投資信託には、パッシブ型(特定の指数に連動するタイプ)とアクティブ型があります。
日経新聞(2024年4月19日朝刊9頁)によると、世界の株式投信のうちパッシブ型が53%となり、アクティブ型を上回ったとのことです。
日経新聞の上記記事の概要は、次のとおりです。
1,2024年3月末時点で、世界の株式投信のうちパッシブ型の残高は15兆ドル。これは世界の株式投信の53%を占める。ちなみに、アクティブ型の残高は14兆ドル弱。
2,パッシブ型が人気を集める理由は、コストとリターン。
アメリカ投信協会によると、アメリカのパッシブ型の経費率の平均は0.05%だが、アクティブ型は0.65%。
S&P社によると、2023年までの10年間でS&P500指数を上回るリターンをあげた大型株ファンドは13%弱。同社の地域別指数を上回るファンドは、欧州は8%、日本は15%にすぎない。
3,パッシブ型に資金集中するデメリットについて、上記記事は次のように指摘しています。
パッシブ型の投信に流れ込んだ資金は、指数に連動する運用結果になるよう投資される。指数に入っていれば業績が振るわない銘柄にも資金は向かいやすくなるため、指数に入っていない銘柄との格差は広がる。アクティブファンドは、市場平均(=時価総額比の指数)を上回る運用結果を目指す代わりに多額の信託報酬(スリムオルカンの0.05%を基準にすると、比較的安いアクティブ型の1.0%であっても20倍以上)を顧客に求めます。
しかし、顧客の期待は十中八九裏切られることになり、パッシブ型の10~20倍以上もの信託報酬を支払った挙句、市場平均を下回るリターンというダブルパンチを受ける羽目になります。
とはいえ、上記記事が指摘するデメリットは心配です。
しかし、指数が特定の会社の株を組み入れたのは、そのほうがより効率的に指数を構成できると判断したからです。逆に言えば、その株を組み入れることで効率が阻害されると判断すればその株を除外し、より効率的な別の株を新たに組み入れることになります。
そのため、指数に組み入れられたことによる水増し効果が発生する株があったとしても、将来的に指数から除外されることで解消されるため、私は上記記事が言うほど心配する必要はないと考えています。
いずれにしても、8~15%のあたりファンドを見極める眼力を持たない我々としては、アクティブファンドを買うとしても「なんとなく」というフワッとした理由以外の理由を持ちません。
とするならば、余計なことは考えず、時価総額比のインデックスファンドを愚直にバイアンドホールドしたほうがはるかに充実した投資人生になると考えます。
そうするとS&P社やMSCI社など、指数提供者の判断が重要という事になるでしょうか。
返信削除S&P500は日経225よりも高頻度で銘柄入れ替えを行なっているようです(当然、好調な企業を組み入れ、低迷企業を外す)。指数の継続性・一貫性の観点でどうなのか?という疑問もあるが、インデックスファンドへ投資する身としては、好調な企業で固めて欲しいですね。
これはもう、ある種のアクティブファンドにも思えてきました。
コメントありがとうございます。
返信削除>指数提供者の判断が重要という事になるでしょうか
市場の全ての会社の株式を時価総額比で保有することは不可能である以上、実現可能な会社数でいかに時価総額比に近づけるかがノウハウであり、だからこそみんながライセンスフィーを支払ってその情報を買うのでしょうね。
>インデックスファンドへ投資する身としては、好調な企業で固めて欲しい
市場平均に投資したいのであれば、好調・不調に関係なく時価総額比に最も効率的に近づける配分比にすべきです。
とはいえ、S&P500指数は米国の代表的な大型株500社をS&P社が選別した上でそれを時価総額比加重平均したものですので、500社の選別の時点でS&P社の判断が介在することになります。
>これはもう、ある種のアクティブファンドにも思えてきました。
1896年にダウ30指数、1957年にS&P500指数が作られました。
我々はこの歴史を否定することはできませんので、選別者についていろいろと思うところはありますが、まあ仕方がないということなのでしょうね。
s&p500にある選別淘汰の、個人意思介入を回避したいと思いました。
返信削除sbiのバンガードETF VTI買うだけファンドを購入してます。 結局は同じですよね。
量子コンピュータの基礎理論が停滞、後退しています。AI関連は暫くダメで、半導体絡みは案外寿命が伸びるかな。
あと10年もすればスマホも過去の遺物と成り果てる予想でしたが、違うかもです。
コメントありがとうございます。
返信削除私は未来がどうなるか全く分からないので、たわら先進国株を買っていますが、全く何も心配する必要がなくていい感じです。