見えてしまう)ルールは打ち出せなかったのでしょうね。
    開示ルールは極力統一するのが投資家にとって良いこと、とは思います。

    信託報酬のルールも、厳密にして欲しいところです。今は男爵さんのブログ解説が頼みの綱です。

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  2. たわら男爵 樣

    いつも情報ありがとうございます。

    現在、楽天証券にてつみたてNISAを積み立てています。
    来年より新NISAがはじまりますが、そのタイミングでSBI証券にて新NISAをはじめるか、このまま楽天証券にて新NISAを継続するか悩んでおります。

    確か奥様が楽天証券にてつみたてNISAを積み立てていたと思うのですが、たわら男爵樣はどうされるのか参考にさせて頂きたく質問させて頂きました。

    お手数ですがよろしくお願いいたします。

    返信削除
  3. コメントありがとうございます。

    >欧米より厳格なルールは打ち出せなかった

    単に何も考えず、欧米のルールを真似しただけではないかと思っています。
    独自性を打ち出して失敗すると発案者の責任問題になりますが、「欧米と同じルールにしましょう」と言う方法は誰も責任を取らないで済む素敵なやり方です。

    >奥様が楽天証券にてつみたてNISAを積み立てていた

    次の理由で、新NISAも楽天証券のまま(私が贈与したお金を原資とし、楽天キャッシュ決済や楽天カード決済でたわら先進国株を買う)になりそうです。

    1,楽天カードはもっているが、三井住友カードは持っていない。
    2,SBI証券では株主優待銘柄を売買している。

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  4. 現在、楽天証券で積立NISAしています。
    スリムオールカントリーを積み立てています。

    保有ポイント狙いで、新NISAからはSBI証券に引っ越すつもりでしたが、信託報酬低下に伴う付与ポイントの低下のため、引っ越すのが面倒な気がしてきました。

    同様な気持ちの人も多いかもしれませんね。

    返信削除
  5. コメントありがとうございます。

    >信託報酬低下に伴う付与ポイントの低下のため、引っ越すのが面倒な気がしてきました。

    生涯投資枠1800万円×0.0175%=年額3150円

    つみたてNISAと別会社にする管理の手間と年額3150円のどちらを取るかの判断になりますよね。

    もっとも、松井証券が参戦したことで存続の可能性が高まったとはいえ、投信保有ポイントが永続するとは思えませんので過度の期待はしないほうがよさそうです。

    返信削除