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【先頭固定】誰でもできる超カンタン投資術(2024.3)

本稿は、当ブログ(「 たわら男爵のインデックスファンド投資術 」)及び旧ブログ(「 40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ 」)の集大成として、何らの知識がなくても実践できる資産形成の具体的なやり方をお伝えするものです(この記事の後で カテゴリ ...

2024年1月5日金曜日

「新NISA」で得する方法(上級編)

週刊現代の下記記事を読みました。

●クレジット決済でポイントもつく!円高リスクにはどう対応する?ベテラン投資家が陥る「新NISA」の罠を専門家が解説【上級編】
https://gendai.media/articles/-/121934


一問一答方式になっていますので、私が勝手に回答を考えたいと思います(全3回の3回目)。





●「新NISA」で得する方法(初級編)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/01/nisa_4.html

●「新NISA」で得する方法(中級編)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2024/01/nisa_84.html


Q19 課税口座で保有している株はNISAで買い替える?

A19 毎月の投資額(毎月の収入やボーナスの余剰資金+手持ちの余剰資金を60等分した金額)をつみたて投資枠(上限は月額10万円)に割り振り、つみたて投資枠の月額上限を超える金額は成長投資枠(上限は月額20万円)に割り振ると、2024年1月から2028年12月31日までの60か月で投資可能な金額を計算することができます。

特定口座で保有している投信や株がある人は、NISA口座の生涯投資枠1800万円-60か月で投資可能な金額に相当する金額まで売却し、NISA口座でたわらノーロード先進国株式を買うとよいでしょう。

NISA口座の投資可能額は年360万円までです。そのため、特定口座で多額の投信や株を保有している人は、2024年1月に360万円分を売却してNISA口座で年初一括投資をしようか迷っているかもしれません。
しかし、私は、特定口座で保有中の投信や株を売却してNISA口座で買い換えるのは、これからの60か月で投資可能な金額を超える分に限ったほうがよいと考えています。
なぜなら、特定口座からNISA口座への買い換えをする理由はNISA口座の非課税メリットを得たいからであるところ、投信の期待リターン(=想定される値上がり益)を年5%とすると、所得税・住民税相当額は5%×20.315%=1.01575%であることから、NISA口座の非課税メリットは年1.01575%であると推定されるからです。
つまり、特定口座で保有中の投信や株のうち100万円分を売却してNISA口座に買い換えると、その後は毎年1万円分の非課税メリットが発生し続けることになります。

これに対し、特定口座で保有中の投信や株を売却すると、値上がり益×20.315%の所得税・住民税が課税されます。
例えば、時価額1000万円(うち含み益250万円)のときに400万円を売却すると、値上がり益100万円×20.315%=20万3150円の所得税・住民税が課税されるため、手取りは379万6850円となります。このお金で360万円の年初一括投資をすると、毎年3万6000円の非課税メリットが発生し続けることになりますが、最初に20万3150円の税金を支払っていることからそれを取り戻すまで5.64年かかることになります。

このような感じで、自分の特定口座の含み益を前提として、買い換えた時点で支払う税金と買い換え後に発生し続ける非課税メリットを比べて買い換えるほうが得かどうかを判断することになりますが、100万円で1万円の非課税メリットに加えて乗り換え後の値上がり益相当額には生涯投資枠を事実上拡大する効果があることも考慮すると(例えば、NISA口座で100万円で購入した投信が1年後に105万円になれば、生涯投資枠のうち100万円を消費して105万円を非課税で運用できることになります。2年後に110万2500円になれば、生涯投資枠のうち100万円を消費して110万2500円を運用できることになります)、どうするのがもっとも得なのかの判断が難しいため、「NISA口座の生涯投資枠1800万円-60か月で投資可能な金額に相当する金額まで売却するという基準で判断するのが簡便でよいのではないかと考えています。



Q20 円高になりそうだが、米国への投資はまだOK?

A20 為替がどうなるかはトッププロでも分からないと言われています。そのため、我々のような素人がいくら考えても時間の無駄です。
NISA口座に60か月かけて積立投資することで、60か月の間には円安の時もあれば円高の時もあるため、為替リスクを平準化することができます。
ただし、米国株ファンドを買うと為替リスクがドル円100%になるため、為替リスクが気になるのであれば、より通貨分散された先進国株ファンドを買うべきです。



Q21 儲かったら医療費が1割負担から3割負担になる?

A21 社会保障サービスの負担額は、所得税ではなく住民税の課税所得で決まります。
NISA口座で投信を買えば住民税はゼロですから、住民税の課税所得もゼロです。
また、「特定口座(源泉徴収あり)」で投信を買うと5%の住民税が課税されますが(所得税15.315%と合算されて総額20.315%)、特定口座から外に出さない限り(=配当益や値上がり益を自分でわざわざ確定申告しない限り)、住民税の課税所得はゼロになります。
したがって、NISA口座や「特定口座(源泉徴収あり)」で売買する限り、配当益や値上がり益がどれだけ発生しても課税所得はゼロのままです。



Q22 ポイントの付与を謳っている証券会社もあるが

A22 ポイントは2種類あります。1つ目は投資信託の時価額に応じてもらえる「投信残高ポイント」、2つ目は投信積立のクレジットカード決済額に応じてもらえるものです。
SBI証券でたわら先進国株を購入すると、投信残高ポイントは年率0.05%になります。
クレジットカード決済額に応じたポイントは、クレジットカードの種類によって異なります。年会費3万3000円のプラチナプリファードは5%、年会費5万5000円のプラチナカードは3%、年会費1万1000円のゴールドカードや年100万円のショッピングで年会費が永年無料になるNLゴールドやビジネスオーナーズゴールドは1%、その他の年会費無料カードは0.5%です。

※NLゴールドやビジネスオーナーズゴールドの年会費永年無料条件の年100万円のショッピングには、投信購入分は含まれません。


これに対し、楽天証券には投信残高ポイントはなく(グループ会社の楽天投信投資顧問が提供する楽天プラスシリーズだけは投信残高ポイントが新設されました)、楽天カード決済の還元率は0.5%楽天キャッシュ決済の還元率はゼロです(楽天キャッシュに残高チャージする際のポイントのみがもらえます)。


Q23 成長投資枠を使い切る方法は?

A23 成長投資枠の購入上限額は年240万円です。積立購入・スポット購入のどちらでも購入することができます。
2023年に終了した旧NISAでは、非課税投資枠はその年の1月1日に新規発生してその年の12月31日に永久消滅するため、1年間で使い切らないと損でした。
しかし、2024年からスタートした新NISAでは生涯投資枠1800万円であり、その年に使い切らなかったとしても死ぬまでに使い切ればよいため、投資枠を使い切るかどうかについて悩む必要はありません。



Q24 NISAを終えるにはどうすればいいのか?

A24 2024年からスタートした新NISAでは生涯投資枠1800万円を与えるという建付けのため、自分で解約届を提出しない限り死ぬまで存続します。
現役時は、毎月の収入から1円でも多くの余剰資金を工面してNISA口座で投信を購入して資産を増やし、リタイア時に生活費が足りなくなったら投信を売却してください。



Q25 NISA口座は相続税対策になる?

A25 相続人は、次の3点のことをしなければなりません。

1,「非課税口座開設者死亡届出書」を被相続人(=死んだ人)がNISA口座を開設していた証券会社に提出する。

2,遺言書がないときは、遺産分割協議(相続人全員の合意が必要)をし、NISA口座内の資産の取得者が誰かについて遺産分割協議書に明記する。

3,「相続上場株式等移管依頼書」を被相続人がNISA口座を開設していた証券会社に提出し、取得者の特定口座に移管する。


取得者となった相続人は、被相続人の死亡日の時価でNISA口座内の資産を取得したことになるため、被相続人が購入してから死亡する日までの値上がり益課税(値上がり益×20.315%)は行われません。

ちなみに、被相続人が特定口座で保有していた資産を相続人が相続する際は、被相続人の取得価格を引き継ぐため、値上がり益課税は相続人が売却する時点まで繰り延べることができます。
ただし、相続税は、「被相続人の死亡日の時価-死亡日の含み益×20.315%」で計算された相続税評価額が基準となります。

※初稿時は相続税評価額の計算方法を間違えていましたので、該当部分を訂正しました。


15 件のコメント:

  1. 別件で恐縮ですが、山崎元先生が逝去とのことです。
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE04A4K0U4A100C2000000/

    新しい日本の夜明けを、見守り、場合によっては斬って欲しかったのですが。

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  2. 取得価額の引き継ぎと相続税評価額は関係ない(どちらも死亡日を基準に一定の時価評価)かと思いますのでご確認くだされば幸いです。

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  3. このトピックに投稿することが適当ではないのかもしれませんが、インデックス投資に関しては山崎元さん、年金に関しては大江英樹さんといった、我々素人のリテラシーを高めてくれたお二人が同日に亡くなられたことは何という偶然でしょうか。
    お二人のコラムで学べたからこそ今の自分が資産形成出来ているかと思うと感謝の念が尽きません。
    深く哀悼の意を表します。

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  4. コメントありがとうございます。

    >山崎元先生が逝去

    まだ65歳。残念ですよね。

    >取得価額の引き継ぎと相続税評価額は関係ない

    全くその通りですね。
    ごめんなさい。間違えました。本文を訂正しておきます。

    >インデックス投資に関しては山崎元さん、年金に関しては大江英樹さんといった、我々素人のリテラシーを高めてくれたお二人が同日に亡くなられた

    二人ともまだ死ぬ年ではないことを思うと、残念でなりません。

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  5. リタイヤ後のポートフォリオですが、「インデックス投信は死ぬまで売らない」を実践していくと、株式のウェイトがどんどん高くなると思います(給料等からの入金がないのに生活費の出費はあるので)。ですので伝統的には60/40とか50/50を維持するよう年に一度のリバランスが推奨されています。しかし実際にリバランスを行うと、ポートフォリオの成長エンジンを削ることになり、かつ納税が発生するケースも多いと思われます。男爵はこのあたりについてどうお考えですか。例えば10年分の生活費を安全資産で持ち、あとは%に関係なく全部インデックスとかそういうスタイルで運用されていますか?

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  6. コメントありがとうございます。

    >例えば10年分の生活費を安全資産で持ち、あとは%に関係なく全部インデックスとかそういうスタイルで運用されていますか?

    私は、リタイア時点でリスク資産6割、無リスク資産4割にして、生活費は無リスク資産をずっと取り崩しています。
    また、クレカ投資も無リスク資産を取り崩してやっています。
    リバランス(リスク資産を売却して無リスク資産を増やして6:4を回復する)はしていません。
    VTとたわら先進国株が増えたおかげで無リスク資産は1割程度まで減りましたが、金額ベースでは十分な金額が残っています。

    今から振り返れば、4割の無リスク資産は多過ぎでしたが、当時はリスク資産を6割でも心配で5:5にしようか悩んでいましたので、ストレスなくリタイア生活を送るためにはやむを得ない選択だったと考えています。

    一般論を言うならば、リタイア時点では5~10年程度の生活費相当額を無リスク資産として確保した上で、年に1~2回程度、保有する投信が史上最高値を更新した時点で売却して無リスク資産を増やし、リタイア時点で決めた配分比に戻すのがよいと思います。

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    1. ご回答ありがとうございます。男爵はリバランスをされないが、一般的にはやはりリバランスがおすすめということですね。この10年概ねマーケットが好調だっただけに、そろそろコロナ以上の暴落が来るのではとびびり気味ですが、60/40で始めてみようと思います。

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  7. 山崎さんは、がん保険不要論者でしたが、たわら男爵さんは、がん保険、医療保険はどうされていますか?

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  8. コメントありがとうございます。

    >一般的にはやはりリバランスがおすすめということですね。

    リタイアするからには5~10年間の生活費を常時確保しておかないと、暴落時に投信を売却しなければならなくなって悲しい気持ちになります。

    >たわら男爵さんは、がん保険、医療保険はどうされていますか?

    何も契約していません。

    ヤマゲン先生はコンスタントに年収3000万円を稼いでいましたので、保険に入る必要性を感じていなかったのでしょうね。
    自分のお金で1日4万円の特別室を利用できるだけの財力があれば、そのような考えになるのは当然だと思います。

    私も、保険に入る必要性を感じていません。

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  9. いつもためになる投稿楽しみにしています。この度は新NISAへの投資について質問があります。今年のNISAはおすすめの一括投資を済ませています。あと2年は生活防衛費等を除いた現金からNISAへ投資できそうです。
    次年度からの投資方法ですが、私は昨年退職し今年から主夫、妻が今年から会社員として働き始めます。私がVT(資産額2,700万円、内含み益1,170万円)を持っており外国税額控除制度で確定申告をして所得から控除していました。その他、積立NISA等の投資信託に3,800万円があります。
    妻もSBI証券に口座があります。(NISA一括投資済)
    含み益に対する課税や配当の二重課税等に頭を悩ませています。
    VTを売却してNISAの買い直しやVTの名義変更などおすすめのVTの取り扱いがありましたら教えていただきたいです。よろしくお願いします。

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  10. コメントありがとうございます。

    >今年のNISAはおすすめの一括投資を済ませています

    普通の人であれば避けるべきですが、リタイア済みであるならば年初一括投資が正解だと思います。

    >あと2年は生活防衛費等を除いた現金からNISAへ投資できそう
    >VTを売却してNISAの買い直しやVTの名義変更などおすすめのVTの取り扱い

    私ならば、余剰資金が尽きたら、躊躇なくVTを売却してNISA口座でたわら先進国株を買います。

    >私がVT(資産額2,700万円、内含み益1,170万円)を持っており外国税額控除制度で確定申告をして所得から控除していました。

    今年の3月申告分からは住民税の申告不要制度が利用できなくなりますので、米国ETFを減らせるのであれば減らしたほうがよいと考えています。

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    1. 回答ありがとうございます。
      今年1月から妻が働き始めて、主婦の私は扶養に入る予定です。
      VTの投資資金が尽きたら売却予定ですが、妻の収入で5年分のNISA投資には一括投資完了できそうです。
      確定申告やVTの売却などについて何かアドバイスがありましたら、よろしくお願いします。
      また、4歳の娘がおり学資保険も検討しましたが、現在できておりません。男爵様はどの会社のどの商品に入っておられますか。当方、夫婦そろって無生命保険(ガン・医療含む)です。
      教えていただけたら参考にしたいと思います。よろしくお願いします。

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  11. コメントありがとうございます。

    >妻の収入で5年分のNISA投資には一括投資完了できそう

    奥さんが奥さん名義のNISA口座で買うという意味であればよいのですが、そうでないと贈与税がかかります。

    >今年1月から妻が働き始めて、私は扶養に入る予定

    VTの分配金を申告すると面倒な問題が発生するかもしれませんので、私ならば申告はしません。


    扶養される人の所得が、他の所得とあわせて48万円を超えると、扶養から外れて、世帯主の税金が増加してしまいます。また、扶養される人自身に所得税がかかる可能性があります。
    増加する税金額は、世帯主の所得によって異なります。
    特定口座の「源泉徴収あり口座」での利益は、申告しなければ扶養の判定に影響しません(所得に含まれない)。
    特定口座の「源泉徴収あり口座」の利益でも、申告すると所得に含まれ、他の所得と合算して扶養の判定をします。
    扶養される人の所得が他の所得とあわせて45万円※(東京23区の場合)を超えると、原則として、扶養される人自身に住民税がかかります。
    https://www.daiwa.jp/seminar/study_tax/tax_other2.html


    >男爵様はどの会社のどの商品に入っておられますか。

    下記をご覧ください。
    http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-91.html

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  12. 妻や私のNISAについてはそれぞれの資産から行なっています。教えていただけ

    VTの分配金による扶養が外れる件についてですが、給与や退職金があった令和5年分(申告期間が令和6年2月〜3月)の申告もしない方が良いとお考えですか?理由も教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

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  13. コメントありがとうございます。

    >給与や退職金があった令和5年分(申告期間が令和6年2月〜3月)の申告もしない方が良いとお考えですか?

    私は、住民税を申告をしたときの影響が読み切れないため、申告せずに泣き寝入りをする予定です。

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