上記記事は田村正之さんの署名記事です。
田村さんは、
1,全世界株式指数(MSCIワールド)を使って試算した。運用終了時期は1990年1月から2024年6月までの414期間。
2,元本割れした期間は、運用期間5年では4分の1。運用期間10年だと10%、15年だと5%に激減し、運用期間20年だと0%。
3,2倍以上に増えた期間は、運用期間5年だと2%程度だが、10年だと17%に激増し、15年だと50%、20年だと70%。
4,運用期間5年だと元本割れするリスクが高いが、運用期間15~20年であれば元本割れを心配することなく資産形成が成功する可能性が高い。
5,均等額積立投資をする限り、今の相場状況を気にする必要はない。
2008年8月に発生したリーマンショックでは株価は半値まで暴落したが、リーマンショック前の高値を付けた2008年8月から2024年6月まで毎月3万円ずつの積立投資をしたとすると、投資額573万円に対して時価額2255万円(3.9倍)に増えた。
これに対し、リーマンショック後の安値を付けた2009年2月から2024年6月まで毎月3万円ずつの積立投資をしたとすると、投資額555万円に対して時価額2043万円(3.7倍)に増えた。
と整理した上で、教育資金、高齢期、中高年、NISAとイデコの割り振りについて、それぞれ言及していますので、詳細は原記事をご覧ください。
ただ、
>NISAは利益が出たときだけ非課税の恩恵を受けられるが、イデコは掛け金を出した時点で節税効果が得られるわけだ。
との部分は、注意が必要です。
というのは、NISAは利益が全額非課税になるという点でシンプルですが、イデコは現役時の所得をリタイア時に繰り延べるだけ(=現役時の高い所得税率ではなくリタイア時の安い所得税率で済む)ですので、
1,掛金は、拠出時に全額所得控除される。
2,掛金と利益は、受取時に課税される(一括して受け取ると退職所得、分割して受け取ると雑所得)。
ということになり、お得な利用方法を自分の頭で考えなければならないからです。
私はイデコプラス(月額2万3000円の掛金のうち2万2000円を法人が負担する点を除き、普通のイデコと全く同じ)を利用していますが、その理由は2万2000円×20.315%=4469円が必ず得するからです。
※私の法人は、たわら先進国株を保有するだけの資産管理会社です。たわら先進国株の売却益で役員報酬、社会保険やイデコプラスの会社負担分を支払っているため、個人保有をしていたならば支払わなければならなかった値上がり益課税(=20.315%)を支払わずに済みます。つまるところ、法人の損金(=個人で言うところの経費)にすることができれば2割引きになるわけですね。
イデコやイデコプラスは途中でやめられません(掛金の拠出を停止しても手数料は毎月発生します)。そのため、拠出時と受取時の課税状況を踏まえて「絶対に得だ」という確信がない限り始めるべきではないと考えています。
いつも興味深い情報をありがとうございます。
返信削除男爵の会社では、投資信託の期末評価換はされていないのでしょうか?
売買目的以外として評価換せずに済ませるならそれに越したことはないと思いますが、事業目的が投資信託による資産運用である会社で、売買目的外として問題はないのでしょうか。税務署または税理士等の見解などあればご教示いただけますか。
コメントありがとうございます。
返信削除>事業目的が投資信託による資産運用である会社で、売買目的外として問題はないのでしょうか。
資産管理法人を作る前に電話相談センター(最寄りの税務署に電話すると、税務署か電話相談センターのどちらに電話をつなぐかを選択できます)に電話して、下記事項を確認済です。
〇売買目的有価証券(短期間の価格変動による収益の獲得を目的とするもの)に該当すると、期末時に時価評価して評価差損益を当該事業年度の益金ないし損金として税務申告しないといけないが、株価指数の上昇に伴う値上がり益の獲得を目的とするものは売買目的有価証券ではないので、売却時まで値上がり益に課税されることはない。
iDeCoは途中で引き出せないのをネックに感じやっていないのですが、男爵さんの記事を拝読する度にやらなくて良かったと安堵します。
返信削除ここ数日、為替は円高に振れ株価は下がっていますが気になりません。市場の動向に振り回されず、自分の生活を楽しめるのは楽で良いですね。
男爵さんはポイント投資をしていらっしゃいますが、こちらも積み立てるのみですか?それとも半年や一年と期限を決めて、機械的に売却なさっているのでしょうか?
iDeCoは2017年の大幅拡充時に加入しましたが、絶対に得だという「確信」は微妙ですね。
返信削除自分が受取年齢に達するのは10年以上先で、その時、退職所得控除や公的年金等控除の制度がどうなっているかは分かりません。
おそらくリタイア後、退職所得控除や公的年金等控除後の課税所得は今の所得よりも低く(所得税率も低い)、今の高い税率のうちに小規模企業共済等掛金控除を得ておく事が有利だろうという推測です。
ただ仮に、利益が掛金の数倍まで膨らみ過ぎると、税率が低くても、現役時に掛金拠出で受けた減税より多く課税される怖さはあります。
コメント失礼致します。いつも拝読し勉強させていただいております。
返信削除以前のブログで不動産投資会社ではなく、資産管理会社を設立するなら、この書籍がお勧めと記載されていた記憶がございます。該当の書籍を再度教えていただく事は可能でしょうか?
《NISA、買い時はいつも「今」 早いほど有利》
返信削除まさに記事タイトルに全て集約されていますねw
リーマンショック時の安値で買っていた方はだいぶ含み益があって、高値で買って暴落した場合、だいぶ損しているイメージでしたが、「ドルコストによる長期分散投資の凄さ」がわかる記事ですね。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
返信削除>男爵さんはポイント投資をしていらっしゃいますが、こちらも積み立てるのみですか?それとも半年や一年と期限を決めて、機械的に売却なさっているのでしょうか?
私がポイントで投信を買っているのは楽天だけです。
楽天証券では楽天キャッシュ投資をしており、それと混ざってしまっています。
一応の目安として時価額が100万円になったら売却しようと思っています。
>仮に、利益が掛金の数倍まで膨らみ過ぎると、税率が低くても、現役時に掛金拠出で受けた減税より多く課税される怖さはあります。
私は、月額23000円であれば退職所得控除(20年目までは拠出期間×40万円、21年目以降は拠出期間×70万円)の範囲内に収まるだろうと考えてイデコプラスを始めましたが、確かに儲かれば儲かるほど予期せぬ課税リスクも増えますね。
>資産管理会社を設立するなら、この書籍がお勧めと記載されていた記憶がございます。
「法人投資家のための証券投資の会計・税務」(大和総研)です。
>「ドルコストによる長期分散投資の凄さ」がわかる記事ですね。
参考になって、よかったです。