日経速報ニュース(2024/06/04 12:00)の下記記事を読みました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL280VI0Y4A520C2000000/
上記記事は、ロボアド5社の純資産額と運用成績を比較しています。
ロボアド最大手はウェルスナビで、純資産額は1兆2000億円(2024年5月10日時点)。利用者は39万人です。
気になる手数料は年1.1%。これとは別に投資先のETFの経費率(ウェルスナビによると0.07~0.13%)がかかります(ETFの経費率はウェルスナビが徴収するのではなく、ETFの運用会社がETFの純資産額から勝手に天引きします)。
スリムオルカンの信託報酬は0.05775%ですから、実に19倍です(ウェルスナビは更にETFの経費率0.07~0.13%がかかるため、両者のコスト差は拡大します)。
誰もが気になるのは、ウェルスナビはスリムオルカンの19倍以上のコストを払う価値があるのか(コストに見合うリターンをあげることができているのか)ということでしょう。
日経の上記記事には、ロボアド5社の直近5年間(2019年5月1日~2024年4月30日)のリスクとリターンを一覧表が掲載されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL280VI0Y4A520C2000000/リスクとリターンは表裏一体の関係にあるため、より多くのリターンを得たいのであればより多くのリスクをとる必要があります。上記一覧表を見ると、リスクが増えるにつれてリターンも増えていることが分かります。
ウェルスナビの最大のリターンは95.7%です。これはロボアド5社のうち最も良い成績です(リスクを減らした他のリターンを確認してもウェルスナビが他の4社を圧倒しているため、ウェルスナビが現時点では最も優れたロボアドといえます)。
5年で95.7%のリターンは、それだけを見れば素晴らしい数字です。
しかし、物事は全て相対的に見る必要があります。つまり、スリムオルカンはどうなのかということです。
ウェルスナビ 95.7%
スリムオルカン 127.52%
スリム先進国株 142.98%
分散投資が輝くのはおそらく株が不調の時期、アメリカで言えば2000年代のような状況かなと思います。
返信削除興味深い記事の紹介、ありがとうございます。
返信削除ウェルスナビは、一番高いリターンのものでも5年間のリスクが年率14.0。オルカンの5年間リスクが19.90、Slim先進国は20.80らしいので(年率。楽天証券サイト、6/7更新分より)、ウェルスナビとは戦場が違う気もします。
Slimバランス8資産均等型が、5年間リスク13.38です(年率。楽天証券サイト、6/7更新分より)。このあたりがウェルスナビに近い同じ物差しに感じます。
Slimバランス8資産均等型の基準価格は、10,877円(2019/5/7) → 16,405円(2024/4/30)で、リターン50.82%。ウェルスナビの95.7%より大きく劣っています。
そう見るとウェルスナビは、「リスク上限を抑えながら上手に廻している」とも考えらるのではないでしょうか。
オルカンやSlim先進国は、成り行き任せで、リスクコントロールの思想はありません。
と書きつつも、私はオルカンやSlim先進国の戦場が好きですが。
ロボアドの劣後が酷過ぎます。高い手数料を払ってこれだと意味がないですよ。
返信削除ロボアドは市場の状況に応じてETFの割合を変化させると記憶しています。頻繁なリバランスがパフォーマンスに影響しているのかもしれません。
あれこれ弄らず、愚直に低コストインデックスファンドを積み上げるのが一番ですね。
コメントありがとうございます。
返信削除>分散投資が輝くのはおそらく株が不調の時期
ここ10年は時価総額比の株式インデックスファンドをバイアンドホールドするだけでよかったことを考えると、いい時代に投資ができてよかったですよね。
>ウェルスナビは、一番高いリターンのものでも5年間のリスクが年率14.0。オルカンの5年間リスクが19.90、Slim先進国は20.80
リスクをとっていない以上、リターンが少なくなるのは当然であるとはいえ、スリムオルカンにリターンで勝てないのでは多くの人は魅力を感じないでしょう。
>オルカンやSlim先進国は、成り行き任せで、リスクコントロールの思想はありません。
時価総額比で買うだけですからね。
>私はオルカンやSlim先進国の戦場が好きです
時価総額比の株式インデックスファンドは、もしリターンが振るわなかったとしても市場の思し召しだと思って諦めがつきますが、ロボアドのほうはロボの思し召しだと思って諦めが付く人は誰もいません。
なかなか厳しいですよね。
>ロボアドの劣後が酷過ぎます。高い手数料を払ってこれだと意味がないですよ。
時価総額比でない投資戦略を採用したファンドは、どうしてもスリムオルカンとリターンを比較される宿命にあります。
投資信託の世界にスリムオルカンという唯一絶対の物差しを登場させたという点で、三菱UFJアセットの代田常務はいい仕事をしたと思っています。