「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」は、2023年9月8日、信託報酬0.05775%の「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」に対抗値下げします。
いつものとおり、自らは最安値を更新せず、最安値を更新した競合ファンドとピッタリ同率まで引き下げる「コバンザメ作戦」です。
【参考】●【追記あり】「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」、はじめてのNISAオールカントリーに対抗値下げ(9/8~)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/emaxis-slimnisa98.html
上記にも追記しましたが、プレスリリースが出ました。
オールカントリーだけでなく、除く日本、3地域均等型の各信託報酬も0.05775%に引き下げられます。
https://www.am.mufg.jp/corp/press/__icsFiles/afieldfile/2023/08/18/release_230818_1.pdfさて、スリムオールカントリーの対抗値下げを受けて、我々はどうしたらよいのでしょうか?
※よろしければ、次の記事もご覧ください。
●Tracers MSCIオール・カントリー、「0.03%は率としてはチャレンジングなのは間違いない」
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/tracers-msci003.html
●【dポイントでslimシリーズが買える】大和コネクト証券の口座開設で1万2000円がもらえます
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/dslim12000.html
まず、SBI証券でたわらノーロード先進国株式をバイアンドホールドしている人は、そのままたわら先進国株をバイアンドホールドすればよいと考えます。
なぜなら、SBI証券でたわら先進国株を保有すると年0.05%の投信保有ポイントがもらえるからです。
1,たわら先進国株の信託報酬0.09889%-投信保有ポイント0.05%=0.04889%
2,スリムオールカントリーの信託報酬0.05775%-投信保有ポイント0.0175%=0.04025%
3,両ファンドの差 0.00864%(1000万円あたり864円差)
私は、
新興国株10.7%(スリムオールカントリーの最新の月報)を混ぜたくないから、1000万円あたり864円のお金を余分に払おう
と考え、たわら先進国株のバイアンドホールドを継続します。
つぎに悩ましいのが、SBI証券ではない証券会社で「クレジットカード決済による投信積立サービス」を利用してたわら先進国株を買っている人はどうしたらよいかです。投信保有ポイントがないと、コスト差は1000万円あたり864円差から5864円差に拡大するからです。
私の場合は、楽天証券(楽天キャッシュ、楽天カード)、auカブコム証券(auPAYカード)、大和コネクト証券(セゾンカードデジタル)になります(注:大和コネクト証券ではたわら先進国株は買えないので、スリムオールカントリーかスリム先進国株かの二択になります)。
前提として、私は、これらの証券会社でのたわら先進国株の保有額が100万円程度になったらSBI証券に移管しています(SBI証券は、他社に支払った移管手数料を全額キャッシュバックしてくれるため)。
ただ、SBI証券に移管すれば投信保有ポイントがもらえるとしても、100万円×0.05%=500円にすぎないため、移管申込書とキャッシュバック申請書を作成して郵送する手間を考えると割に合うかどうかは微妙です。とはいえ、この500円は1回限りではなく毎年発生するため、2年に1回(月額5万円のクレカ投資×24か月=120万円)の頻度で移管するのであればやってもいいかなと思っています。
これに対し、他社のクレカ投資をするファンドをたわら先進国株からスリムオールカントリーに変更すれば、SBI証券の投信保有ポイントも0.05%から0.0175%に減ります。これは100万円あたり175円にすぎませんので、スリムオールカントリーに変更すれば投信保有ポイント目当てにSBI証券に移管する必要はなくなります。
とはいえ、投信保有ポイントがゼロになったとしても、1年分のクレカ投資額60万円×0.04114%(スリムオールカントリーとたわら先進国株の信託報酬の差)=414円ですので、たわら先進国株のままだったとしても大した負担ではありません。
もし私が真剣に資産形成を目指している時期であれば、全てのクレカ投資でたわら先進国株を購入し、2年に1度の頻度でSBI証券の特定口座に移管するか、あるいは新NISA口座の購入資金(年額360万円)がなければ売却してSBI証券の新NISA口座でたわら先進国株を買い直すかすると思うのですが、私の資産形成時期は既に終了しており、ポイントが欲しくてクレカ投資をしているだけですので、10.7%の新興国株が混ざってしまうとしても、より低コストで、より手間がかからないほうを選びたいです。
というわけで、私は、楽天証券(投信保有ポイントなし)の楽天キャッシュ、楽天カードで買う投信はスリムオールカントリーに変更します。
また、たわら先進国株が買えない大和コネクト証券(投信保有ポイントなし)で買う投信もスリムオールカントリーにします。
問題は、auカブコム証券です。
auカブコム証券は、投信保有ポイントがあるものの0.005%にすぎません。
しかし、auカブコム証券には、SBI証券に続いてはじめてのNISAオールカントリーの取扱いを開始したことで、スリムオールカントリーを対抗値下げせざるを得ないところまで追い込んだ功績があります。
私はその功績をリスペクトし、auカブコム証券のauPAYカードで買う投信ははじめてのNISAオールカントリーにします。はじめてのNISAオールカントリーが純資産額を伸ばして大成功すれば、爆死しつつあるはじめてのNISAシリーズのその他のファンドも信託報酬を0.05775%に引き下げて超々低コスト競争が全方位で勃発する可能性があるため、はじめてのNISAオールカントリーのともしびを絶やすわけにはいかないからです(なお、楽天証券ではスリムオールカントリーに変更するものの、もしはじめてのNISAオールカントリーの取扱いを開始すれば、スリムオールカントリーからはじめてのNISAオールカントリーに変更しようと考えています)。
【はじめてNISAシリーズの純資産額(現在-新規設定時)】
オールカントリー 3億2800万円
S&P500 6600万円
日経225 1200万円
新興国株 400万円
TOPIX 300万円
※auカブコム証券の投信保有ポイントは、①100万円未満0.05%、②3000万円未満0.12%、③3000万円以上0.24%ですが、④指定銘柄は一律0.005%です。たわら先進国株もスリムオールカントリーも指定銘柄ですが、はじめてのNISAオールカントリーは指定銘柄ではありません。私は「ワンチャンあるかもしれない」と思って静かにしています。
最後に、もっとも悩ましいのがSBI証券でスリムオールカントリーをバイアンドホールドしている人は、このままスリムオールカントリーを買い続けるべきか、それともはじめてのNISAオールカントリーに乗り換えたほうがよいかということです。
●超低コスト競争、新たなる時代の幕開け~はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/nisa.html
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/07/nisa.html
でお伝えしたとおり、スリムオールカントリーが対抗値下げしたとしてもはじめてのNISAオールカントリーにトータルコストで負けますが、その差は微差と言えば微差ですし、何よりも純資産額の差(1兆3729億円と3億円)は圧倒的です。
野村アセットマネジメントのこれまでの運用実績から推測する限り、はじめてのNISAオールカントリーの純資産額が少なかったとしても指数との乖離が発生する可能性は低く、実際にはじめてのNISAオールカントリーは最初の1か月を無難に乗り切っています。
【参考】
●はじめてのNISAオールカントリー、新規設定から1か月の運用に問題なし
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/nisa1.html
はじめてのNISAオールカントリーが大成功すれば超々低コスト競争が全方位で勃発する可能性があるとしても、資産形成手段として全世界株ファンドを選んだ人にとっては既に超々低コスト競争の恩恵を受けてしまっているので、あえてはじめてのNISAオールカントリーを買って超々低コスト競争が米国株や先進国株の分野に波及することを期待する必要はありません。
【参考】
●はじめてのNISAオールカントリー、新規設定から1か月の運用に問題なし
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/nisa1.html
はじめてのNISAオールカントリーが大成功すれば超々低コスト競争が全方位で勃発する可能性があるとしても、資産形成手段として全世界株ファンドを選んだ人にとっては既に超々低コスト競争の恩恵を受けてしまっているので、あえてはじめてのNISAオールカントリーを買って超々低コスト競争が米国株や先進国株の分野に波及することを期待する必要はありません。
そう考えると、もし私がSBI証券でスリムオールカントリーをバイアンドホールドしているとしたら、これまでどおりスリムオールカントリーをバイアンドホールドし続けることでしょう。
というわけで、スリムオールカントリーの対抗値下げによって、既にスリムオールカントリーをバイアンドホールドしている人は今までどおりスリムオールカントリーをバイアンドホールドし続けるだけでよいということになるため、はじめてのNISAオールカントリーにとっては強い逆風になりそうです。
私ができることは、クレカ投資をはじめてのNISAオールカントリーに変更して、はじめてのNISAオールカントリーが大成功し、超々低コストの波が先進国株まで及ぶことを願うだけであるとはいえ、はじめてのNISAオールカントリーにはなんとか頑張ってほしいものです。
スリムシリーズは、ほっといても常に最高水準(単独トップである必要はない)の低価格を実現してくれて、保有者として安心してストロングホールドできるのが一番ありがたいです。他に浮気しなくて済みます。
返信削除このブログの記事は、なぜかスリム憎しの思いが滲み出ているのが面白いですw
ニッセイ外国株式あたりが対抗値下げしてきたら、さらに面白い展開になりそうですがね
返信削除ニッセイもこのままではジリ貧でしょうし
ワンチャンあって欲しいですね(笑)
返信削除私も新興国株は混ぜたくない派なのでオルカンには興味ありませんが、はじにーシリーズが指定銘柄に入るのかには注目しています。
記事ありがとうございます。
返信削除改めて数値を見ると特にたわら先進国から乗り換えるメリットは薄いのがよくわかりました。
スリムの先進国も下げてくれれば良かったのにとはおもいましたが。
たわら男爵さんが動いたぞー。こりゃ界隈注目ですな。野村のオルカンの天下は短かった。
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除>スリムシリーズは、保有者として安心してストロングホールドできるのが一番ありがたいです
まさにそれがブランド価値ですが、今回の対抗値下げはブランド価値の維持という点で、かつてスリム先進国株が雪だるま先進国株に対抗値下げをしてスリムシリーズ躍進の端緒となったときと同じように、非常に大きな意味を持つと思います。
>ニッセイ外国株式あたりが対抗値下げしてきたら、さらに面白い展開になりそう
ジャンルは違いますので対抗値下げではありませんが、新NISAの定番ファンドの座を確保するためには何らかの思い切ったことをしないとダメでしょうね。
>はじにーシリーズが指定銘柄に入るのかには注目しています
静かに見守っていましょう。
>たわら先進国から乗り換えるメリットは薄いのがよくわかりました
たわら先進国株が運用会社報酬を削って販売会社報酬を増やしてくれたおかげですね。
>スリムの先進国も下げてくれれば良かったのに
コバンザメですから、仕方ありません。
>野村のオルカンの天下は短かった
スリムオールカントリーの対抗値下げによってスリムオールカントリーにとってかわることはなくなったと思われますが、1000~3000億円程度はそれほどの時間をかけずに集まりそうです。
ETF買うだけファンドも追いつけないレベルに信報が下がる。
返信削除VT買うだけファンドは終わった。
SP500にも波及すれば、SBI・VOOも楽天全米も完全に終わる。
そこまで行ってほしい。
野村、たわら、ニッセイ、切り込んでくるか?
コメントありがとうございます。
返信削除>VT買うだけファンドは終わった
VT(経費率0.07%)そのものを買うよりも信託報酬が安く、三重課税コストまで考慮すればトータルコストでも安い時代になったのはびっくりですよね。
>SP500にも波及すれば、SBI・VOOも楽天全米も完全に終わる
SBI・Vシリーズの信託報酬は0.0638%(+ETFの経費率)です。
0.0638%という信託報酬率を最初に見た時も余りの安さに驚きましたが、今回は現物運用なのに0.05775%ですからびっくりですよね。
>野村、たわら、ニッセイ、切り込んでくるか?
このままだとスリムオールカントリーが新NISAの定番ファンドになってしまい、先進国株ファンドが忘れ去られてしまいます。
それで我々に不都合があるのかと言えば別にないのですが、さみしい気持ちになってしまうので、何とか頑張ってほしいものですね。
野村はつみたて外国株の時を考えると初めに単独最安をアピールしてきますがその後の値下げは中々なさそうですよね
返信削除とはいえ実質コストはスリムよりも安い事が見込まれますのではじめてのNISAを積み立てていくつもりです
「ワンチャンある」で笑いました。
返信削除これ本当に起こったら、凄まじいことになりますね!信託報酬で差っ引かれるどころか、逆に増えていくという。
コメントありがとうございます。
返信削除>野村はつみたて外国株の時を考えると初めに単独最安をアピールしてきますがその後の値下げは中々なさそう
ここで何も動かないと、スリムオールカントリーを新NISAの定番ファンドに確定させただけになってしまうので、何とか頑張ってほしいですよね。
>これ本当に起こったら、凄まじいことになりますね
忘れているだけだと思います。
気づいた時に担当者が真っ青になる事案でしょうね。
2559も下げて頂きたいと
返信削除思うのですが、やはり
そこは厳しいのでしょうかね?
私の中で
ETFの方が信託報酬は、
安いイメージがあったのですが
最近は投資信託の方が
お安いですね。
先進国株式の
1550なんて
0.165%ですものね。
残念ながら
2559も
下がらないのでしょうね。
コメントありがとうございます。
返信削除>2559も下げて頂きたいと思うのですが、やはりそこは厳しいのでしょうかね?
三菱UFJ国際投信に自ら進んで値下げを行うことを期待してはダメだと思っています。
>残念ながら2559も下がらないのでしょうね。
そう思います。