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本稿は、当ブログ(「 たわら男爵のインデックスファンド投資術 」)及び旧ブログ(「 40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ 」)の集大成として、何らの知識がなくても実践できる資産形成の具体的なやり方をお伝えするものです(この記事の後で カテゴリ ...

2024年6月27日木曜日

スリム全米株の実質コストが高い理由

スリム全米株は、2024年6月26日、「足下の当ファンドの運用状況等について」と題するレポートを公表しました。
同ファンドの第1回運用報告書が開示され、「信託報酬を除くコスト」が非常に高くなったことを説明するためと思われます。



※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●スリム先進国株の運用報告書が公開されました
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/06/blog-post_27.html


レポートはこちら。

本計算期間は当初設定後の初回決算であるため、設定時のポートフォリオ構築に伴う株式の保管費用(管理コストの一部)の率が相対的に高くなりました
今後は資金流入動向にもよりますが、純資産が安定して増加した場合、銘柄売買による費用は発生しますが、純資産に対する管理コストの率は低下するものと見込んでます。
https://emaxis.am.mufg.jp/fund/topics/__icsFiles/afieldfile/2024/06/26/254520_240626.pdf



スリム全米株の第1回運用報告書に記載されたコストの詳細は、次のとおり。

信託報酬 0.057%
売買委託手数料 0.016%
有価証券取引税 0.000%
保管費用 0.079%
監査費用 0.002%
合計 0.154%



これだけでは分からないので、同日に開示されたスリムS&P500のコストの詳細と比較してみます。

信託報酬 0.093%
売買委託手数料 0.002%
有価証券取引税 0.000%
保管費用 0.009%
監査費用 0.000%
合計 0.104%(信託報酬を除くコストは0.011%


スリム全米株の運用期間は7か月ほどであるため、上記各数値を1年分に直さなければなりません。

【1年分に修正後の数値】
信託報酬 0.093%
売買委託手数料 0.026%
有価証券取引税 0.000%
保管費用 0.129%
監査費用 0.003%
合計 0.251%(信託報酬を除くコストは0.158%


これを見て気づくのは、スリム全米株の保管費用が無茶苦茶高いということです。
新規設定直後のスリム全米株と純資産額5兆円のスリムS&P500とを比較するのはフェアではないため、スリムS&P500の第1回運用報告書の保管費用を確認してみます。


保管費用(2018.7.3~2019.4.25) 0.045%


これは運用期間が約10か月の実績値であるため、10で割って12を掛けて1年分の数値を概算すると、0.054%になります。


スリム全米株(第1期) 0.129%
スリムS&P500(第1期) 0.054%


このように、スリム全米株はスリムS&P500の2.39倍もの保管費用が掛かっていることになります。
その理由は、マザーファンドの純資産額です。

スリムS&P500の新規設定日は2018年7月3日ですが、この時点でマザーファンド(適格機関投資家限定ファンド向けに作ったもの)は5年ほどの運用実績があり、2018年8月27日時点で285億1000万円の純資産額がありました。
これに対し、スリム全米株は、その新規設定時にマザーファンドも新規設定しています。

つまり、スリムS&P500は既存のマザーファンドを買うだけで済んだのに対し、スリム全米株はマザーファンドをゼロから立ち上げなければならなかったので、上記レポートが言うところの「設定時のポートフォリオ構築に伴う株式の保管費用」が余計にかかってしまったということになります。

1 件のコメント:

  1. 今回も勉強になりました
    毎日見ていますのでこれからも頑張って下さい
    その他、最近新しい投信(上場、非上場問わず)が増えているのでワクワクしています

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