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2023年8月17日木曜日

【追記あり】「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」、はじめてのNISAオールカントリーに対抗値下げ(9/8~)

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」は、日本を含む全世界の株式に時価総額比で投資するインデックスファンドです。

その信託報酬は0.1133%。競合ファンドが単独値下げをするたびにピッタリと同じ信託報酬率に対抗値下げをすることを繰り返し(私はこれを「コバンザメ作戦」と名付けました)、1兆3729億円もの純資産額を集めることに成功しました。


しかし、最近、信託報酬0.05775%という驚愕の安さで登場したファンドがあります。

2023年4月23日の「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」と、7月10日の「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」です。


スリムオールカントリーは、トレーサーズオールカントリーに対しては、新規設定の2週間も前に「『eMAXIS Slim』シリーズの基本理念について」と題するリリースを発表し、トレーサーズオールカントリーは指数のライセンス料や法定書類の印刷費用を信託報酬に含めていないので対抗しない旨を宣言したものの、はじめてのNISAオールカントリーについては新規設定から1か月が経過したのに黙殺したままでした。

【参考】
●スリムオールカントリー、対抗値下げは「簡単に決断できない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/blog-post_19.html


しかし、スリムオールカントリーは、2023年9月8日、はじめてのNISAオールカントリーにコバンザメします。





※よろしければ、次の記事もご覧ください。


●Tracers MSCIオール・カントリー、「0.03%は率としてはチャレンジングなのは間違いない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci003.html

●【dポイントでslimシリーズが買える】大和コネクト証券の口座開設で1万2000円がもらえます
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/dslim12000.html



ソースは日経速報ニュース(2023/08/17 19:00)です。

三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬を9月8日から半額程度に引き下げる。野村アセットマネジメントが運用し、手数料が年0.05775%と業界最低の競合商品と同水準にする


ここで動かなければ、スリムシリーズのブランド価値が大きく毀損されてしまうと考えたからでしょうが、三菱UFJ国際投信にとっては非常に大きな決断だったと思われます。


●超低コスト競争、新たなる時代の幕開け~はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/nisa.html

でお伝えしたとおり、スリムオールカントリーが対抗値下げしたとしてもはじめてのNISAオールカントリーにトータルコストで負けますが、普通の人はそのようなことは気にしないため、このまま何事もなければ、ブランド価値を守ったスリムオールカントリーが先行者利益を活かして純資産額を増やし続けることでしょう。

私は、スリム一強を防ぐには、はじめてのNISA米国株式(S&P500)を含むはじめてのNISAシリーズ全ての信託報酬を0.05775%に引き下げることしかないと考えます。
というのは、オールカントリーを除き、はじめてのNISAシリーズは爆死状態であり、信託報酬を0.05775%に引き下げたとしてもはじめてのNISAシリーズは何らの痛手を受けないのに対し、既に多額の純資産額を集めているスリムシリーズにとっては痛恨の一撃になるからです。

【純資産額(現在-新規設定時)】
オールカントリー 3億2900万円
S&P500 7000万円
日経225 1200万円
新興国株 400万円
TOPIX 300万円


はじめてのNISAシリーズの純資産額は、このように非常に悲しいことになっています。
その全ての原因は、最安値を単独更新したオールカントリーを除き、スリムシリーズにコバンザメしたからです。

私は、はじめてのNISAシリーズが新NISAの定番ファンドの座をスリムシリーズから奪うことができるかどうかは、信託報酬を0.05775%に引き下げることができるかどうかという一点にかかっていると考えます。



【2023.8.18追記】

プレスリリースが出ました。
https://www.am.mufg.jp/corp/press/__icsFiles/afieldfile/2023/08/18/release_230818_1.pdf


オールカントリーだけでなく、除く日本3地域均等型の各信託報酬も0.05775%に引き下げられます。



11 件のコメント:

  1. slim は先進国株式と除く日本も下げなては、かなりアンバランスですよね。先進国株式派の私は期待します。

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  2. オルカンホルダーとして、野村に切り替えようかなと思っておりましたが、持っていれば今後も自主的にコスト減を行ってくれそうな三菱なので、対抗値下げの発表を受けてこのままステイに傾きました(単純)

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  3. これはいいニュースですね。

    ただここで突っ込むとすれば、オルカンが0.05%程度の経費率になったのに、それより分散がすくなくてすむスリム米国株やスリム先進国株の経費率がその倍程度の経費率になったままでは、明らかに論理的整合性がとれてないことになりますよね?

    実際、値下げ前はスリム米国株→スリム先進国株→オルカンの順に経費率が上がっていたわけですし。

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  4. コメントありがとうございます。

    >slim は先進国株式と除く日本も下げなては、かなりアンバランス

    スリムが下げたのは理屈ではなく競争ですので、野村アセットマネジメントが更に動くかどうかによるのでしょうね。

    >持っていれば今後も自主的にコスト減を行ってくれそうな三菱

    スリムは自主的にコスト減はしません。コバンザメですから。
    他社がはじめてのNISAオールカントリーを下回る信託報酬のファンドを出すとは思えませんので、今後の焦点は、はじめてのNISAシリーズがオールカントリーに続いて0.05775%のファンドを出すかどうかだと思っています。

    >スリム米国株やスリム先進国株の経費率がその倍程度の経費率になったままでは、明らかに論理的整合性がとれてない

    理屈ではなく競争に勝つために渋々下げただけですので、はじめてのNISAシリーズが他のファンドの信託報酬を引き下げなければ超々低コスト競争はこれで終わりだと思います。

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  5. 三菱はラージオルカンの経費を下げてからスリムオルカンを下げるのがスジです
     野村もこれは想定、予定通りでしょうから 覇権を賭けて最後までやって欲しい し やらなければ 未来 新nisaの"無期限" 終了時 存在出来るのか ですね

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  6. コメントありがとうございます。

    >三菱はラージオルカンの経費を下げてからスリムオルカンを下げるのがスジです

    競争ですから仕方がないです。

    >野村もこれは想定、予定通りでしょうから覇権を賭けて最後までやって欲しい

    はじめてのNISAシリーズ全部の信託報酬を一挙に0.05775%に引き下げたら面白いことになりそうです。

    野村アセットマネジメントはダメージが皆無なのに「はじめてのNISAシリーズ」のブランド価値は爆上がりし、他方で、スリムシリーズには致命傷に近いダメージを与えることができます。

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  7. 自身は全世界株(含む日本がベター)派ですが、
    iDeCOの口座が現在楽天証券なので
    消去法でたわら先進国を積み立てています

    今般のSlim全世界株の対抗値下げを機に
    SBIの全世界株(日本を除く)または
    マネックスやauの全世界株(オルカン)への
    乗換を検討しています

    アドバイスいただける幸甚です

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  8. コメントありがとうございます。

    >今般のSlim全世界株の対抗値下げを機にSBIの全世界株(日本を除く)またはマネックスやauの全世界株(オルカン)への乗換を検討しています

    SBI証券がスリムオールカントリーを取り扱っていないのは残念ですよね。

    楽天証券から他社に移管すると、国民年金基金に2829円、楽天証券に4400円の手数料を支払わなければなりません。
    https://dc.rakuten-sec.co.jp/service/commission/

    移管コスト7229円÷信託報酬差0.04114%=1757万1706円

    ということを考えると、コストを理由に移管しないほうがよいと思います。

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    1. 男爵、ご教示ありがとうございます。

      移管コストを踏まえた判断が肝といることですね

      例えば、下記の例(モデル)で想定回収期間やトータルコスト差の考え方は机上論として正しいでしょうか
      ・想定平均残高500万円(ある程度積上済)
      ・想定運用期間20年

      【想定回収期間】
      移管コスト7229円÷(平均残高500万円×信託報酬差0.04114%=2057円)=3.51年(3年半)
      【トータルコスト差】
      (平均残高500万円×信託報酬差0.04114%×20年
      =41,140円)-移管コスト7,229円=33,911円

      ※もっとも、その間にたわら先進国株が値下げするという嬉しい誤算があれば前提が成り立たないので、様子見が賢明かも・・・



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  9. コメントありがとうございます。

    >下記の例(モデル)で想定回収期間やトータルコスト差の考え方は机上論として正しいでしょうか

    正しいと思います。

    ただ、動きがあるとしても新NISAが開始するまででしょうし、あと4か月ほどですから、今年は様子を見て、来年になったらどうするかを考えたほうがよいと思います。

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    1. 男爵、コメントありがとうございます

      ご指摘いただいたとおり、年内は様子を見て、
      来年ボチボチ考えます

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