財務省は、2026年6月15日発行日(募集期間5/14~5/29)の個人向け国債変動10の適用利率を公表しました。
なんと1.67%です。
個人向け国債変動10は「国債」(国に対する貸付金)ですので、日本国が破綻しない限り金額の上限なく元本保証されます。
これに対し、銀行預金だと、銀行が破綻したときの補償額は1000万円が限度であり、1000万円を超える金額は補償されません。
そのため、無リスク資産が1000万円以上ある人は、銀行預金であれば銀行破綻リスクを避けるために預け先を分散させる必要があるところ、個人向け国債変動10であればそのような心配をすることなくひたすら個人向け国債変動10を買い増していけばよいので、非常に楽です。
ところで、国債はリスク資産ですが、その最大のリスクは金利上昇時のリスクです。
金利上昇時のリスク・その1は、金利が上昇した場合、固定金利であれば満期日まで低い金利が強制されるため、金利上昇メリットを得られなくなるという点です。
しかし、個人向け国債3種類(固定金利型10年満期、固定金利型5年満期、変動金利型10年満期)のうち最後の「変動10」であれば実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が見直されるため、金利上昇メリットを獲得することができます。
金利上昇時のリスク・その2は、金利が上昇した場合、固定金利だと元本割れするという点です。
たしかに、満期まで保有すれば元本100%が償還されます。しかし、その元本は低い固定金利でずっと拘束されるため、元本の実質価値は目減りします。
たとえば、2025年3月に適用金利2.65%の30年物国債を3億8000万円で買ったとすると、確かに毎年2.65%の利子をもらいつつ30年後には3億8000万円の元本が返ってきます。しかし、適用金利2.65%の国債購入後に金利が上昇すれば、新しく発行される国債の適用金利もまた上昇することになります(金利が上昇したのに国債の適用金利が上昇しなければ、新規発行国債を購入する人がいなくなるためです)。新規発行時の適用金利がその時々の金利に影響される結果として、国債の市場には様々な適用金利の国債が売られています。適用金利4.0%の国債と適用金利2.65%の国債が売られていたとき、同じ値段だとしたら誰もがもらえる利子が多い適用金利4.0%の国債を買います。そのため、適用金利2.65%の国債を売りたい人は、適用金利4.0%の国債との差額の利子相当額を値引きしなければなりません。
このように国債購入後に金利が上昇すると、市場で売却したときに元本割れすることになります。だったら満期日まで保有継続すれば元本100%が返ってくるから損はしないのではと思うかもしれませんが、2.65%のリターンが得られる3億8000万円は、4.0%のリターンが得られる2億5175万円と等しい価値しかありません。これが元本の実質価値が目減りするという意味です。
これに対し、個人向け国債は、1年経過後の中途換金が認められています。国が元本100%で買い取ってくれるため、元本割れすることはありません(もっとも、直近1年分の利子相当額が天引きされるというペナルティはあります)。
さて、2025年4月に3億8000万円の個人向け国債変動10を中途換金して、適用利率2.65%の30年物国債を購入した人がいます。「mushoku2006」さんです。
http://blog.livedoor.jp/mushoku2006/archives/51293740.html2026年4月15日の東京債券市場において、30年物国債の利回りが発行史上初めて4.0%を超えました。
mushoku2006さんによれば、4月14日時点の含み損は8962万円であり、4月15日のマーケットの結果が反映されれば含み損は1億円を超えると自己予想しています。
http://blog.livedoor.jp/mushoku2006/archives/51297921.html
mushoku2006さんが当ブログに登場するのはおよそ3年ぶりです。
【参考】
●守銭奴型のFIREでは人生がつまらない(山崎元)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/fire.html
3年前(2023.5.16)のたわら先進国株の基準価額は、22863円でした。
たわら先進国株の最新の基準価額は47553円ですので、2.08倍に増えたことになります。mushoku2006さんがもし3年前、3億8000万円でたわら先進国株を買っていたとしたら、今では7億9000万円になっていたことを思うと、アクティブ投資の難しさが心にしみます。
0 件のコメント:
コメントを投稿