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2024年7月11日木曜日

「石丸構文」と「進次郎構文」との決定的な違い

石丸伸二・前安芸高田市長が東京都知事選に立候補し、小池百合子・東京都知事の291万票に続く165万票を獲得しました(蓮舫・元行政刷新担当大臣は第3位の128万票に沈みました)。

しかし、彼の開票直後のインタビュー対応が物議をかもし、「石丸構文」なる用語が爆誕しました。

ネット上では「石丸構文」と「進次郎構文」が面白おかしく対比されていますが、石丸氏と小泉氏との間には隔絶した差があります。



石丸氏が何を思ってあのような対応をしたのかについて、本人がコメントしています。


石丸氏は、結局質問者の質問を煙に巻いてしまう「石丸構文」について、「(質問者が)自分の主張を前提に置きすぎてて、全部が誘導なんですよ。質問が」と述べ「でも、そんなの乗るわけないじゃないですか」と笑い飛ばした。
そして「これ、テレビで言うと問題があるんだろうな、でもぜひ使ってください」と前置きした上で「内心、おちょくってました」と言い放ち、インタビュアーの斎藤ちはるアナも「おちょくって?そうなんですか」とビックリ。石丸氏は「ムキになってる、ムキになってるって(思っていた)」と話していた。

https://www.daily.co.jp/gossip/2024/07/11/0017871226.shtml

高橋氏から「総じて対応が厳しめでしたよね。真面目に答えるとどういう意図があった?」と聞かれ、「常にコミュニケーションの基本として、ミラーリングするんです。善意に対しては善意で返すし、敵意には敵意をちゃんと返す」と説明した。
さらに「雑な質問をしてくる者に対しては相応の対応をするというか。雑な質問に雑に答えると、グチャグチャになるのでそこは僕の方で整理をするんですけど。相手が何かこう、真剣に調べてきてる時には、自分もそれに見合った回答を、クオリティーを担保して返します」と語った。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202407100001812.html



石丸氏のユニークな個性が際立つコメントですが、石丸氏と対照的なのが小泉進次郎さんです。
私は、菅元総理が小泉進次郎を買っていることに違和感を覚えていました(最近、菅元総理は頻繁に会食をしていますが、河野太郎は呼ばずに小泉進次郎は呼んでいます)。しかし、次の動画を見て認識を改めました。

●小泉進次郎氏・星野リゾート代表が語る「リーダーシップ育成法」とは?
https://www.youtube.com/watch?v=ynBpxjh3Reo&t=1806s

動画投稿者による全文書き起こしが公開されています。
こちらです。


石丸構文と進次郎構文との決定的な違いは、次の部分です。

リーダーとして間違いなく必要なことは「言葉の力」ですよね。自分の言いたいこと、伝えたいこと、ビジョンを、どうやって的確にそして簡潔に伝えきることができるか。
僕自身、初当選28歳でしたけど、そのときもう本当に世襲の批判もすごくて、自民党みんな大嫌い。民主党の政権交代のときが初選挙ですから。そのとき本当に立ち止まってもらえない、名刺ももらってもらえない、破かれる、肩はどつかれ足踏まれ、世襲反対と言ってペットボトルは投げられる。演説カーから手振ってて、こっちに寄ってきてくれた人が、ああ握手してくれるのかなと思ったら唾はかれるとか。そういった世界でいた中で本当に悩んだのは、どうしたら聞いてもらえるんだろうかと思ったんですね。それでやったことは自分の演説を全部録音することだったんです。それでポケットにICレコーダー入れて自分の演説を録って、それで夜寝るときにベッドの中に入ってイヤホンで聞いてたら、驚くほどよく眠れるんですよ。
つまらないから。それで聞いてみて気づくんです。自分の声って自分じゃ分かんないってことに。そして自分の話し方って自分が思っている以上に早口でリズムがなくて1文が長い。これじゃあ聞かないなと思ったんです。そこに気づいてから自分でものすごく意識が変わったんで、ぜひ皆さんにはどんなスピーチの本とかYouTubeとかそういったものを見たり読んだりするよりも、自分の話し方を見聞きするのが1番の勉強だと思ったほうがいいです。その中では意識してできることは、言葉と言葉のあいだで迷ったときに「あ~」とか「え~」とか「う~」とか言わないことです。
それは訓練すれば絶対できる。僕もそれは最初怖いから、言葉選びで迷ったときに言葉と言葉のあいだに「あの~」とか「え~」って。これが言い過ぎる人は言葉よりも「え~」とか「あ~」を何回言うかなってことを意識しちゃうんですよ、聞く側って。こういう部分は間違いなく訓練すればできます。ただとっさのときにどういうアドリブをするかとか、その場の雰囲気によって話の始めにユーモアから入ったほうがいいか、それとも最初からど真ん中の直球投げないとこの場は持たないなっていう空気を読むとか、そういったところっていうのは多分いろいろ教えてもできないところっていうのもあるんだろうなっていうのは思いますね。


いいこと言っても伝えてもらえないんですよ。例えばテレビとかだったら、1分話して5秒か10秒伝えてもらえるかどうかですから。
だけどメディアの問題だっていったらこの世界は戦っていけないんで。そういった中でもちゃんと言いたいことが伝わるようにするには、1分話すんじゃなくて、5秒の中で自分がどう切られても伝わってくれるっていうところを話す能力を持たないとやっていけないんです。だからいいこと言っていれば伝わるっていうのは、1つは政治の世界では通用しない。
1番パワフルなメッセージっていうのは、最もシンプルなメッセージですよ。そこの力っていうのを考えないといけなくて、ときにそれが間違っちゃうと専門性ある難しい言葉を使っていると頭よく聞こえるから、そっちに行っちゃう人っているじゃないですか。それは政治家としては本当に気をつけなきゃいけないことで、誰もが分かる、畑で働いて畑仕事をしながらラジオを聞いているおじいちゃんやおばあちゃんから、トラックで運転しているドライバーさんから、こういう場に来るような皆さんまで含めて1発でみんながどういう意味ってことを考えるまもなくスッと入ってくる言葉は何かっていうのを考え続ける。そこっていうのが僕は大事だと思っているんで。



質問者をおちょくったことを「ミラーリング」と弁解する人と、聞き流している人の耳にも一発でスッと入る言葉を真剣に考え続ける人。
どちらが政治家にふさわしい資質の持ち主かと言えば、おのずと明らかだと思います。

※なお、訴訟リスクがあるため、当記事に関するコメントをいただいても承認できないことがあります。


11 件のコメント:

  1. 石丸さんは根本的な姿勢がリーダーに向いていないと思いますね。
    リーダーに必要なのは、人をまとめてチームでの実行力を高めることであり、個人競技ではありません。
    コミュニケーションの基本はディベートではなくディスカッションです。
    ミラーリングでは信者だけに持ち上げられて、その他の人は離れていきます。
    それはただの裸の王様です。

    返信削除
  2. ミラーリングかぁ…悪意には悪意っていいますが、政治家が突っ込んだ質問をされるのは当然であって
    答えにくい質問をされたら俺への悪意がある認定!だから悪意で返す!ってそれは政治家として以前に人としてダメです。
    というかこれ自分にはイエスマンだけ欲しいって言ってるも同然なんですが、それは一番権力を握らせたら駄目なタイプでは?

    返信削除
  3. 法的リスクがあるコメントをいただいたので、危ない部分を黒塗り処理して貼り付けます。


    男爵様

    的確な分析だと思います。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/7f4b8389a0a51556d9e70f138ed782bd4d54d26f

    これを見ても、石丸氏は非常に●●的で●●な人間であるとわかります。上に立たすと危険な人物の典型例です。

    表層的なパフォーマンスで彼に投票した都民があれほど多かったことに危機感を覚えます。恐ろしいことです。

    都民に奉仕するのではなく、ただ自分の●●を満たすための行為にしか思えません。

    一方、たとえば安野氏はAIあんのを電話でも使えるようにするなど、リテラシーが高くないような都民のことも考え、自分の考えを広め、奉仕したいという気持ちが見えました。また、他人をばかにするような態度や発言もなかったと思います。

    ●●を見抜けるかどうかが人生においては極めて重要だと、今回の都知事選で改めて痛感しました。

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  4. コメントありがとうございます。

    >リーダーに必要なのは、人をまとめてチームでの実行力を高めることであり、個人競技ではありません。

    同感です。

    >答えにくい質問をされたら俺への悪意がある認定!だから悪意で返す!ってそれは政治家として以前に人としてダメです。

    聞き手に理解してもらおうと努力しているようには見えませんよね。

    >「ただ、あれをもういっぺんあの場に居ても、同じ風にやっちゃう。女、子どもに容赦するっていうのは優しさじゃないと思っている」
    「優しく言ってあげればよかったのかな?(頭を)ポンポンってやってあげる感じが良かったのかな?でもそれも失礼。相手もプロとしてあの場にいらっしゃるから」


    1,このような発想が頭に浮かぶこと
    2,公の場で堂々と言ってしまうこと

    という2つのハードルを軽々超えるその姿に痺れますね。

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  5. 私も男爵様の分析どおりの認識です。
    自分の意見、価値観と異なる方々のことも考えて実行していく力が求められると思いますので首長は向かないように感じます。
    Xで進次郎氏のことを見ると育ちの差なんだろうかと思ってしまいます。

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  6. たわら男爵様

    石丸氏の発言を文字で見る限り

    1)常にコミュニケーションの基本として、ミラーリングするんです。
    2)善意に対しては善意で返すし、敵意には敵意をちゃんと返す。

    この1)と2)の間に大きな断絶があります。


    石丸氏のほか方のの問答を見るにつけ、質問を受けた直後に「ミラーリング」なる返しをしていて、その質問が「善意」であるか「悪意」であるか質問の意図を確認していません。質問を聞いた時点で「悪意」か「善意」かの判断を自己完結的にしているようです。

    ミラーリングするにしてもそれがどのような意図かわからなければ適切なミラーリングができているか判断できないはずです。

    元に戻りますが、コミュニケーションについて話しているつもりなのでしょうが、1)2)の間の断絶のある発言を見るにつけ、石丸氏がコミュニケーションをそもそもするつもりがない(あるいは気が付いていない)ことがわかります。
    議論がかみ合わないのは、当然の帰結です。
    民主主義には合わない価値観をお持ちの方のようです。

    都知事選に出るまえから石丸氏に「(他者と)コミュニケーションするつもりがない」ことはわかっていたのに、得票数2位になってしまったのを見てこの先日本で民主主義が成立するのか不安を感じます。

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  7. コメントありがとうございます。

    >進次郎氏のことを見ると育ちの差なんだろうかと思ってしまいます。

    なんだかんだ言って、進次郎さんは一生懸命ですよね。

    >石丸氏がコミュニケーションをそもそもするつもりがない

    全国ネットのインタビュー(しかも編集できない生放送)という絶好の機会を無駄にしたのは、意図的なのかどうかは分かりませんが、非常にもったいないと思います。

    >得票数2位になってしまったのを見てこの先日本で民主主義が成立するのか不安を感じます。

    小池都知事に対抗できる首長経験者が石丸氏しかいなかったというのも大きかったのではないでしょうか。

    組織運営の経験があるのは他に田母神さんだけですが、75歳のおじいちゃんですし、今から未経験の首長業務が務まるかと考えると不安があります。

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  8. 今の若い人はなかなか素晴らしいと思っていますが、やはり人生経験が少ないと石丸氏のような人間の本性に気づかず、心酔してしまう人も多数いるのだということがよくわかりました。

    YouTubeやティックトックのように、インプレッションやバズったもの勝ちという価値観を刷り込まれていることも大きいのかもしれませんね。

    年をとるって嫌なことしかないと思っていましたが、苦い経験を多数してきたこともムダではない(特に石丸氏のような人間に対する目)のだなと思えました。

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  9. コメントありがとうございます。

    >人生経験が少ないと石丸氏のような人間の本性に気づかず、心酔してしまう人も多数いる

    「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉が身に沁みますね。

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  10. 石丸さんは左翼思想だから危険かな

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  11. コメントありがとうございます。

    >石丸さんは左翼思想だから危険

    それを言ったら、蓮舫さんは共産党の小池書記局長と熱い抱擁をしていましたので、危険な女と言うほかありません。

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