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2023年11月11日土曜日

【悲報】楽天証券、みずほに買い叩かれる

楽天証券は、2023年11月9日、


●楽天証券ホールディングス及びみずほ証券による戦略的な資本業務提携の強化について
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/company/newsrelease/pdf/press20231109-02.pdf


を発表しました。

それによると、


1,楽天証券は、2022年10月、19.99%の株式をみずほ証券に譲渡し、みずほ証券の持分法適用関連会社になった。

2,楽天証券は、2023年11月、29.01%の株式をみずほ証券に譲渡する。これにより、みずほ証券は楽天証券の49%の株式を保有することになる。

3,楽天証券は、東京証券取引所への上場を申請中であったが、取り下げる


ということです。


49%という数字で思い出すのが、ドコモがマネックス証券(正確にはマネックス証券の株式を100%保有する新会社)の49%の株主になってマネックス証券を連結子会社にするというニュースです。
【参考】
●【追記あり】マネックス証券、dカード投資がスタート【dポイントで投信も買える】
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/10/d.html

●マネックス証券「ドコモ傘下入り」をめぐる皮算用
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/10/blog-post_9.html



「3大ネット証券会社」と言うとき、SBI証券、楽天証券、マネックス証券を挙げる人がほとんどでしょうが、前二社とマネックス証券との間には隔絶した差が存在します。
マネックス証券は、ドコモの力を借りてこの差を埋めようと考えて、証券会社を欲しがっていたドコモに自身を高く売りつけることに成功しました。マネックス証券にとっては非常に良いディールだったと言えます。

これに対し、今回の楽天証券の身売りは、上場審査が通らず(上場審査中に日本株の売買手数料の無料化を行ったため)、社債の償還期限までに株式の売却益が得られる見込みがなくなってしまったからです。

モバイル事業の黒字化と資金調達が楽天Gの喫緊の課題となっている。ブルームバーグが集計したデータによると、同社ではグループ子会社を含めると24年に4182億円25年に4300億円の社債が償還期限を迎える予定で、資金の手当てが急務となっている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-09/S3Q6G8T1UM0W01


このように、楽天グループは、楽天モバイルのせいで大変な状況にあります。

今回、29%の株式の代金として870億円を受け取ったと言われています。みずほ証券は、楽天証券の企業価値を3000億円(870億円÷29%)と見積もったことになります。

これに対し、1年前は20%の株式の代金として800億円を受け取ったと言われています。みずほ証券は、楽天証券の企業価値を4000億円(800億円÷20%)と見積もったことになります。

楽天証券の企業価値が1年で1000億円も減るはずがありませんので、窮状に付け込まれて買い叩かれてしまったものと思われます。
楽天銀行も叩き売り、楽天証券も叩き売り、あとは楽天カードしか残っていませんが、きっと楽天カードも叩き売ることになるのでしょう。


公開価格は1400円となった。親会社から飛び火した信用リスクに加えて、「資金繰りを考えれば、これ以上上場は先延ばしできない」(金融筋)と、足元を見られた面もあったようだ。
21日の初値は1856円と公開価格から3割も上昇し、楽天にとっては「底値」で楽天銀行を売却させられた形となった。

https://toyokeizai.net/articles/-/668228?page=3


楽天グループの祖業であり核心である楽天市場も、来月には還元率が大改悪されます。
楽天グループは、楽天モバイルのために全てを犠牲にする覚悟のようですが、楽天モバイルにそれほどの価値があるとは思えません。

みずほ証券が楽天証券の49%の大株主になったことで、楽天グループが破綻しても楽天証券の存続性が危ぶまれることはなくなりましたが、お得なポイント施策がやりにくくなるであろうことは残念です。


3 件のコメント:

  1. 仰る通り、マネックス証券は上手くやったなあという印象です。dポイントサービスとの相乗効果も狙えるでしょうし。

    みずほ証券は今後、楽天証券をどう利用し、自社とどう区別していくのでしょうね。
    今年迄楽天証券でつみたてNISAを利用するので、倒産の心配がなさそうなのは朗報です。

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  2. 楽天は、プロ野球球団を持っていたり、現在Jリーグ1位のヴィッセル神戸のスポンサーだったり、(退団した)イニエスタ選手を獲得したり、以前はあのバルセロナFCの胸スポンサーだったりと、華々しい広告活動をしてきましたが、
    その華々しさとは裏腹に、実情は厳しかったんですね。

    SBIは、この顛末をどうみているのでしょうかね。

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  3. コメントありがとうございます。

    >みずほ証券は今後、楽天証券をどう利用し、自社とどう区別していくのでしょうね。

    みずほとしても、楽天を見捨てて破綻すると貸付金が焦げ付いて大変なことになるため、やむなく出資という形で援助することにしただけで、これからどうするかまでは考えていないような気がしています。

    >華々しさとは裏腹に、実情は厳しかったんですね。

    楽天モバイルがサービスを開始したのは、2020年4月です。

    菅内閣が誕生したのは2020年9月。
    ahamoが誕生したのは2021年3月。

    悲しいですよね。

    >SBIは、この顛末をどうみているのでしょうかね。

    日本株の手数料無料化を楽天証券の上場審査にわざとぶつけたわけですから、とても喜んでいるのではないでしょうか。

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