日経新聞の下記記事を読みました。
●野村アセットの全世界株型投信、総経費率が最安の0.07%に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL311UJ0R30C24A7000000/
【お得なキャンペーンが開催中】
●「COIN+」(エアウォレット)の新規登録で2500p、既存もコード決済で還元率20%(~8/19)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/07/coin2500p819.html
この記事(上記リンク先で全文が読めます)を読んだ人は、「野村は凄いな」と思うことでしょう。
ただ、上記記事は核心部分で読者を誤導しており、好ましくありません。
上記記事に掲載されている一覧表を見てみます。
総経費率を抜き出すと、
はじめてのNISAオールカントリー 0.07%
スリムオルカン 0.11%
トレーサーズオールカントリー 0.13%
です。
これらの数値は、運用報告書の「参考情報 総経費率」に記載された数値をそのまま持ってきたものになります。
「参考情報 総経費率」は、
①運用管理費用(運用会社)
②運用管理費用(販売会社)
③運用管理費用(受託会社)
④その他費用
の4つの内訳で構成されています(各社共通)。①②③の合計額が信託報酬になります。
はじめてのNISAオールカントリーとトレーサーズオールカントリーの①②③は0.02%ずつの合計0.06%であるのに対し、スリムオルカンは合計0.08%(①0.03%②0.03%③0.02%)です。
スリムオルカンだけ高い理由は、トレーサーズオールカントリーとはじめてのNISAオールカントリーが信託報酬0.05775%で新規設定された後に対抗値下げをしたからです(スリムオルカンの12か月間の運用期間のうち、対抗値下げ前が4か月間、対抗値下げ後が8か月間)。
そうすると、現時点で比較するとしたら、④のみにするか、①②③の合計を0.06%に直してから行うべきです。
そうすると、総経費率はこうなります。
はじめてのNISAオールカントリー 0.07%(④のみだと0.01%)
スリムオルカン 0.09%(④のみだと0.03%)
トレーサーズオールカントリー 0.13%(④のみだと0.07%)
かなり印象が違いますね。
※はじめてのNISAオールカントリーとスリムオルカンとの0.02%の差は保管費用、スリムオルカンとトレーサーズオールカントリーとの0.04%の差は指数のライセンス料・法定書類の印刷費用が原因です。
上記記事は、
と説明しているものの、スリムオルカンの総経費率が高く出てしまった原因は対抗値下げ前だからであることを一読して読み取れる人はいないでしょう。
しかも、上記説明は、はじめてのNISAオールカントリーの総経費率が安くなった最大の理由(保管費用の安さ)には言及していません。上記記事には野村アセットのコメントが掲載されています。
「信託報酬に加えて、効率的な運用でその他費用も低く抑えることにこだわり、長期にわたるインデックス運用で培った運用力を生かして低コストを実現した」
どうせコメント取りをするのであれば、保管費用がスリムオルカンの3分の1で済んだ原因を確認してほしかったですし、トレーサーズオールカントリーには総経費率で0.06%差をつけたのに6か月リターンでは逆に0.039%差をつけられてしまった原因も聞いてほしかったところでした。
【参考】●はじめてのNISAオールカントリー、実質コストが判明
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/07/nisa_30.html
確かに、トレカンが妙に好パフォーマンスを続けている点は日経新聞(QUICK)に深掘りして欲しかったです。
返信削除我々個人は運用報告書までしか分からないわけで。
トレカンはおそらく一時的な上方乖離ではなく、ずっと平均点に、他の全世界株式ファンドをパフォーマンスで上回ってますよね。謎だ。
コメントありがとうございます。
返信削除>トレカンはおそらく一時的な上方乖離ではなく、ずっと平均点に、他の全世界株式ファンドをパフォーマンスで上回ってますよね。謎だ。
この点を突っ込んでほしかったですよね。