「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」は、日本を含む全世界の株式に時価総額比で投資するインデックスファンドです。
その信託報酬は0.1133%。競合ファンドが単独値下げをするたびにピッタリと同じ信託報酬率に対抗値下げをすることを繰り返し(私はこれを「コバンザメ作戦」と名付けました)、1兆3729億円もの純資産額を集めることに成功しました。
しかし、最近、信託報酬0.05775%という驚愕の安さで登場したファンドがあります。
2023年4月23日の「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」と、7月10日の「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」です。
スリムオールカントリーは、トレーサーズオールカントリーに対しては、新規設定の2週間も前に「『eMAXIS Slim』シリーズの基本理念について」と題するリリースを発表し、トレーサーズオールカントリーは指数のライセンス料や法定書類の印刷費用を信託報酬に含めていないので対抗しない旨を宣言したものの、はじめてのNISAオールカントリーについては新規設定から1か月が経過したのに黙殺したままでした。
【参考】●スリムオールカントリー、対抗値下げは「簡単に決断できない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/blog-post_19.html
しかし、スリムオールカントリーは、2023年9月8日、はじめてのNISAオールカントリーにコバンザメします。
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●Tracers MSCIオール・カントリー、「0.03%は率としてはチャレンジングなのは間違いない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci003.html
●【dポイントでslimシリーズが買える】大和コネクト証券の口座開設で1万2000円がもらえます
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/dslim12000.html
ソースは日経速報ニュース(2023/08/17 19:00)です。
三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬を9月8日から半額程度に引き下げる。野村アセットマネジメントが運用し、手数料が年0.05775%と業界最低の競合商品と同水準にする。ここで動かなければ、スリムシリーズのブランド価値が大きく毀損されてしまうと考えたからでしょうが、三菱UFJ国際投信にとっては非常に大きな決断だったと思われます。
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/nisa.html
はじめてのNISAシリーズの純資産額は、このように非常に悲しいことになっています。
slim は先進国株式と除く日本も下げなては、かなりアンバランスですよね。先進国株式派の私は期待します。
返信削除オルカンホルダーとして、野村に切り替えようかなと思っておりましたが、持っていれば今後も自主的にコスト減を行ってくれそうな三菱なので、対抗値下げの発表を受けてこのままステイに傾きました(単純)
返信削除これはいいニュースですね。
返信削除ただここで突っ込むとすれば、オルカンが0.05%程度の経費率になったのに、それより分散がすくなくてすむスリム米国株やスリム先進国株の経費率がその倍程度の経費率になったままでは、明らかに論理的整合性がとれてないことになりますよね?
実際、値下げ前はスリム米国株→スリム先進国株→オルカンの順に経費率が上がっていたわけですし。
コメントありがとうございます。
返信削除>slim は先進国株式と除く日本も下げなては、かなりアンバランス
スリムが下げたのは理屈ではなく競争ですので、野村アセットマネジメントが更に動くかどうかによるのでしょうね。
>持っていれば今後も自主的にコスト減を行ってくれそうな三菱
スリムは自主的にコスト減はしません。コバンザメですから。
他社がはじめてのNISAオールカントリーを下回る信託報酬のファンドを出すとは思えませんので、今後の焦点は、はじめてのNISAシリーズがオールカントリーに続いて0.05775%のファンドを出すかどうかだと思っています。
>スリム米国株やスリム先進国株の経費率がその倍程度の経費率になったままでは、明らかに論理的整合性がとれてない
理屈ではなく競争に勝つために渋々下げただけですので、はじめてのNISAシリーズが他のファンドの信託報酬を引き下げなければ超々低コスト競争はこれで終わりだと思います。
三菱はラージオルカンの経費を下げてからスリムオルカンを下げるのがスジです
返信削除野村もこれは想定、予定通りでしょうから 覇権を賭けて最後までやって欲しい し やらなければ 未来 新nisaの"無期限" 終了時 存在出来るのか ですね
コメントありがとうございます。
返信削除>三菱はラージオルカンの経費を下げてからスリムオルカンを下げるのがスジです
競争ですから仕方がないです。
>野村もこれは想定、予定通りでしょうから覇権を賭けて最後までやって欲しい
はじめてのNISAシリーズ全部の信託報酬を一挙に0.05775%に引き下げたら面白いことになりそうです。
野村アセットマネジメントはダメージが皆無なのに「はじめてのNISAシリーズ」のブランド価値は爆上がりし、他方で、スリムシリーズには致命傷に近いダメージを与えることができます。
自身は全世界株(含む日本がベター)派ですが、
返信削除iDeCOの口座が現在楽天証券なので
消去法でたわら先進国を積み立てています
今般のSlim全世界株の対抗値下げを機に
SBIの全世界株(日本を除く)または
マネックスやauの全世界株(オルカン)への
乗換を検討しています
アドバイスいただける幸甚です
コメントありがとうございます。
返信削除>今般のSlim全世界株の対抗値下げを機にSBIの全世界株(日本を除く)またはマネックスやauの全世界株(オルカン)への乗換を検討しています
SBI証券がスリムオールカントリーを取り扱っていないのは残念ですよね。
楽天証券から他社に移管すると、国民年金基金に2829円、楽天証券に4400円の手数料を支払わなければなりません。
https://dc.rakuten-sec.co.jp/service/commission/
移管コスト7229円÷信託報酬差0.04114%=1757万1706円
ということを考えると、コストを理由に移管しないほうがよいと思います。
男爵、ご教示ありがとうございます。
削除移管コストを踏まえた判断が肝といることですね
例えば、下記の例(モデル)で想定回収期間やトータルコスト差の考え方は机上論として正しいでしょうか
・想定平均残高500万円(ある程度積上済)
・想定運用期間20年
【想定回収期間】
移管コスト7229円÷(平均残高500万円×信託報酬差0.04114%=2057円)=3.51年(3年半)
【トータルコスト差】
(平均残高500万円×信託報酬差0.04114%×20年
=41,140円)-移管コスト7,229円=33,911円
※もっとも、その間にたわら先進国株が値下げするという嬉しい誤算があれば前提が成り立たないので、様子見が賢明かも・・・
コメントありがとうございます。
返信削除>下記の例(モデル)で想定回収期間やトータルコスト差の考え方は机上論として正しいでしょうか
正しいと思います。
ただ、動きがあるとしても新NISAが開始するまででしょうし、あと4か月ほどですから、今年は様子を見て、来年になったらどうするかを考えたほうがよいと思います。
男爵、コメントありがとうございます
削除ご指摘いただいたとおり、年内は様子を見て、
来年ボチボチ考えます