SBIアセットマネジメントは、2024年10月22日、インド株インデックスファンドを新規設定します。
名称は「SBI-フランクリン・テンプルトン・インド株式インデックス・ファンド」(愛称は「SBI・フランクリン・インド株式」)。
信託報酬は0.2538%。
内訳は、ファンド0.0638%+ETF経費率0.19%。
販売会社はSBI証券のみ。
販売会社報酬は0.022%のため、投信残高ポイントも0.022%になるものと思われます。
ファンド名の「フランクリン・テンプルトン」、愛称の「フランクリン」の意味は、投資先のETFの運用会社が「フランクリン・アドバイザリー・サービシズ」と「フランクリン・テンプルトン・インベストメント・マネジメント」の2社だからです。
投資先のETFは「Franklin FTSE India UCITS ETF」。
運用資産残高は11億5000万ドル。日本円で1500億円程度にすぎません。
ベンチマークは「FTSE India 30/18 Capped Index(配当込み、円換算ベース))」。
有価証券届出書の該当部分を貼り付けておきます。ETFの純資産額は1500億円程度、ETFの運用会社の運用資産残高は4兆円程度ということですから、規模感として大きいとは感じられません。実質信託報酬の安さだけで飛びつくわけにはいかないように思います。
時系列で整理してみます。
2023.3.13 「iFreeNEXTインド株」が信託報酬0.781%で新規設定。
2023.8.29 「auAM Nifty50インド株」が信託報酬0.539%で新規設定。
2023.9.27 「iFreeNEXTインド株」が信託報酬0.473%に引き下げ。
2023.11.8 「auAM Nifty50インド株」が信託報酬0.4675%に引き下げ。
2023.12.15 「SMTAMインド株」が信託報酬0.308%で新規設定。
2024.4.5 「楽天インド株」が信託報酬0.308%で新規設定。
2024.4.26 「auAM Nifty50インド株」が信託報酬0.297%に引き下げ。
2024.6.28 「(アムンディ・インデックスシリーズ)インド株」が信託報酬0.2805%で新規設定。
2024.10.22 「SBIフランクリンインド株」が信託報酬0.2538%で新規設定。
低コストインド株インデックスファンドの現状は、次のとおりです。
1,iFreeNEXTインド株インデックス
新規設定日 2023年3月13日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 現物70.4%、先物29.6%
純資産額 1467億4500万円
信託報酬 税込0.473%(2023年9月27日、0.781%から引き下げ)
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.05%)、楽天証券、マネックス証券(投信残高ポイント0.08%)、松井証券(投信残高ポイント0.18%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)、大和コネクト証券
2,SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド
新規設定日 2023年9月22日
指数 BSE Sensex Index In HKD(30銘柄)
運用方法 ETF(香港籍)100%
純資産額 669億2300万円
信託報酬 税込0.3138%(うちETFの経費率0.25%)
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.022%)
3,eMAXISインド株式インデックス
新規設定日 2024年2月22日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 先物100%
純資産額 239億0400万円
信託報酬 税込0.44%
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.05%)、楽天証券、マネックス証券(投信残高ポイント0.08%)、松井証券(投信残高ポイント0.16%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)
4,楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド
新規設定日 2024年4月5日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 先物100%
純資産額 210億7400万円
信託報酬 税込0.308%
販売会社 楽天証券、マネックス証券(投信残高ポイント0.08%)、松井証券(投信残高ポイント0.1%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)
5,SMTAMインド株式インデックス・オープン
新規設定日 2023年12月15日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 現物72.66%、先物27.60%
純資産額 74億0600万円
信託報酬 税込0.308%
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.05%)、マネックス証券(投信残高ポイント0.08%)、松井証券(投信残高ポイント0.1%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)
6,auAM Nifty50インド株ファンド
新規設定日 2023年8月29日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 先物100%
純資産額 68億6400万円
信託報酬 税込0.297%(2023年11月8日、0.539%から0.4675%に引き下げ。2024年4月26日、0.4675%から引き下げ)
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.05%)、楽天証券、マネックス証券(投信残高ポイント0.08%)、松井証券(投信残高ポイント0.1%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)
7,(アムンディ・インデックスシリーズ)インド株
新規設定日 2024年6月28日
指数 Nifty50(50銘柄)
運用方法 先物100%
純資産額 14億7000万円
信託報酬 税込0.2805%
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.05%)、楽天証券、マネックス証券(投信残高ポイント0.03%)、松井証券(投信残高ポイント0.09%)、auカブコム証券(投信残高ポイント0.005%)
指数 FTSE India 30/18 Capped Index(230銘柄)
運用方法 ETF(アイルランド籍)100%
純資産額 新規設定前
信託報酬 税込0.2538%
販売会社 SBI証券(投信残高ポイント0.022%見込み)
上記各ファンドの現状を整理してみます。
1,ベンチマークは、SBI、iFree、SMTAMを除いてNifty50の先物100%運用。
Nifty50ファンド(SBI以外の全てのファンド)のうち、現物株を組み入れているのはiFreeとSMTAMだけです。というのは、インド株ファンドは先物100%運用がおそらく最適解だからです(詳細は、下記記事をご覧ください)。https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/05/ifreenext10030.html
iFreeは元々先物100%運用でしたが、2023年12月から現物株の組入れを開始して徐々に現物運用を増やし、現在は現物70.4%、先物29.6%です。
この点、iFreeは、2024年1月8日付けで「インド株式現物組⼊開始について及びFAQ回答集」と題するレポートを公表し、投資対象(先物、現物、ETF)ごとのメリット・デメリットを整理しています。
先物は決済期限(=限月)が定められているため、限月が到来した先物を次の先物に乗り換える作業(=ロールオーバー)を繰り返さなければなりません。問題は、先物価格は限月までの価格変動に対する期待値によって増減するため、ロールオーバーをすればするほど指数と乖離しやすくなるという点です。
この点について、iFreeは、日々のポジション調整は先物を利用することで現物株の売買コストを抑制し、売却が想定されない部分は現物株を継続保有することで指数との乖離を抑制することができるとしています。
ただ、iFreeの新規設定日は2023年3月13日であり、1年で純資産額1000億円まで急増したことを考えると、暴落時の急激な資金流出リスクによって現物部分を売却しなければならない事態にならないかが心配になります。
2,純資産額は、1467億円のiFreeが他を圧倒しています。
3,信託報酬は、0.2538%のSBIフランクリンが最安。
※SBI・iシェアーズは投資対象のETFの経費率が0.4%もあるため、信託報酬の引き下げ余地はないと思っていましたが、まさかの経費率が0.25%に引き下げられたことで、実質信託報酬が0.3138%となって競争力が生まれました。
4,投信残高ポイント考慮後の信託報酬は、0.1905%(松井証券保有時)のアムンディが最安。松井証券の投信残高ポイントの破壊力が凄まじい。
①アムンディ(0.1905%)※松井証券保有時
③SMTAM(0.208%)※松井証券保有時
③楽天(0.208%)※松井証券保有時
⑤SBIフランクリン(0.2318%)※SBI証券保有時
⑦SBI・iシェアーズ(0.2918%)※SBI証券保有時
5,各ファンドのリターンは、次のとおり。
※運用コストや指数との乖離率は全て基準価額の騰落率に帰結するため、最終的なファンドの優劣はリターンで判断するしかない。
アムンディ 1週間(1.97%)、1か月(1.16%)
au 1週間(1.88%)、1か月(1.08%)、3か月(-2.91%)、6か月(7.83%)、1年(18.01%)
SMTAM 1週間(1.48%)、1か月(1.10%)、3か月(-2.42%)、6か月(8.38%)
eMAXIS 1週間(1.99%)、1か月(1.10%)、3か月(-2.91%)、6か月(7.63%)
iFree 1週間(1.46%)、1か月(1.06%)、3か月(-2.74%)、6か月(9.07%)、1年(20.54%)
6,感想
リターンを見ると、現物運用に舵を切ったiFreeとSMTAMが優れています。先物運用はロールオーバーすればするほど指数と乖離する宿命にあるため、現物運用を増やしたことがリターン向上に影響しているのかもしれません。
ただし、iFreeが現物運用に舵を切ったのは2023年12月であり、その時点の純資産額は500億円です。これに対し、SMTAMが現物運用に舵を切ったのは2024年7月であり、その時点の純資産額は70億円しかありません。
0 件のコメント:
コメントを投稿