ITmediaビジネスで興味深い記事(2023年08月17日 10時00分)が公開されています。
こちらです(無料会員登録をすると全文が読めます)。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2308/17/news083.html
●【dポイントでslimシリーズが買える】大和コネクト証券の口座開設で1万2000円がもらえます
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/dslim12000.html
詳細は記事をご覧いただくとして、「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」の運用会社の担当部長が興味深いコメントをしています。
「諸費用については、分かりにくいという声もいただいていた。信託報酬に対して諸費用の上限が大きいので、しばらく様子を見ようという声も聞いた。」
「0.03%という数字は、現時点で監査費用やライセンスフィーをある程度カバーし、その他の固定額費用については純資産の増加を期待して設定している」
「今の純資産残高だと、0.03%は率としてはチャレンジングなのは間違いない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci.html
「今の純資産残高だと、0.03%は率としてはチャレンジングなのは間違いない」
要するに、「純資産額が増えないと0.03%の上限を超えることになり、超えた分は運用会社が負担しなければならなくなってしまう」と言っているわけですね。
日興アセットマネジメントは別の機会にも同趣旨のコメントをしています。
こちらです。
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci.html
0.03%はもう本当に限界なのでしょうね。
しかし、日興アセットマネジメントが考え違いをしているのは、0.03%という上限を設定したところで「分かりにくい」「しばらく様子を見よう」という声は減らないということです。
冒頭の記事でもコスト分析を試みていますが、はっきり言ってごちゃごちゃしすぎており、非常に分かりにくいです(しかも、冒頭の記事は、ライセンスフィーが「費目としては印刷費用に含まれている」と記載していますが、これは間違いで、ライセンスフィーが含まれるのは「印刷費用」ではなく「その他」になります)。
私もコスト分析を試みています。
こちらです(これを読めば、誰でも簡単にスッキリ理解することができます)。
●【追記あり】Tracers MSCIオール・カントリー、実質的な信託報酬を税込0.08675%に引き下げ
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci008675.html
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci008675.html
冒頭の記事がごちゃごちゃして非常に分かりにくく、しかも一部で間違えてしてしまった最大の原因は、トレーサーズオールカントリーのコストの建付けがごちゃごちゃして非常に分かりにくいせいです。
誰でも簡単にスッキリ理解することができなければ、「分かりにくい」「しばらく様子を見よう」という声は消えません。
トレーサーズオールカントリーはこれに失敗し、挽回するチャンスに気づいたのに上限を設定するという弥縫策を選択したせいでチャンスを失ってしまいました。
これに対し、野村アセットマネジメントのはじめてのNISAオールカントリーは、トレーサーズオールカントリーのような分かりにくさは皆無であり、「分かりにくい」「しばらく様子を見よう」という声が出る余地がありません。はじめてのNISAオールカントリーが新規設定された直後はトレーサーズオールカントリーのせいで「こちらも怪しいのではないか」という声がTwitter上で散見されましたが、今ではそのような声は沈静化し、賞賛の声に代わっています。
そのことは、積立設定件数、積立設定金額、純資産額に顕著に反映されています。
【参考】●はじめてのNISAオールカントリー、3週連続でトップ10入り
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/nisa310.html
唯一の販売会社であるSBI証券で売れなければ、トレーサーズオールカントリーに将来はありません。
これに対し、はじめてのNISAオールカントリーは、出だしこそ野村證券のつみたてNISA口座でしか買えませんでしたが、その後、SBI証券、auカブコム証券、マネックス証券(8月中の取扱開始を予定)と順調に販売会社を増やしています。
私が日興アセットマネジメントに言いたいことは、
1,指数のライセンス料と法定書類の印刷費用を外出ししたのに、それを誰でも簡単にスッキリ理解できるような形で説明することを怠ったのは非常な悪手である。
2,指数のライセンス料と法定書類の印刷費用を信託報酬で負担するように変更すべきである。
ということですが、日興アセットマネジメントとしてもこのような選択肢は当然検討した上で上限0.03%のほうを選択したのでしょうから、はじめてのNISAオールカントリーが順調に販売会社を増やしつつある現状ではもうダメかもしれません。
同意します。簡単に言うと
返信削除今すぐ正直ベースに戻せ。
そもそもはじめから騙そうとするな、です。
何がフィデューシャリー・デューティー宣言やねん、です。
slimオールカントリーの信託報酬が野村と同水準まで下がるようなので、終戦
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>そもそもはじめから騙そうとするな
日興アセットマネジメントは、トレーサーズシリーズを新規設定する前から、会社の方針として指数のライセンス料と法定書類の印刷費用をファンド負担にしています。
トレーサーズオールカントリーもその流れで、深く考えずに同じ形で新規設定してしまったのですが、競合ファンドとの違いを誰でも簡単にスッキリ理解できるように説明しないまま最安を強調する宣伝をしたことで大きな反発を受けることになりました。
やり方を間違えなければ、印象が全く違ったことを思うと非常に残念です。
>slimオールカントリーの信託報酬が野村と同水準まで下がる
トレーサーズオールカントリー、終わってしまいましたね。