たわらノーロードシリーズは、2023年3月24日、信託報酬を引き下げる旨を発表しました。
日経225を最安値ファンドと同率にし、先進国株、新興国株、全世界株、S&P500、バランスファンドでは単独最安値を更新したことから大きな話題を呼びました。
【参考】
●たわらノーロード、信託報酬を引き下げ(主要6ファンドでスリムを抜く)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/03/6.html
eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストをめざす」と宣言しながら単独最安値を更新したPayPay投信を無視して対抗値下げをしようとしないことから、今回のたわらノーロードシリーズの値下げを受けてどうするのか、その対応が注目されていました。
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●楽天ペイ、「地方税統一QRコード」(eL-QR)に対応(4/17~)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/03/qrel-qr417.html
2023年3月30日付けプレスリリースです。
●業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』 信託報酬率の引き下げを実施
https://www.am.mufg.jp/text/release_230330.pdf
引き下げ後の信託報酬がいくらになるかが気になりますが、見事なまでにたわらノーロードシリーズと同率です。
私は、eMAXIS Slimシリーズがとっているこの戦略を「コバンザメ作戦」と名付けましたが、これまでと同様に今回もやっぱりコバンザメ作戦でした。
そして、注意しなければならない部分があります。
eMAXIS Slimシリーズは純資産額が増えるにつれて信託報酬率を漸減するシステムを採用しているところ、
1,5000億円になるまでは信託報酬を下げない。
先進国株、オールカントリー
2,2500億円になるまでは信託報酬を下げない。
TOPIX、日経225、新興国株、全世界株(除く日本)、全世界株(3地域)、8資産均等バランス
というように変更しています。
例えば、スリム先進国株は、①500億円、②500億円以上1000億円未満、③1000億円以上の3段階制だったものが、①5000億円未満、②5000億円以上1兆円未満、③1兆円以上の3段階制に変更されました。
3段階制の信託報酬を導入したときは、他社ファンドと差別化できる良い考えだと思ったのでしょうが、現時点では超低コスト化が進行しすぎてこの制度を維持できなくなり、かといって廃止するという決断もできず、5000億円までは信託報酬を下げないということにして判断を先送りにしたということなのでしょう。
とはいえ、今回の変更により、「信託報酬が純資産額に応じて下がるのは分かったが、今の信託報酬率はいくらなんだ?」と悩まずに済みます。
最後に、当ブログでは「たわらノーロード先進国株式」を推奨していますので、スリム先進国株とたわら先進国株を比較してみます。
まず、たわら先進国株は、2023年4月7日以降、信託報酬が0.09889%になります。
SBI証券は、投信保有ポイントを決める際、販売会社報酬を上限にしているところ、たわら先進国株の販売会社報酬は0.05%のままですので、投信保有ポイントも0.05%のままであると思われます。
そうすると、投信保有ポイント考慮後のたわら先進国株の信託報酬は0.04889%となります。
これに対し、スリム先進国株は、2023年5月11日以降、信託報酬が0.09889%(たわら先進国株と同率)になります。
SBI証券は、スリム先進国株の投信保有ポイントを0.0365%としていますが、これは今のスリム先進国株の販売会社報酬と同率です。スリム先進国株は、信託報酬の引き下げに伴って販売会社報酬も0.03495%に引き下げますので、投信保有ポイントも0.03495%に引き下げられることになるものと思われます。
そうすると、投信保有ポイント考慮後のスリム先進国株の信託報酬は0.06394%となります。
たわら先進国株0.04889%÷スリム先進国株0.06394%=76.5%
このように、投信保有ポイントを考慮すると、たわら先進国株はスリム先進国株より23.5%も安く維持できることになります。
やったね。
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