インデックスファンドを購入すると、コストがかかります。
コストには、
①目論見書で事前開示される「信託報酬」(定額)
②運用報告書で事後開示される「信託報酬を除く費用」(毎年変動する)
の2種類のものがあります。
※1
米国ETFを買うだけファンドの場合は、「ファンド固有の信託報酬+米国ETFの経費率」を「実質的な信託報酬」と呼ぶことがあります。
※2
「信託報酬を除く費用」とは、1年間のファンド運用期間中に実際にかかったコストのことです。1年間の運用期間が終わるまでは実際に幾らかかるのかが分からないため、目論見書で事前開示することができません。
とはいえ、運用期間が長いファンドであれば既に過去の運用報告書が開示されています。過去の運用報告書を確認すれば過去の「信託報酬を除く費用」の実績値が分かりますので、それらから現在の「信託報酬を除く費用」を推測することができます。
さて、「インデックスファンドはコストで選べ」と言われるときの「コスト」とは、①「信託報酬」と②「信託報酬を除く費用」の合計額のことです。
この合計額は「実質コスト」とか「トータルコスト」と呼ばれていますが、ファンドの純資産額から日割計算で毎日差し引かれます。
ファンドの基準価額は純資産額を口数で割ったものですので、実質コスト相当額がファンドの純資産額から差し引かれると、その分だけファンドの基準価額が下がります。そのため、インデックスファンドは、ベンチマークとする指数より実質コスト相当額だけ下方乖離する運命にあります。
問題は、実質コスト相当額を超えて下方乖離(下振れ)したり、上方乖離(上振れ)したりするケースです。
どちらのケースも、運用にミスが発生した可能性を示唆しています。
「上方乖離が発生しても、顧客が得をすることになるので構わない」と思ってはダメです。なぜなら、たまたま上方乖離だっただけのことであり、狙って上方乖離を発生させたわけではないからです。
つまり、上方乖離するようなファンドは運用方法にミスを発生する原因を抱えているため、次のミスでは大きな下方乖離が発生する可能性があります。そのため、一時的に得をしたとしても長期的に見れば損をする可能性のほうが高いと考えるべきです。
このように、実質コスト相当額の下方乖離が常に発生しているインデックスファンドは良いファンドと言えますが、実際には実質コスト相当額を超える下方乖離が発生します。
実質コスト相当額を超える乖離が発生する最大の原因は新規流入資金であり、具体的には、(1)マザーファンドの純資産額
(2)ベビーファンドの純資産額
(3)マザーファンドに占めるベビーファンドの割合
の3点が影響します。
楽天オルカンのコストがオワコンになりそうで。。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>楽天オルカンのコストがオワコンになりそう
せめて法定書類の作成費用を運用会社負担にしていれば、と思うと残念ですよね。