バンガード社の米国ETFを買うだけファンドシリーズの「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、2023年8月24日、同じくバンガード社の米国ETFを買うだけファンドシリーズの「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を抜き、インデックスファンドの純資産額ランキング第3位に浮上しました。
インデックスファンドの純資産額ランキング(ウエルスアドバイザーの検索システムを利用)は、次のとおり。
1,スリムS&P500 2兆5822億円
2,スリムオールカントリー 1兆4174億円
3,SBI・V・S&P500 1兆0962億円
4,楽天全米株 1兆0940億円
5,ニッセイ外国株 5628億円
6,スリム先進国株 5341億円
7,ダイワ Jリートオープン(毎月分配型) 4028億円
8,たわら先進国株 3747億円
9,楽天全世界株 3437億円
10,スリム全世界株(除く日本) 3068億円
楽天全米株と楽天全世界株が登場するまでは、インデックス投資と言えば先進国株ファンドを買うことでした。米国株や全世界株にニーズがあるとは思われておらず、一部のマニアがVTIやVTを買って喜んでいた程度でした。
ところが、「バンガード社の有名ETFを買うだけファンド」という仕組みを楽天全米株と楽天全世界株が全面に出して顧客にアピールしたことで、バンガード社のブランド効果を追い風にすることができ、予想を超える人気を集めるに至りました。
そして、楽天全米株と楽天全世界株の成功を見て、二匹目のドジョウを狙ったスリムS&P500とスリムオールカントリーが登場することになります。
さらには、スリムS&P500の成功を見て、三匹目のドジョウを狙ったSBI・V・S&P500も登場しました。そのSBI・V・S&P500が元祖である楽天全米株を追い抜いたわけですから、実に感慨深い思いです。
楽天全米株は、米国株投資という新たな地平を切り開いた元祖でありながら後発のスリムS&P 500やSBI・V・S&P500に追い抜かれてしまったわけですが、商売的にはそれなりの成功を収めています。
SBI・V・S&P500の運用会社報酬は0.0242%ですから、年間の売上げは2億6528万円です。
これに対し、楽天全米株の運用会社報酬は0.055%ですから、年間の売上げは6億0170万円です。
ほぼ同じ純資産額であっても、年間の売上げは楽天全米株のほうが2.27倍も多いことになります。
また、スリムS&P500の運用会社報酬は0.03494%(純資産額2兆5000億円のとき)ですので、年間の売上げは9億0222万円です。
スリムS&P500は、楽天全米株の2.36倍も売れているのに、売上げは1.50倍にとどまります。
楽天投信投資顧問は、おそらくこの数字に満足しており、超低コスト競争に参加したかったことに安堵しているものと思われます。
しかし、楽天全米株が果敢に超低コスト競争に参加していたならば、スリム一強の時代が来ることはなかったでしょう。そのことを思うと、利用者の立場からすれば残念でなりません。
楽天は折角良い投信を出したのに、攻めなかった印象です。改悪も続いていますし、覇気が無い感じがします。
返信削除最近はauが攻めていますね。マネ活を始めたり、金融に力を入れているのを感じます。
「楽天payを利用すると楽天市場利用分がポイント2倍」今回は条件が元に戻っていました。スーパーDEAL限定なのか、改悪により利用額が減少したからなのかはわかりませんが。
この2つのファンドはここ1年ほぼずっと同じ純資産額で増減してきていますので、この入れ替わった順位で確定ということはなく、アメリカが相対的に弱くなってきた時はまた入れ替わるような気がします
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>楽天は折角良い投信を出したのに、攻めなかった印象です
どっちが良かったのかは分かりませんが、結果論で言えば、全世界株ファンドが0.05775%になってしまった今ではどのみち対抗できませんので、よかったのかもしれません。
>「楽天payを利用すると楽天市場利用分がポイント2倍」今回は条件が元に戻っていました。
細かな所をいじるのはやめてほしいですよね。
>この2つのファンドはここ1年ほぼずっと同じ純資産額で増減してきています
楽天全米株はSBI・V・S&P500の猛追をかわし続けてきましたが、ついに捕まってしまいました。
今後は差が少しずつ開いていくのでしょうが、それでも楽天の儲けを上回るのは難しいでしょう。先行者利益を上手に活かすことができましたよね。