セゾン投信創業者の中野晴啓さんの激白動画の後編がYouTubeで公開されています。
こちらです。https://www.youtube.com/watch?v=fKFlVKecZvI&t=2663s
●中野晴啓・セゾン投信創業者、YouTubeで激白
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/youtube.html
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
中野さんが、セゾン投信会長の解任に伴う投資信託協会の副会長職の再任辞退(2023年7月に再任予定だった)を投資信託協会の松谷会長(当時)に連絡した際、松谷会長から今後について様々な助言をもらったそうです。
松谷会長は、中野さんに対し、
「中野君、ユーチューバーになりなよ。凄い儲かるらしいよ。それで君、十分飯食えるよ」
「本をもっと書いて講演をやっていけば、中野君は世の中にそれなりに貢献できるよ」
と助言したそうです。
私はこの助言は素晴らしいと思ったのですが、中野さんはそれでは満足できず、次のように考えて投信会社の新設を決意したそうです。
「一緒に長期投資をやり続けましょう」と16年間、みなさんに約束し続けてきたことを途切れさせてしまうことは社会に対する裏切りだと強く思った。一刻も早く、もう一度みなさんにお応えしなければならないという使命感で新しい会社を作りたいと考えた。
今59歳だが、解任がこのタイミングでよかった。まだ10年スパンで考えることができる。65歳で解任されていたらダメだったかもしれない。
セゾン投信を創業したときのお手本がバンガードだった。バンガードからはいろいろなことを教えてもらった。ジョン・ボーグルは本当に尊敬できる私利私欲を超越したきれいな人。ああいう人になりたいなと今でも思う。
ボーグルは晩年、一線から退いてからバンガードという会社がちょっとずつボーグルの意思とは違う方向に行くということを非常に危惧していた。例えば、バンガードの主力商品のETFについて、ボーグル自身はETFが大嫌いでやりたくないと言っていた。バンガードでさえ創業者の意思が100%引き継がれるわけではない。
これからゼロから会社を作るとしたら、バンガードを超えるような、よりきれいな会社を作りたい。決して大きくなくてもよいから、そこに参加した人がみんな安心して信頼して支えてくれる、一体となって仲間として支えてくれるような運用会社にしたい。
非常に立派な考えではあるのですが、果たして超低コストインデックスファンドと競争できるのかと考えると、なかなか難しいのではないかと思われます。
とはいえ、前述したとおり、ユーチューバーになったり本や講演をしたりという成功がある程度約束された楽な道を選択せず、あえて厳しい茨の道を選択した中野さんは、そのようなことは人に指摘されるまでもなく十分に承知していることでしょう。
私は、中野さんが新しい投信会社でどのような訴求力を顧客に提示するのかについて、非常に興味があります。
動画を観ましたが、理念ばかりで、核心となる超低コストのバランスファンドを直販で売れる会社を本当に起ち上げられるのか具体的なものが全く触れられてない。
返信削除積立王子、中野さんの名前と意地だけで新NISA時代を生き残れるような状況じゃなく、認識の甘さが印象的。
一人草食投資隊で地方行脚して、コツコツ受益者を獲得する中野モデルはさすがにもう無理でしょう。
出資者が集まるとは思えません。
コメントありがとうございます。
返信削除>核心となる超低コストのバランスファンドを直販で売れる会社を本当に起ち上げられるのか具体的なものが全く触れられてない。
せっかくの質疑応答を活かしきれませんでしたね。
ただ、中野さんには超低コストインデックスファンドに対抗するための「腹案」があるはずですから、それを楽しみに待ちたいと思っています。
たわら男爵様
返信削除本日発売の 週刊エコノミスト年8月8日号
に
「『当事者が語る』セゾン投信会長退任劇の真相」
という記事が出ています。
読んだ感想です。
中野さんは7月中に(今日まで?)新会社登記を目指すと記載がありました。
初めて、クレディセゾン/セゾン投信の反論が出た形です。
(林野会長は出てこない)
セゾン投信の園部社長は、「(クレディセゾン・セゾン投信ともに)直販を否定する(ことや)、やめることは考えていない。むしろ現在進めているシステム開発は直販を強化するものだ」
とのこと。
クレディセゾンの水野社長は、(中野氏が新しい運用会社を作ることに対して)「(個人のすることに対してとやかく言うことではないが)ただ、セゾン投信と競合するようなことであれば、契約上、理にかなったものかどうか確認しないといけない。顧客離反のようなことは、気にしなければいけない」
と、かなり影響を気にしているように見えます。
(よっぽど今後に自信があって中野氏を解任したでしょうに。)
中野氏は中野氏で、運用会社を立ち上げる際、「株主に翻弄されることは、今後はまっぴらごめんだ」と言いつつ(実質)自己資金で運用会社を立ち上げるつもりはないようです。(記事にはありませんが、文面から、株式の実質過半数を自分(+自身の持つ別会社等)で握るつもりはなさそうです)
たとえば澤上篤人さんが投信を立ち上げる前にやったように、さわかみ投資顧問を作り、実質自己資金でさわかみ投信を立ち上げたけれど、そんなことは考えていないようにみえます。
記事を読んで中野さんが「頑固一徹」「保守的」なんだなぁと思いました。残念。
良くも悪くも新しい事をしないうえに、他人資本をたっぷり(?)入れて運用会社を立ち上げるようですね。
中野さんが新会社で今までと全く同じ方向で行くのであれば、顧客を奪うことになってクレディセゾン・セゾン投信と訴訟になりそうです(退職に際して何らかの契約がなされたようですね)
一方、中野さんのお金の使い方(「運用会社設立に〇〇億円を用意したい」)や、アクティブ運用一本やりの姿勢から考えて、個人の資産運用に資する「超『超』低コスト”インデックス”ファンド」と争える商品を作れるとも思えないですし。
何か新しいことをなさるのかもしれませんけど。
いずれにしても新NISAにどう対応するのか、見ものです。
私は、中野さんの果たした役割に一定の評価をしつつ、超『超』低コスト”インデックス”ファンドを購入すると思います。
コメントありがとうございます。
返信削除>本日発売の 週刊エコノミスト年8月8日号に「『当事者が語る』セゾン投信会長退任劇の真相」という記事が出ています。
教えていただいて知りました。
Amazonのkindle読み放題で読めましたので、私も読んでみました。
>自己資金で運用会社を立ち上げるつもりはない
中野さんはサラリーマンでしたので、お金がないんだと思います
これは仕方がないことだと思いますが、澤上さんが「これらかも、中野氏には我々と一緒に投信文化を広げていく仕事をやってもらおうと考えている」「どういう形になるかは、今後のお楽しみ」と言っているので、相当額の澤上マネーが中野ファンドに流れていきそうです。
クレディセゾンとセゾン投信の社長のコメントを読みましたが、どうやら中野さんはセゾンカードの会員に売りまくるのは嫌だったようで、クレディセゾンに求められたシステム改修を積極的にしないことで軋轢が大きくなって首を切られたような印象を受けました。
>「超『超』低コスト”インデックス”ファンド」と争える商品を作れるとも思えない
「はじめてのNISAオールカントリーに勝てるのか」が全ての基準になってしまいましたので、運用会社はつらいでしょうね。