日経新聞電子版(2023年4月26日 12:00)の下記記事を読みました。
●2022年度の資金流入額、三菱UFJ国際がトップ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB240QA0U3A420C2000000/
上記記事は、2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間の株式投信(ETFを除く)の資金流入額ランキングの一覧表を掲載しています。
それによると、トップ3は次のとおりです。
1,三菱UFJ国際投信 1兆8421億円
2,野村 8149億円
3,大和 5031億円
三菱UFJ国際投信が突出していますが、上記記事は、この理由について次のように分析しています。
スリム米国株とスリムオールカントリーの2ファンドだけで1兆1930億円の資金流入額ですので、スリム米国株とスリムオールカントリーだけで同社の資金流入額の65%を占めているということになります。
この2本のファンドは三菱UFJ国際投信の看板ですから、他社がコスト競争を仕掛けるとしたらこの部分しかありません。
「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は、おそらくこのように考えて勝負をかけたものと思われますが、
●Tracersオールカントリー、「最安を目指す」とは言えない
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/04/tracers_27.html
競合ファンドが運用会社負担にしている指数のライセンス料や法定書類の印刷費用を顧客負担にしたことが安さのカラクリだったのに、「運用会社、販売会社、信託銀行の3社がタッグを組んだことで実現した」という良い話にしてしまったことで批判を浴びてしまいました。
トレーサーズオールカントリーの4月27日の純資産額は1000万円、4月28日の純資産額は6000万円であり、1日で5000万円の資金流入があったものの、純資産額1兆円のスリムオールカントリーを倒すまでの勢いは感じられません。
とはいえ、超低コストインデックスファンドを看板に持つことの意味は大きく、楽天バンガードファンドシリーズを擁する楽天は6位で4301億円、SBI・Vシリーズを擁するSBIは7位で3884億円の資金流入額でしたので、トレーサーズオールカントリーが成功すれば日興もトップ10にランクインできることでしょう。
トレーサーズオールカントリーは、顧客負担にした指数のライセンス料や法定書類の印刷費用がどれほどのコスト増になるのかについて、何らかの形で説明する意向を示しています。
私は、トレーサーズオールカントリーが説明責任を果たすことで顧客が安心して購入できる環境が整い、このままでは新NISAで独り勝ちしてしまうであろうスリムオールカントリーの対抗馬となることを願っています。
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