楽天プラスシリーズは、楽天投信投資顧問が運用する超低コストインデックスファンドシリーズです。
現時点では、S&P500(信託報酬0.077%)と全世界株(信託報酬0.0561%)の2ファンドしかありませんが、12月22日には、先進国株(信託報酬0.088%)と日経225(信託報酬0.132%)が追加設定されます。
楽天プラスシリーズの販売会社は楽天証券1社だけです。
しかし、S&P500ファンドは97億円、全世界株ファンドは63億円もの純資産額を集めています。これらファンドの新規設定日は2023年10月27日ですのでバカ売れしていると言ってよいでしょう。
その理由は、楽天証券が大々的に宣伝をしているからです。投信残高ポイントを楽天プラスシリーズに限って復活させるなど、なりふり構わぬと言ってよいほどです。
とはいえ、楽天投信投資顧問がこれまで運用してきたインデックスファンドはETFを買うだけファンドだけであり、現物株ファンドは楽天プラスシリーズが初めてです。
そのため、「楽天プラスシリーズはきちんとした運用ができるのか」が気になります。
私は、「楽天投資顧問は月次報告書で安心させてくれるのではないか」と期待していましたが、その期待は裏切られました。
【参考】
●楽天プラスシリーズ、第1回月次報告書は期待外れも甚だしい
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/12/1.html
月次報告書を読んでも分からないため、基準価額の騰落率を見てみます。
設定来 7.9591%
直近1か月 -0.8452%
10/27 9888円
11/15 10766円
12/14 10675円
●楽天・オールカントリー
設定来 6.9629%
直近1か月 -1.2282%
10/27 9924円
11/15 10747円
12/14 10615円
これだけでは分からないため、スリムシリーズと比較してみます。
●スリムS&P500
設定来 8.0425%
直近1か月 -0.8265%
【データ】
10/27 22207円
11/15 24197円
12/14 23993円
●スリムオールカントリー
設定来 6.9561%
直近1か月 -1.1383%
10/27 19163円
11/15 20732円
12/14 20496円
楽天オールカントリーの設定来リターンを除き、スリムシリーズのリターンより劣後していることが分かります。
とはいえ、楽天S&P500と楽天オールカントリーが新規設定直後であることを考えると、この劣後を楽天投信投資顧問の運用能力のせいだと言うことはできません。
というわけで、楽天S&P500と楽天オールカントリーの新規設定日(10/27)から現在までの運用に問題はなさそうですが、楽天オールカントリーのマザーファンドの運用状況が全く明らかではない現状で楽天オールカントリーを買う勇気は私にはありません。
楽天投信投資顧問がなぜ月次報告書や臨時レポート等でマザーファンドの運用状況を明らかにしないのかは分かりませんが、スリムオールカントリーは新規設定直後に出した臨時レポートで日本株マザーファンドの詳細を明らかにしたことで現在の地位を築いたという事実を最後に指摘しておきます。
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