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2024年12月12日木曜日

SBI・V・S&P500、純資産額2兆円に到達

バンガード社の米国ETF「VOOを買うだけファンドである「SBI・V・S&P500」の純資産額が、2024年12月12日、2兆円に到達しました。

※「SBI・V」の「V」は「バンガード」という意味です。


リリースが出ています。

当ファンドは、年率0.0938%(税込)程度という低い信託報酬率に加え、従来のNISAおよび2024 年1月からの新NISAにおけるつみたて投資枠や成長投資枠等の税制優遇口座での活用などを背景に、 投資家の皆さまから評価をいただき、2019年9月26日の設定から2024年11月末まで63ヵ月連続で資金流入超が継続し、2兆円を達成いたしました。本日2024年12月12日現在、当ファンドの残高は国内公募投資信託の中で4位の規模を誇ります。 
当ファンドをはじめ、バンガード社のETF(上場投資信託)を活用したSBI・Vシリーズ全体(年4回決算型を含む11ファンド)の純資産総額は2.43兆円を超えており、それ以外のシリーズも含めたインデックスファンドの純資産総額合計は3.09兆円に達しています。


というわけで、

1,SBI・V・S&P500は、新規設定から63か月連続で資金流入超が継続し、純資産額は2兆円に到達した。これは全ての投資信託の中で第4位の規模である。

2,SBI・Vシリーズ全体の純資産額は2.43兆円。

3,SBIアセットマネジメントが運用するインデックスファンドの純資産額は3.09兆円。

ということです。



ちなみに、インデックスファンドの純資産額ランキングは次のとおりです。

1,スリムS&P500 6兆3058億円
2,スリムオルカン 4兆9702億円
3,SBI・V・S&P500 2兆0102億円
4,楽天VTI 1兆8303億円
5,スリム先進国株 8761億円
6,ニッセイ外国株 8091億円
7,たわら先進国株 7294億円
8,スリム全世界株(除く日本) 6266億円
9,楽天VT 5678億円
10,楽天プラスS&P500 3910億円



楽天VTIと楽天VTが先駆者となって新たなニーズを切り開いた米国株ファンドと全世界株ファンドは、上位10ファンド中6ファンドを占めています。
楽天VTIは第4位、楽天VTは第9位にとどまっており、他社に上記ニーズを奪われたかに見えますが、2017年9月の新規設定から信託報酬を引き下げておらず税抜0.12%+米国ETFの経費率のままです。他の8ファンドの信託報酬が税込0.1%を切っていることを考えると、税抜0.12%(税込0.132%)でありながらこれほどの純資産額を確保している理由はひとえに先行者利益のおかげと言えます。

楽天は、インデックスファンドの覇権はスリムシリーズに譲ったものの、実利(運用会社報酬)は楽天VTIと楽天VTとでしっかり確保しつつ、超低コストファンドを求めるニーズは楽天プラスシリーズでフォローしてスリムシリーズを脅かすまでに成長させ、いつのまにか勝ち組におさまっています。

※スリムS&P500は信託報酬を実質0.077%に引き下げる旨を発表しましたが、その決断に至った理由として、楽天プラスシリーズの大成功、具体的にはS&P500ファンドが3910億円、全世界株ファンドが2725億円もの純資産額を集める超人気ファンドとなり、特に前者がトップ10入りしたことが決定的な影響を与えたものと思われます。


超低コスト路線を突き進んでインデックスファンドの覇権を握ったスリム、実利と超低コスト路線をバランスさせることに成功した楽天と比べると、米国ETFを買うだけファンドを量産するという作戦を採用したSBIは超低コスト化が米国ETFの経費率に匹敵する水準にまで進行したせいでコスト面での魅力を急速に失いつつあるという苦境にあります。

SBI・V・S&P500は、今回、2兆円という大台に到達したものの、その信託報酬は0.0938%(うちVOOの経費率は0.03%)であり、現物運用をするスリムS&P500や楽天プラスS&P500の信託報酬が0.077%であることを考えると、今の人気を今後も維持し続けることができると楽観的にはなれません。
かといって、VOOの経費率が0.03%であることから、スリムS&P500や楽天プラスS&P500に対抗できる水準まで信託報酬を引き下げることは困難です。
どうすればよいかは私には分かりませんが、結局のところは顧客の心をつかむ人気ファンドを生み出すことができるかどうかに尽きるのでしょう。朝倉会長や梅本社長の奮闘を期待しましょう。

5 件のコメント:

  1. このファンドは、Slim S&P500に比べ信託報酬は高く、一方でSBI証券での投信保有ポイント(投信マイレージ)の付与率は低い。
    当然パフォーマンスもSlim S&P500の方が良い。

    SBI・V・S&P500をあえて選ぶ理由が、全く分かりません。なぜ2兆円も獲得できているのでしょうか。
    そんなに「バンガード」の看板が今も強いのですかね?

    返信削除
  2. 記事の件とは異なりますが、ヤマダ積立の続報が出ましたね。
    https://www.yamada-denki.jp/ir/pdf/press/2024/1213_yamada-tsumitate.pdf
    問い合わせ先は専用のフリーダイヤルの様子(検索しても引っかからない)ですが、
    追加1500pt付与くらいで既に積立設定している人含めて満期特典の復活は無しとして幕引きを狙ってそうですね。
    住信 SBI側も舌打ちしてそうな案件です。
    積立設定してる人はすぐに設定解除が必要ですね。(私は開設申請止まりで、積立には間に合いませんでした)

    返信削除
  3. 男爵様
    いつも興味深い記事、ありがとうございます。

    自分は、SBI証券をメインとしているため、
    SBI・V・S&P500を積み立てております。
    最初、スリムS&P500とどちらにするか迷ったのですが、
    ①SBI証券にお世話になっているから
    ②ETFを買うだけファンドの方が、現物運用より、乖離が少ないのでは。
    この2点で、SBI・V・S&P500を選択しました。

    その後、人気も利益もスリムS&P500の方が高く、忸怩たる思いがありました。
    SBI証券でも、スリムS&P500の方が売れています(途中から逆転されました)
    それでも、ほぼ同じ信託報酬であり、気にするほどではないと自分に言い聞かせていました。

    今回、スリムS&P500がさらに信託報酬を減らすというニュースをみて、さらに残念な気持ちになりました。

    SBI・V・S&P500が、スリムS&P500に勝っている点は、
    何かありますか?

    返信削除
  4. 男爵様

    最近大人気の FANG+ についてどう思われますか?

    一応インデックスファンドですが、順張りのアクティブファンドのような商品と認識しています。

    返信削除
  5. コメントありがとうございます。

    >SBI・V・S&P500をあえて選ぶ理由が、全く分かりません。

    初期のホルダーがずっと積立設定を続けているからなのかなと思っています。

    >追加1500pt付与くらいで既に積立設定している人含めて満期特典の復活は無しとして幕引きを狙ってそうですね。

    私もこのリリースを読んで積立設定を解除しました。
    ワンチャンアルカナと思っていたのですが、もうダメですね。

    >SBI・V・S&P500が、スリムS&P500に勝っている点は、何かありますか?

    ないと思います。

    >最近大人気の FANG+ についてどう思われますか?

    「iFreeNEXT FANG+」とたわら先進国株の騰落率を比べると、正直「FANG+すごいな」と思いますが、S&P500でも集中しすぎに思えるのに10銘柄のFANG+だと尚更暴落時に耐えられるとは思えません。

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