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2023年8月19日土曜日

スリム新興国株、「SBI・V・新興国株」に対抗値下げ(税抜0.138%)

eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は、2023年8月13日、信託報酬を税込0.1859%から0.1518%に引き下げる旨を発表しました。

こちらです。

https://www.am.mufg.jp/corp/press/__icsFiles/afieldfile/2023/08/18/release_230818_1.pdf








※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●はじめてのNISAオールカントリー、現物運用で、日本株マザーは2億1000万円
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/nisa21000.html

●スリムオールカントリーが0.05775%に対抗値下げ、さてどうする?
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/005775.html

●【dポイントでslimシリーズが買える】大和コネクト証券の口座開設で1万2000円がもらえます
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/08/dslim12000.html



今回の信託報酬の引き下げは、「SBI・V・新興国株式」に対抗したものです。

SBI・V・新興国株式」は、バンガード社の米国ETF「VWOを買うだけファンドです。実質信託報酬(消費税抜き)は、ファンドの信託報酬0.058%+VWOの経費率0.08%=0.138%。


スリムシリーズが米国ETFを買うだけファンドに対抗値下げするときは、消費税抜きの実質信託報酬(ファンドの信託報酬+米国ETFの経費率)を基準にするため、今回は0.138%を基準とし、いつものとおり自らは最安値を更新せず、最安値を更新した競合ファンドとピッタリ同率まで引き下げる「コバンザメ作戦」を敢行しています。


この点について、SBI・Vシリーズの運用会社の梅本社長は、同ファンドの新規設定を告知するYouTubeライブにおいて、


●eMAXIS Slim新興国株は信託報酬を下げなきゃいけなくなるんだなと思って申し訳なくなるんですけどね(SBIアセット梅本社長)
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/05/emaxis-slimsbi.html


とコメントしています。

上記告知が行われたのは2023年5月9日であり、既に3か月以上が経過しています。18.3%もの引き下げになるため、スリムシリーズとしても容易に決断できなかったのでしょう。


ただ、「SBI・V・新興国株式」の販売会社がSBI証券だけであり、純資産額も3か月で3億円(純資産額3億9900円のうち9700万円はSBIアセットマネジメントが拠出)と振るわなかったので黙殺しても許されましたが、はじめてのNISAオールカントリーの人気の凄まじさ(SBI証券だけでなくauカブコム証券やマネックス証券が相次いで取り扱いを開始し、12営業日で純資産額3億円に到達した)を受け、スリムオールカントリーの信託報酬を引き下げなければスリムシリーズのブランド価値そのものが毀損されるところまで追い込まれてしまいました。そのため、やむなくスリムオールカントリーの対抗値下げを発表することになったので、黙殺していたスリム新興国株の対抗値下げについてもスリムオールカントリーの対抗値下げと同じタイミングでの発表になったものと思われます。


もっとも、スリムシリーズの対抗値下げは今回が最後ではありません。スリムシリーズよりも信託報酬が安いファンドはまだ残っています。


●PayPay投信米国株式インデックス
税抜信託報酬 0.085%(米国ETFの経費率を含む)
税込信託報酬 0.0915%
(米国ETFの経費率を含む)
→投資先の米国ETFは、JPモルガン・ベータビルダーズ・米国株式ETF(経費率0.02%)

●PayPay投資信託インデックスアメリカ株式
税抜信託報酬 0.076%
(米国ETFの経費率を含む)
税込信託報酬 0.0806%
(米国ETFの経費率を含む)
→投資先の米国ETFは、VTI(経費率0.03%)

●PayPay投資信託インデックス先進国株式
税抜信託報酬 0.0854%(米国ETFの経費率を含む)
税込信託報酬 0.09394%
(米国ETFの経費率を含む)
→投資先の米国ETFは、シュワブ・U.S.ブロードマーケット、SPDRポートフォリオディベロップドワールド(米国を除く)(経費率0.0334%)

●SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンド
税込信託報酬 0.1133%(ETFの経費率を含む)
→投資先のETFは、
iシェアーズ・コア TOPIX ETF(経費率0.0495%。ただし、投資先のETFは指数のライセンス料をファンド負担にしている)

●SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド
税込信託報酬 0.1133%(ETFの経費率を含む)
→投資先のETFは、
iシェアーズ・コア 日経225 ETF(経費率0.0495%。ただし、投資先のETFは指数のライセンス料をファンド負担にしている)



PayPay投信は、販売会社がPayPay証券とPayPay銀行だけ(「PayPay投信米国株式インデックス」だけはSBI証券でも販売中)であり、純資産額も振るわないので、スリムシリーズが黙殺しても許されています。
しかし、「PayPay投資信託インデックス先進国株式」については、雪だるま先進国株を丸パクリしたものであるため、雪だるま先進国株が対抗値下げに踏み切る可能性があります。雪だるま先進国株が対抗値下げをすると、スリム先進国株も対抗値下げをせざるを得なくなるため、非常に面白いことになります。
【参考】
●PayPay投信、「全世界株」と「先進国株(含む日本)」を新規設定~「雪だるま全世界株」「雪だるま先進国株」を丸パクリ
https://tawaradanshaku.blogspot.com/2023/06/paypay628.html


また、スリムシリーズがSBI・Vシリーズには対抗値下げするのに、SBI・iシェアーズには対抗値下げしない理由は分かりません。
存在が忘れられているのか(私も忘れていました)、投資先のETFが指数のライセンス料をファンド負担にしているからなのか、PayPay投信のように黙殺しても誰も文句を言わないだろうと考えたのか、ブロガーミーティングのときにでも代田常務に聞いてくれる人はいないかなと思っています。

3 件のコメント:

  1. スリム新興国株の値下げは嬉しいです。
    たとえコバンザメと言われようが、頑張って追随してくれるスリムはやっぱり安心感があります。
    他社の信託報酬値下げや最安投信新規設定をも喜べるって考えたらすごいことですね。
    分が悪くなってきたニッセイさんには、先進国株のカテゴリで大きく動いてもらいたいです。

    返信削除
  2. たわら男爵様
    今回野村アセットマネジメント(+SBIアセットマネジメント)が1本だけやったように、
    1社1本ずつ 超低コストファンドを出されたら、三菱UFJ国際投信はたまらないでしょうね。
    例えば、、、、、
    ・アセットマネジメントワン :たわらノーロード S&P500
    ・三井住友トラスト・アセットマネジメント : My SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)
    運用会社が実行するかどうかは別ですが、すでにマザーファンドファンドを持っていてそれに比して、純資産が伸びないベビーファンドにとっては、ほぼリスクがない状態で、純資産を伸ばすチャンスかもしれません。

    返信削除
  3. コメントありがとうございます。

    >たとえコバンザメと言われようが、頑張って追随してくれるスリムはやっぱり安心感があります

    まさにこれを狙ってやっていると思うのですが、作戦としては効果的だと思います。

    >ニッセイさんには、先進国株のカテゴリで大きく動いてもらいたいです

    ニッセイにとって先進国株ファンドは虎の子ですので、なかなか難しいと思うのですが、何もしないとスリムオールカントリーに全てを持っていかれてしまうので悩ましいところですよね。

    >すでにマザーファンドファンドを持っていてそれに比して、純資産が伸びないベビーファンドにとっては、ほぼリスクがない状態で、純資産を伸ばすチャンス

    同感です。
    何もしないとスリムオールカントリーが定番ファンドになる未来が確定するだけですので、何かしないといけませんよね。

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