我が国最大のインデックスファンドシリーズである「eMAXIS Slim」(イーマクシス・スリム)に新ファンドが加わります。
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●相場は荒波、心はベタ凪
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2025/03/blog-post.html
プレスリリースが出ています。
名称 eMAXIS Slim国内株式(読売333)
信託報酬 税込0.143%
販売会社 SBI証券、楽天証券、マネックス証券、直販(mattoco+)
日本株の指数としては、日経225とTOPIXが既に存在します。あえて今「読売333」を投入する理由について、読売新聞は次のように説明しています。
日本の株式市場は2024年、主要株価指数がバブル期以来の史上最高値を更新した。ただ、原動力の一つとなった新NISA(少額投資非課税制度)を活用した個人のマネーは国内以上に海外の投資信託に向かった。
24年に大手証券10社でNISAを通じて購入された投資信託上位10本のうち、八つが外国株のみで構成される商品で、外国株と日本株を組み合わせた商品は二つにとどまった。
投資信託協会によると、公募投信の純資産総額は23年末の196兆円から24年末には246兆円となったが、外国株の投信が増加分の過半を占めた。政府が長年掲げる「貯蓄から投資へ」は進んだが、国民の資産形成と日本企業の成長という「経済の好循環」は実現できていない。
日本株に関する株価指数は、東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価(225種)の寡占状態だ。金融庁がNISAのつみたて投資枠の対象とする指数はこれらを含む4種のみで、外国株の指数は11種に上る。新たな日本株指数の必要性は高まっており、読売333は新たな日本株の指標となる。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250303-OYT1T50193/
要するに、日本株インデックスファンドが売れていないのは日経225とTOPIXに魅力がないせいだから日本人が欲しいと思う指数を作ってやったぜというわけですね。
333銘柄の採用基準は、次のとおりです。
指数の算出は、野村ホールディングスの100%子会社が行います。
1,全ての上場株式から売買代金上位500銘柄を抽出する。
2,売買代金上位500銘柄を「浮動株時価総額」で並び替え、浮動株時価総額上位333銘柄を選定する。
3,上記333銘柄を等ウェート(各銘柄の保有割合は0.3%)で保有する。
4,リバランスは毎年4回(2,5,8,11月の最終金曜日)。
5,銘柄の入替えは毎年1回(11月の最終金曜日)。
※銘柄数が333である理由は分かりませんが、日経225よりも大きな数字であり、読売ジャイアンツのマスコットの背番号が333である(長嶋茂雄から背番号333のユニフォームを与えられたという設定)からかもしれません。
読売新聞は、「読売333」のポイントとして、次の4点を挙げています。
1,地方も重視している
→本社が非東京が122銘柄(日経225は70銘柄)。
2,長期投資に向いている
→時価総額1兆円の企業が2兆円になるよりも、時価総額1000億円の企業が2000億円になるケースの方が多い。等ウェートのため、規模の小さい企業の成長力が反映しやすく、長期投資による資産形成に適合的である。
3,銘柄の採用基準がシンプルで透明性が高い
4,既存の指数にはない切り口で新たな投資の選択肢を提供する。
読売新聞、野村、三菱UFJアセットという各界の巨人が集結して「読売333」を大々的に売り出そうとしているわけですが、そううまくいくとは思えません。
私は、かつて三菱UFJアセットがヤマゲン先生と組んで売り出そうとして失敗した「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」をふと思い出しました。
「規模の小さい企業の成長力が反映しやすい」は、規模の小さい企業の没落も反映されやすいという事ですよね。
返信削除「地方企業を重視」というのも政治性を感じるし、うーん、という感じですが、まあ投資家の選択肢が増えるのは良いことなのでしょう。
政治色があるということは、どんなに売れなくても早期償還はしないでしょうし。
JPX日経インデックス400とかいう指数が10年くらい前にでてましたけど、鳴かず飛ばずで終わってるような・・・
返信削除読売も同じ流れですかね。
コメントありがとうございます。
返信削除>「地方企業を重視」というのも政治性を感じるし、うーん、という感じです
最初に売買代金で選別する結果、時価総額が小さい会社も多く含まれることになるわけですが、定番ファンドを超低コストで提供するスリムシリーズとして出すことには違和感がありますよね。
>JPX日経インデックス400とかいう指数が10年くらい前にでてました
ニッセイなしなしシリーズが121億円を集めていますが、成功したとは言えませんよね。
読売333をスリムシリーズで出せば沢山のお金が集まるのではないかという気持ちは分かるのですが、スリムで出したのにコケたら読売333は完全に終わってしまうことになります。
自ら進んで背水の陣を敷いたとしか思えないのですが、韓信が率いたからこそ成功したのであって普通は全滅です。悲しい未来しか浮かびません。