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2023年12月29日金曜日

楽天プラスシリーズ、「eMAXIS Slim」を狙い撃ち

楽天証券が猛列にプッシュしている「楽天プラスシリーズ」ですが、特設サイトを作って「eMAXIS Slimシリーズ」を露骨に狙い撃ちしています。



特設サイトはこちら。

●楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
https://lp.community.rakuten-toushin.net/rakuten-plus/allcountry

●楽天・S&P500インデックス・ファンド
https://lp.community.rakuten-toushin.net/rakuten-plus/sp500



楽天プラスシリーズは、これまで信託報酬率で業界最低水準を目指すと宣言していましたが、特設サイトでは更に踏み込み、次のように宣言しています。


「楽天・プラス」シリーズは信託報酬だけでなく総経費率*1でも業界最低水準*2を目指します
*1 総経費率:当期中の運用・管理にかかった費用の総額(原則として、募集手数料、売買委託手数料及び有価証券取引税を除く。)
*2 対象範囲:公募追加型株式投資信託(ETF、DC専用、投資一任向けを除く)における他社類似ファンド
*3 その他費用は保管費用、監査費用、印刷費用、その他等が含まれます。その他費用の総額は、運用の状況や資産残高によって変動します。信託報酬を含めた期中の費用は運用報告書でご確認いただけます。

他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、信託報酬については機動的に引き下げを行うことによって業界最低水準を目指してまいります。 
(注)一般的に投資信託に係る運用コストとしては、信託報酬の他にも売買委託手数料やその他費用(保管費用等)など、投資信託財産を通じて間接的にご負担いただく費用があります。信託報酬率につき他社類似ファンドが引き下げを行った場合、当ファンドの信託報酬率も見直しを行い、業界最低水準にすることを目指します。ただし、これを実現することを保証するものではなく、また、他社類似ファンドが信託報酬率の引き下げを行った場合、業界最低水準ではない期間が存在する点、ご留意ください。



上記は明らかに「eMAXIS Slimシリーズ」を仮想敵にした表現であり、「eMAXIS Slimシリーズ」から顧客を奪う狙いがあるものと思われます。

しかし、注意しなければならないのは、


信託報酬率
他社類似ファンドが引き下げれば、楽天プラスシリーズも引き下げて業界最低水準にする。

その他費用
他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、業界最低水準になるように努力する。


という重大な違いがあるという点です。

楽天プラスシリーズは、信託報酬率は引き下げを約束していますが、信託報酬を除く費用については引き下げを約束していません。
楽天プラスシリーズを買う人は、信託報酬を除く費用が高ぶれし、その結果として信託報酬を含む総経費率で他社類似ファンドに負けた(=業界最低水準を達成できなかった)としても、楽天プラスシリーズは何もしてくれないという点に留意した上で買う必要があります。

私が心配しているのもこの点です。
もっとはっきり言うと、楽天投信投資顧問には現物運用の経験がないことから、信託報酬を除く費用で他社類似ファンドに負ける(=コスト増になる)可能性が少なからず存在し、総経費率で業界最低水準を達成できないのではないかということを懸念しています。

とはいえ、楽天プラスシリーズはバカ売れています。
S&P500ファンドは138億円、オールカントリーファンドは91億円の純資産額を集めています。新規設定日がわずか2か月前(2023年10月27日)であることを考えると、これらは驚異的な数字と言えます。

楽天証券が新NISAに楽天プラスシリーズを絡めたなりふり構わぬ宣伝活動をしていることで、楽天証券の新NISA口座でも多くの人が楽天プラスシリーズを買うことになるものと思われますが、果たして楽天プラスシリーズは顧客の信頼に応える運用ができるのでしょうか。

6 件のコメント:

  1. 最近、emaxis slimは追従しなくなりましたね。
    残念です。

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  2. たわらの方が優良ファンドだと思いますが、なぜ楽天が多くの顧客を惹きつけ圧勝してしまうのか疑問です。大多数の人はコストなど気にしないのでしょうか?それだと頑張ってるたわらが不憫です。

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  3. 楽天がどんなに大声を上げても資産を積み増ししても、純資産総額に天と地の差があるので、札束の殴り合いで勝つことは現時点不可能ですね。ただ、小さい方が知恵を出して大きく魅せる技を繰り広げるその様は、見ていて面白いので、温かくslimシリーズを保有しながら見守りたいと思います。

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  4. コメントありがとうございます。

    >最近、emaxis slimは追従しなくなりましたね

    ニッセイと楽天がぶっこんできたのが年末ということもあり、調整に手間取っているのでしょうね。

    >大多数の人はコストなど気にしないのでしょうか?

    全ては楽天証券の宣伝のせいでしょうね。
    SBI証券ではなく楽天証券を選んだ人にとって、あの宣伝文句を見ると血がたぎります。

    >楽天がどんなに大声を上げても資産を積み増ししても、純資産総額に天と地の差があるので、札束の殴り合いで勝つことは現時点不可能ですね。

    巨額のマザーファンドがバックにないのが痛いですよね。
    ただ、この勢いだとファンド単体で1000億円に到達しそうであり、そうなるとマザーファンドの規模は関係なくなります。

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  5. 男爵のブログに今年たどり着きました。貴重なご教授ありがとうございます。来年もよろしくお願いします。
     sbi証券アプリで資産残高が何故か少なか表示されまして ドキドキしてしまいました 不具合が発生したみたいです 年末から年始にかけ休み無く復旧作業されるのもご苦労さまですが  不安要素だな

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  6. コメントありがとうございます。

    >来年もよろしくお願いします。

    こちらこそ、引き続き当ブログをよろしくお願いします。

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