2023年7月10日、とんでもないファンドが新規設定されます。
信託報酬0.05775%の「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」です。
【参考】●【スリムオールカントリーの50%オフ】はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/06/50nisa.html
●スリムオールカントリーは対抗値下げしても「はじめてのNISAオールカントリー」にコストで負ける
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/06/nisa.html
●「はじめてのNISAオールカントリー」vs「たわら先進国株」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/06/nisavs.html
しかし、販売会社として決まっているのは野村證券だけです。
SBI証券が取り扱ってくれれば、投信保有ポイント0.0175%がもらえるため、信託報酬は実質0.04025%まで下がります。
バンガード社のVT(全世界の株式に投資する米国ETF)の経費率は0.07%ですから、はじめてのNISAオールカントリーはトータルコストでVTとほぼ並ぶことになります(はじめてのNISAオールカントリーの「その他費用」は1年後に作成される第1期運用報告書を見なければ分かりませんが、はじめてのNISAオールカントリーから日本株を除いた野村つみたて外国株投信の「その他費用」の実績値は0.029%であることからすれば、はじめてのNISAオールカントリーのトータルコストは0.07%程度になることが期待されます)。
しかも、VTには三重課税コスト(推測値0.1251%)がかかりますが、はじめてのNISAオールカントリーにはかかりません。
【参考】
●【基礎知識】三重課税コストhttp://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1202.html
というわけで、はじめてのNISAオールカントリーは非常に魅力的ですが、SBI証券が取り扱ってくれれば更に魅力を増します。
ところで、スリムオールカントリーの顧客としても、はじめてのNISAオールカントリーの登場を歓迎すべき点が2点あります。
それは、
1,よりコストが安いはじめてのNISAオールカントリーに乗り換えるという選択肢が増えたこと
2,スリムオールカントリーが対抗値下げに踏み切る可能性があること
です。
とはいえ、スリムオールカントリーは、簡単には対抗値下げに踏み切ることができません。
というのは、2019年8月27日、SBI・V・S&P500がスリム米国株の半値以下で新規設定されるというニュースが飛び込んできたとき、スリム米国株の対抗値下げが期待されましたが、スリム米国株が対抗値下げを発表したのは2か月後でした。対抗値下げの発表が遅れた理由について、スリム米国株の運用会社の代田常務取締役は「指数提供会社と指数のライセンス料の値下げ交渉をしたからだ」と述べています。
【参考】
●スリムシリーズが吐露したコスト競争の限界
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1517.html
このように、スリムシリーズは信託報酬を0.1%に引き下げる段階で既にギリギリの判断を迫られていますので、スリムオールカントリーの信託報酬についてもそう簡単には0.05%に引き下げることはできないものと思われます。
スリムオールカントリーの信託報酬(税抜)の内訳は、運用会社0.0415%、販売会社0.0415%、信託銀行0.02%です(純資産額が5000億円以上、1兆円以上の部分は運用会社報酬が漸減する仕組みですが、微差であり計算が大変なことからここでは無視します)。
これに対し、はじめてのNISAオールカントリーの信託報酬(税抜)の内訳は、運用会社0.0175%、販売会社0.0175%、信託銀行0.0175%です。
もしスリムオールカントリーがはじめてのNISAオールカントリーに対抗値下げすると、運用会社報酬は0.0415%から0.0175%に6割減となります。スリムオールカントリーの純資産額は1兆2183億円ですので、売上金は5億5615万円から2億3452万円に激減することになります。
そこで、スリムオールカントリーの重い腰を引っ張り上げる必要があります。
具体的には、スリムオールカントリーの主戦場はネット証券会社ですから、はじめてのNISAオールカントリーがネット証券会社でも購入できるようになればスリムオールカントリーも対抗値下げをせざるを得ません(そうしなければ、はじめてのNISAオールカントリーへの乗り換えが発生し、「業界最低水準の運用コストを目指す」というブランドコンセプトが崩壊するからです)。
野村アセットマネジメントの「はじめてのNISAオールカントリー」(2023年7月10日新規設定)を取り扱ってほしいです。よろしくお願いします。
ということは、野村はなぜそんな低い信託報酬で投信を作れたのでしょうね?捨て身でオルカンの独走を止めるために、儲け無しなんでしようか?これでオルカン追従できず、野村がじわじわ増えてくるとなったら凄いですね。
返信削除野村證券の意向で、野村證券以外は取り扱わないと思います。スリーゼロ先進国株式という商品で前歴があります。
返信削除誤植があります
返信削除>はじめてのNISAポールカントリー(ポ⇒オ)
>はじめてのNISAオールカントリーはトータルコストでVTとほぼ並ぶ
返信削除⇒凄いですね。良い時代になりました。
1票いれておきました。
返信削除スリムオールカントリーが対抗値下げしてくれると嬉しいです。
これ、証券会社側のハードルも相当高いですね。大手のSBIにしても楽天にしても、何も言わなくても投資家はブランド化されたスリムオルカンを買ってくれるでしょうから。ポイントは中堅の証券会社だと思います。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>オルカンの独走を止めるために、儲け無しなんでしようか?
スリムオールカントリーに勝つにはギリギリの薄利で多売するしかないと考えたのでしょうね。
本気を感じてよいのですが、S&P500でも本気を出してほしかったです。
>スリーゼロ先進国株式という商品で前歴があります。
スリーゼロは販売会社報酬がゼロですので、単に取り扱いたいと思う販売会社がなかったのだろうと思います。
>誤植があります
ご指摘ありがとうございました。訂正しました。
>良い時代になりました。
同感です。
>1票いれておきました。
ご協力ありがとうございました。
>証券会社側のハードルも相当高いですね。
SBI証券は投信保有ポイントで販売会社報酬の100%を顧客に還元していますし、同率のトレーサーズオールカントリーも取り扱っていますので、はじめてのNISAオールカントリーを野村證券以外で最初に取り扱う証券会社になる可能性が最も高いと思っています。
中野 晴啓さんが、新刊、
返信削除「1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法 (PHPビジネス新書) 」を出版されました。
肩書は「セゾン投信創業者」となっています。
先ほど、楽天でネット注文しました。届いたら早速読みます。
私には兄が50代の兄が2人います。2人とも幸せそうな過程を持ち、大企業に勤めているので問題ないと思いますが、
NISAはやっているのかどうか不明です。
「毎月5万円ずつ、20年間、積立投資をすれば、年平均5%の利回りで運用できた場合、2055万円以上になる(元本1200万円+運用収益855.2万円)。50歳から貯蓄0で始めても、70歳にはこれだけの資産が築ける計算なのだ。」
こんな感じに、新NISAが多くの日本国民に有効に活用されるといいですね。
コメントありがとうございます。
返信削除>新NISAが多くの日本国民に有効に活用されるといいですね。
同感です。
また、果たしてそこに中野さんの新会社は魅力的な選択肢として存在することになるのかも気になりますよね。
情報をかみ砕いて教えてくださりありがとうございます。
返信削除SBI証券に、同ファンドを扱ってもらいたいとリクエストしました。かなうかどうかは不明ですが、楽天証券にもチャットで、マネックス証券にもメールで同様のリクエストをしました。
SBI証券と楽天証券が扱ってくれれば、インパクトは大きいかなぁと思います。マネックスの動きは遅いかもしれませんが。
コメントありがとうございます。
返信削除>楽天証券にもチャットで、マネックス証券にもメールで同様のリクエストをしました
素晴らしいですね。
ご協力ありがとうございました。
>SBI証券と楽天証券が扱ってくれれば、インパクトは大きいかなぁと思います
そのとおりです。扱ってほしいですよね。